女性の腰痛の原因は、精神的なストレスが関与していた!? 慢性腰痛を改善するために原因を探ろう!

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

日本の研究によるもので、女性の腰痛の原因の1つにストレスから来る冷えが原因である事が判明したようです。
これは、敦賀市立看護大学の萬代望氏と関西医療大学の渡邉真弓氏、武田時昌氏、新潟大学の富山智香子氏、福島県立医科大学の二階堂琢也氏らの研究によるものとなります。

身体に冷えがあり、体温が低い方には腰痛傾向の方が多く、その冷えの原因に精神的なストレスが関係していると考えられています。

肩こりの次に多いのが腰痛とされており、その原因も不明な点が多いとされています。つまり、検査などでは分からない腰痛のことを指します。
この原因を探るために、食事・運動・睡眠習慣・精神状態・女性に多い貧血なども考慮に入れて研究がされました。
その結果として、腰痛のある女性は体温が低く、また精神的な不調も多く見られたようです。
この事から精神的なストレスが、血液循環の低下や体温の低下を引き起こしている可能性があると考えられています。

東洋医学的には、これをどのように捉えるのか??

まず始めに、気血の流れが悪くなると、痛みが出ると考えられます。
つまり、血流が悪かったり、ストレスからの痛みの原因で気滞症・瘀血の可能性があります。
また、今回は女性に対しての研究であるため、瘀血体質は切って見切れない関係があります。特に、女性は生理があることで、情緒が乱れやすい傾向があります。気滞症(肝気鬱結症)などの精神的な気の巡りからも血流が悪くなったりもします。

次に、冷えの原因にも焦点を当ててみると、身体が熱を産生できない陽虚または外邪による冷えが考えられます。
外邪には、秋冬による季節による気温だけでなく、冷たい飲食物・エアコンなどの冷えがあります。

男性よりも、ファッション的にも足を出す傾向があるため、外気温の寒さが下肢を冷やすことで、血液を冷やし内臓を冷やします。これらにより、体内に冷えをもたらし、筋肉が固まりやすく腰痛の原因も考えられるでしょう。

その上、基本的には女性の方が筋肉量が少ないために、代謝が劣り冷えたり過度のダイエットなどで痩せすぎにより、身体を温める力(陽気)の低下もあるでしょう。

結局は、東洋医学的にはどの可能性も考えられます。
例えば、以下のような流れとなります。

・ 気・陽気不足(体内が冷えている状態) ⇒ 血流の低下 ⇒ 腰痛
・ 肝気鬱結・気滞症(精神的なストレス過多) ⇒ 血流の低下 ⇒ 腰痛
・ 気虚(元気不足) ⇒ 肝気鬱結・気滞症(精神的なストレス過多) ⇒ 血流の低下 ⇒ 腰痛
・ 瘀血体質(血流が悪い) ⇒ 腰痛
・ 瘀血体質(血流が悪い) ⇒ 気の巡り・冷え ⇒ 腰痛

このような流れが想像ができるため、根本的な原因が違うけども、同じ病気を生じます。
そのため、同病異治という言葉があり、同じ病気でも治療法が異なる事を意味します。東洋医学の治療としては、根本的な原因を治療する必要があります。

身体が痩せて、元気が不足している事が根本的な原因である方に、精神的なストレス・瘀血を改善する方法を選んでもなかなか効果が出ないでしょう。

そのため、まずは何が原因か見極める必要性があります。
ちなみ、根本の原因は違っても症状が複合的に起こる事が多いイメージがあります。その場合は、ピンポイントの治療でなく、冷え・ストレス・瘀血・気不足など全体を考えて治療方針を取る事もあります。

オススメの漢方薬としては、五積散!!

今回の場合は、冷え・精神的なストレス・女性がキーワードでしょう。
この事から、五積散が使いやすい漢方薬ではないかと考えられます。

では、五積散とは、どんな漢方薬なのか??

■ 五積散

五積散は、寒湿困脾(寒さによって、脾胃の働きが悪くなる事で、寒さ・湿の症状)に使われます。
寒さ・食事・気・血・痰(湿)の5つの原因が、積もりに積もることで身体の流れを悪くする症状を改善するために作られた漢方薬です。

つまり、この5つの原因を取り払う漢方薬となります。

一般的な効能・効果としては、手足が冷えて、身体が重怠い方の腰痛・関節痛に使われます。
最近では、梅雨時期の冷房病に使われています。その他にも、胃腸炎・月経痛・頭痛・更年期障害・風邪などにも使われるので、汎用性の広いのが特徴的ですね。

生薬構成としても、消化管・全身の血液循環を促進する桂皮・乾姜や全身の血液循環を促進して四肢の冷えによる痛みを取り除く麻黄・白芷・当帰・川芎が配合されます。

また、女性に取っては重宝される当帰・川芎・芍薬は、生理などで失いがちな血を補充し、その巡りも良くする活血作用も含みます。

芍薬・甘草といった筋肉の痙攣・痛みを抑える生薬も入っているため、筋肉の張りの改善にも良いでしょう。

半夏・陳皮・厚朴・枳穀・桔梗・香附子などは理気化湿つまりストレスを流し、脾胃が嫌う湿を取り払います。
脾胃の健康は、気を消化・吸収するためにも大切となります。

以上の事から、冷え・精神的なストレス・女性に当てはまる腰痛には、オススメとなります。

まとめ

今回は、最新の研究で判明したストレスから来る冷えが腰痛を生じさせることについて触れてみました。

東洋医学の考え方だと、もっと複雑な原因も見えてきます。
もし、ストレスからの冷えが根本的な原因ではなければ、他の原因が腰痛を引き起こしているかもしれません。

慢性的な腰痛で困っている場合には、東洋医学を試してみてはいかがでしょうか。

以上、参考になれば幸いです。

参考文献:「BMC Research Notes」に1月30日掲載

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