はーい。こんにちわー。
元気堂です。
夏の暑さで体力が落ちるときに罹ってしまうのが、夏風邪!!
特に夏は体内に熱が籠もりやすく、発熱に関係する事も・・・。
そんな際には、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を試すと良いかもしれません。
■ 白虎加人参湯
何らかの病気にかかった後は、大抵発汗する事で解熱します。
しかし、中にはまだ治らず、体内に熱が籠もってしまうことも。その際には、口渇が酷くなる症状も・・・。
つまり、熱中症のような脱水症状に近い症状も生じます。
この場合は、熱中症に移行する可能性もあるので、要注意でしょう。
基本的には、その前に使う事で体内の熱を排除して体調を整える漢方薬となります。
軽度の口渇・ほてりがある際には、早めに白虎加人参湯を使うと良いでしょう。
この白虎加人参湯は、風邪だけでなく皮膚疾患にもオススメです。
例えば、痒みを伴う湿疹・アトピー性皮膚炎などなど
痒みの程度にも寄りますが、痒みは熱により生じます。
これが、実熱・虚熱(身体の潤す力が低下し陰陽のバランスが傾き、陽が強い状態。)なら試してみましょう。
あまりにも症状が強い際には、黄連解毒湯などの清熱解毒剤を加味する事もありますね。
【構成生薬】
白虎加人参湯は、5種類の生薬:石膏(セッコウ)・粳米(コウベイ)・知母(チモ)・甘草(カンゾウ)・人参(ニンジン)で構成されています。
石膏・知母は、熱を抑えて体を冷やす効果を持つ生薬です。
これにより、排熱を促します。
それでは、他の生薬の働きが気になるかと思います。
夏は夏バテのように、胃腸が弱る事もありますね。そんな時に、粳米・甘草・人参は、胃腸の働きを高める事で気・水の不足を補ってくれる生薬です。
これにより、免疫力の低下の予防にも良いでしょう。
昔から熱中症には白虎加人参湯!!このような事も耳にします。
構成生薬から見ても、間違いないでしょう。
しかし、ほてり・口渇感などの症状がなく、疲労感などが強い際には補気薬(補中益気湯・四君子湯など)の方がオススメです。
実は、多汗症にも効果を発揮!?
夏は、多汗症でなくても汗をかく季節です。
白虎加人参湯があう多汗症は、暑がりな事です。
女性ではホットフラッシュのような更年期障害にも応用されています。
東洋医学では、発汗の作用(開け閉めする働き)を行うためのエネルギーを『気』で調節していると言われます。『気』とは、身体を正常に保つための機能であり、一言で言えば元気(体力)みたいなイメージをしてください。
この『気』というエネルギーによって、汗の穴のシャッターを開け閉めしています。
『気』というエネルギーは、循環して滞らず、量も過不足なくあることが理想です。そしてこの異常が、汗の穴のシャッターに異常をきたし、多汗症などを起こしやすくします。
水道の蛇口をイメージしてください。蛇口の栓が固すぎても、緩すぎても支障が出ます。この栓の調節する作用を良くすればいいという事です。
この調節能力を治すのが、黄耆が重要。
■ 黄耆(片)
マメ科の植物であり、根を乾燥したもの。元気を補う力に優れ、免疫力の増強や皮膚の湿疹の治療の効果があります。
他の生薬とも相性が良く。
黄耆と人参で補気作用(元気を補充)。
黄耆と白朮で浮腫を取り除く作用。
黄耆と防風で皮膚の無駄な水を流し、汗を調節する作用。
黄耆と当帰で化膿症などの排毒作用。などの様々な作用を高めます。
自汗という気虚(気が不足の状態)・寝汗などには汗を調節する黄耆も取り入れましょう。
まとめ
今回は、夏にオススメの白虎加人参湯!!
その効果としては
■ ほてり・口渇感を伴う発熱
■ アトピー性皮膚炎などの痒みを伴う皮膚疾患
■ 熱中症や夏バテ
■ 更年期障害や多汗症などの汗の調節
このような症状があれば、白虎加人参湯を考慮に入れておきましょう。
以上、参考になれば幸いです。