【ペット漢方】 再発を繰り返すような皮膚炎の治療法とは!? 東洋医学で考えられるアプローチとは??

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

皆さんは、無菌性結節性脂肪織炎という病名を聞いた事はあるでしょうか??
なんだか長い病名で、初めて聞いた方は、何それ?? 怖い病気なの??

そのような不安を感じてしまう方もいるでしょう。

では、どんな病気なのか??
また、東洋医学でのアプローチは、どうするのか? を話して行きましょう。

無菌性結節性脂肪織炎とは?

この病気は、一声言えば皮膚病です。

症状としては、足の付け根・腰にしこりのような結節が出来てしまいます。
その結節が、少しずつ膨らみ破裂を繰り返します。そして、どんどん広がって複数の結節が出来る病気です。

この結節は、皮下の脂肪組織で起きるために結節性脂肪織炎と呼ばれます。
また、無菌性の炎症となっています。

では、なんで起こるのか??
これについては、まだ、判明はしていません。

そのため、炎症を抑えるためにステロイド・免疫抑制剤で様子見ることが多い疾患でもあります。
相談では、これらの薬を使えば一時は良くなるが、直ぐに再発を繰り返すことを耳にしますね。

この理由としては、陰陽の関係性が問題となってきます。
このような西洋のお薬は、瀉剤に属しておりただ抑えているだけとなります。

東洋医学の考えだと、陰の力が不足している事に問題があります。
陰陽は水と火で表すことができ、皮膚炎のような炎症=火=陽が強いのようにイメージができます。

陰陽は、拮抗してバランスが取れた状態が大切なために、陽が強いと陰がうまく機能しません。
西洋のお薬は、陰を補わないで直接この火を抑えているために、症状が改善しても陰陽のバランスが悪いままとなります。

そのため、再発を繰り返す原因にもなります。
ここで、陰を補っていれば、火消しの役割となる水が潤っているために自分自身の力で抑えていけるようになります。

では、東洋医学でのアプローチはどうするのか?

補血作用を主体に清熱解毒・消腫潰堅といった薬効がある漢方薬を加減する事がオススメ!!
その子の状態により、気を補ったり、活血化瘀も考えることも忘れずに。

先ほども触れましたが経験上、ステロイドなどを使用して症状が治ったり、悪化を繰り返す場合は、清熱解毒剤+気血を補う漢方薬は相性が良いです。
また、西洋のお薬を併用するなら補血作用のある漢方薬だけでも良いでしょう。

症例】

ミニチュアダックス  15才 3.2㎏

病院で、無菌性結節性脂肪織炎と診断。 皮膚は、褥瘡のようになり、破裂を繰り返している。

プレドニンを服用すれば、症状はよくなるが、止めたり減薬で、ぶり返してしまう。

免疫抑制剤も使用したが、副作用が強く出たので、休薬。

薬に頼らない方法を探して来院。

その他の症状に、ゲップ・下血がたまにあり。性格は、少し神経質。

治療方針】

上記のように、補血・清熱解毒をメインに処方。また、ゲップなどの気逆症状があり。

荊芥連翹湯と金銀花(清熱解毒)をメインに処方。
荊芥連翹には補血作用がある生薬も含まれるが、四物湯と黄耆建中湯を加えて、補血作用をより高めて、胃腸の機能を整えつつ、黄耆の衛気作用により皮膚を守るように処方。

腸には、免疫細胞が約70%も存在しているので、胃腸を整えることも大切ですね。

【経過】

服用1ヶ月、プレドニンを休薬期間も、症状が出なくなった。そのため、再度同じ処方を30日服用し経過観察。

服用2ヶ月、症状は特になく、安定している。現在は、ステロイドの隔日投与で様子見をしていこうと獣医師との相談。獣医師からも漢方薬は、継続指示あり。

服用3ヶ月、ステロイドを完全に止めても、症状は起こらない。

漢方薬での体質改善が良好と考えられ、その後も同じ処方を継続。

服用4ヶ月、症状安定。1日2回⇒1日1回に変更指示。

服用5ヶ月、ぶり返しもなく問題ないとの事。その後、様子をみて休薬。

まとめ

今回は、無菌性結節性脂肪織炎についてでした。
結果的には、漢方の効果が大きく認められた症例でした。

このような症状で相談される方は多くいますが、一番の問題は良くなったから自己判断で休薬です。
再発を繰り返すような皮膚炎などは、きちんと陰を補う事ができていないと、すぐに消耗しぶり返します。

そのため、上記のように徐々に減らして再発が起きないか確認する事が大切。
休薬・再発の繰り返しでは、返って時間がかかるので注意が必要でしょう。愛犬・愛猫などのためにも根気よく継続しましょう。

また、同じ病気でも、状態により選ぶ漢方薬は違うかと思います。
治療に悩んでいる場合は、今回の症例を考慮に入れて貰えると嬉しいです。

以上、参考になれば幸いです。

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