はーい。こんにちわー。
元気堂です。
産後の後遺症の1つには、尿失禁が頻発します。
この産後の障害により、不安・抑うつ感などの精神症状へ影響している事が判明したようです
これは、テキサス大学（UT）サウスウェスタン医療センター産科婦人科教授のDavid Rahn氏らによる研究となっています。
確かに、大人になって尿失禁は恥ずかしさを伴うために、そこから憂鬱感などが生じてもおかしくはありません。
基本的には、産後で様々な症状が起きるのは、しょうがない事です。
子供を出産するために使われるエネルギーを考えれば、当たり前かと思います。
けれど、本人にとって尿失禁がひどいと、孤立感や恥ずかしさを感じ、社会的なつながりを持つことが難しくなる事も・・・。
尿失禁の原因として、腹圧性（咳・くしゃみ・ジャンプの際に尿がもれてしまう）・切迫性（膀胱に尿が完全にたまっていない状態であっても急に我慢できない尿意を覚えて尿をもらしてしまう）があります。
今回の研究では、腹圧性32．5％であり、切迫性は16．5％となり、9人中1人に全般的な煩わしい排尿関連の症状のあることが明らかになったようです。
ちなみに、巨大児の出産・合併症を伴う分娩といった従来のリスク因子との関連は認められない。
腹圧性尿失禁の傾向としては、母親の出産時のBMIが高い・出産から12カ月時点での抑うつスコアが高い。
切迫性尿失禁の傾向としては、過去の出産回数が多い・出産から12カ月時点での不安スコアが高い。
このような結果が得られたようです。
産後は、精神的な乱れが起きやすいので、不安・抑うつ感が生じるのは当たり前ですが、そこをどう改善するかが重要でしょう。
東洋医学的には、【気虚】が疑わしい！！
づ基本的に、精神症状の原因として、肝気鬱結・気滞（気の巡りが悪い）・気虚（元気が落ちている）などにより、抑うつ感などが現れます。
特に、気の作用には固摂作用という働きがあります。この固摂作用とは、漏れ出ないように保つ働きがあります。
つまり、気がしっかりしていると、蓄尿にも関与していきます。
もう少し砕けて伝えると、水道の蛇口がきっちり締まっていたり、出すときにきちんと緩む状態が気が充実しています。
これが、気の不足により蛇口が緩んでしまうために、ちょっとの刺激などで漏れ出てしまう⇒尿失禁を生じる可能性が高まります。
その他にも、気が少なくなると、元気不足・食欲不振・疲れが取れないなど日々の生活にも影響が・・・。
若い方にも多い理由には、過度のダイエットも影響しています。基本的に、食事から気が作られるため慢性的なエネルギー不足になる可能性も・・・。
また、気が不足する事で、正気を保てない・気が短いなど情緒の乱れも生じます。
これは、気の巡りに関与する推動作用が関与しています。肝気鬱結症は、肝の疏泄作用（推動作用）が低下により起こります。
出産では、過度のエネルギーを消耗するので、気が不足した後遺症は出やすいでしょう。
気を補うには、脾胃の働きが大切！！
基本的には、食事から栄養を取り身体を運行させているため、その消化・吸収を担う脾胃の働きは要でしょう！！
脾胃は、冷える事を嫌います。夏場で冷たい物を食べすぎると、下痢になるのも消化機能が低下するからですね。
そのため、食べ物としては脾胃を温める必要性があります。
温める食材は、秋冬に旬となるものが当てはまります。また、薬味である生姜・山椒・シナモンなども良いでしょう。
逆に取ってはいけないものは、消化に悪い刺し身などの生もの・水分を多く含む野菜や果物（すいか・きゅうり・とまと）は注意が必要でしょう。
脾胃は、湿を嫌うので暴飲暴食・甘い物の取り過ぎ・辛いものなどの刺激物×
日頃の食事で、胃もたれを起こすような食べ物を避けましょう。
食事での駄目なら、漢方薬で補おう！！
人参・白朮・黄耆など漢方薬には、補気薬が多く存在しています。
例えば、補中益気湯・人参湯・六君子湯など
このような補気薬に分類される中でも、補中益気湯が使いやすい。
補中益気湯は、固摂作用を高める補気薬としてファーストチョイスです。そのため、下部尿路症状にもオススメとなります。
また、気の巡りも良くする柴胡などの生薬も入っているため、抑うつ感などにも対応できるからです。
まとめ
産後だけでなく、尿失禁でお悩みの方は、気の不足（気虚）が原因かもしれません。
今回、紹介した補中益気湯は身体を滋養していく漢方薬です。
つまり、サプリメントの延長戦のようなイメージです。
過度なアレルギー持ちではない限りは、安心して始められるでしょう。
以上、参考になれば幸いです。
参考文献：「Urogynecology」に4月30日掲載