はーい。こんにちわー。
元気堂です。
あおり運転という言葉が、定着して何年か経ちますが、一向になくなりませんね。
私は、こんなにニュースで見るのに、何故なくならないのだろうか??と思いました。
突発的な怒りというよりも、常にイライラしているような病態なのではないか??
そうなると、このような問題を起こす方は、肝火上炎という東洋医学的な病態に陥った方ではないのかと思います。
私は、あんな馬鹿な事はしないよーーー。そう思っている方も、気をつけてください。
その病態になってしまった時には、笑ってられません。そして、現在、あおる方も本当はしたくないのかもしれません。自分の怒りをコントロールが出来なくなっているために、暴発してしまう事もあります。
※ちなみに、決して、あおり運転を擁護する訳ではありません。この記事を読み、少しでも減ったら幸いです。
東洋医学の肝とは??
いきなり本題に行くと、分からない方もいるので【肝】について話したいと思います。
東洋医学の【肝】は、感情の怒りに関与します。そして、重要な役割があります。
■ 肝は、疏泄を主る。
この疏泄は、淀みなく綺麗な流れを意味します。
例えば、綺麗な川は、絶えず淀みがなく、水が循環しています。反対に、ドブ川はヘドロのようになり、流れが悪くなります。
皆さんの体内は、どちらを選びたいですか?? 勿論、綺麗な川ですよね??
この綺麗な状態を維持するには、この肝の疏泄が大切となります。
【肝の疏泄作用】
① 気というエネルギーや栄養を全身に運び、調節する。
② 精神的に思い詰めないように、安定させる。塞いだ気持ちも流し、正常な判断が出来るようにする。
③ 胃腸の作用をサポートして、流れを良くし胆汁の分泌をする。
ここで、気が付いた方もいるでしょう。
② 精神的に思い詰めないように、安定させる。塞いだ気持ちも流し、正常な判断が出来るようにする。
これが、大事となります。ここでは、疏泄作用には精神の安定作用があると思ってください。
そっかぁー。それが悪くなると、あおり運転とかをしちゃうんだ!!
そう、思った方は、少し待ってください!まだ、この位では、そこまでする人は少ないです。
まず、疏泄作用の低下で起こるのは、肝気鬱結という症状です。
肝気鬱結は、あおり運転を起こす予備軍??
難しく漢字で書いてありますが、肝の疏泄作用が落ちて、気分が塞いでいる状態です。
そのため、精神的ストレスから抑うつ感・憂鬱感を起こします。また、疲労感も出てきます。
物事がうまくいかない事で、焦りやイライラ。気分・情緒が変わりやすい。(更年期障害もこれに当てはまります。)
この時点で、鬱感よりもイライラが強く出る人は、予備軍になりえます。
その理由は、肝気鬱結証という状態が悪化すると【肝火上炎】になってしまうからです。
肝気鬱結が長期化したために、熱を帯び始めるか、急激なストレスにより外的に熱(怒り)が加わる事で発症します。
運転をしていれば、急な割り込みやウインカーを出さない人がいて、危ないなーと思って怒りを覚えることは、あるでしょう。普通は、そこで怒りをコントロールをして、あおり運転までは発展はしません。
しかし、予備軍の方でも稀に、肝火上炎になってしまうので注意しましょう。
予備軍と思う方は、ストレス発散を心がけましょう。過度のお酒は、助長させますので運動などの別の手段をおすすめします。
【肝気鬱結証に効果のある漢方薬】
■ 気分が晴れない・怒りやすい・頭が沸騰しているような感じ・イライラがる場合。
ファーストチョイスは、加味逍遥散!!
加味逍遥散といえば、更年期障害など婦人科疾患の漢方薬のイメージがあるかもしれません。
しかし、肝の疏泄作用を改善したり、イライラなどの熱を鎮めるので男女関係なく使えます。
構成生薬:柴胡・白朮・薄荷・当帰・牡丹皮・白芍・茯苓・甘草・生姜・山梔子
柴胡・白芍のペアは、疏肝解鬱を高めます。肝の疏泄作用を働き、気のうっ滞を治療する意味です。また、白芍と当帰は、補血作用により血液や栄養を補います。生姜・白朮・茯苓・甘草は、脾胃の機能を高めたり、水分代謝も良くします。
薄荷も疏肝解鬱に効果があり、その香りでもストレスを流してくれます。牡丹皮は、血の巡りを良くし、山梔子は熱を取ってくれます。
加味逍遥散は、このような生薬が組み合った漢方薬です。
主に、精神が不安定で、イライラがあり、性格はせっかちな人が多い。寝付きが悪く、眠る前に色々考えてしまう。血の巡りや過度の緊張で、首肩が張った痛みを伴い、頭痛も出る事がある。ストレス性の耳鳴りや神経性の胃炎・乳腺炎などに使用されます。
■ 上記に加えて、喉に何か詰まったような異物感・カラ咳が出た場合。
このような場合には、半夏厚朴湯が良いでしょう。
半夏厚朴湯は、ストレス玉と呼ばれる梅核気の症状に効果があります。
また、胃腸の状態を良くする為に、吐き気などにも応用されています。
さらに、症状悪化した肝火上炎とは??
【肝火上炎の症状】
イライラ・目の充血・じっとしてられない・歯ぎしり・目が血走っている・面が真っ赤などの特徴があります。
他にも、耳鳴り・偏頭痛・口渇・口が苦い・便秘などの症状も。
どうでしょうか? 車から今にも飛び出してきそうな感じが出ています。
ここで、似た症状がある方は、今が抑えるチャンスです。あおり運転や、喧嘩にならないようにしましょう。
肝火上炎の治療法は、清瀉肝火という方法です。これは、肝が炎上して熱が帯びているのを取り除くという意味です。
この治療に対して、代表的な漢方薬があります。
■ 龍胆瀉肝湯
この漢方薬は、尿濁・排尿痛・こしけなど泌尿器科の薬で紹介されている事が多いです。
しかし、生薬の構成としては、清熱解毒・利尿などの効果があります。また、名前からも肝の怒りを抑えることも分かるでしょう。
体内の怒りやイライラなどの熱症状を抑えて、利尿作用で外に解毒する漢方薬です。
■ 大柴胡湯
体格が良く、暴れやすい、イライラ、熱が強いので便秘となっている場合に使います。尿や便が出ないと、身体に熱が籠もるので、怒りが強く出てしまいます。
こちらは、肝胆の熱と鳩尾の熱も取り除きます。
まとめ
ほとんどの方は、危険な運転をしないでしょう。皆さんも知っての通り、感情をコントロール出来ない方もいます。もし、出会ってしまったら、この人は肝火上炎かもしれないと考え、出来るだけ静観しましょう。
命や身体が無事を確保する事が先決です。
年末年始も含めて休みがある際には、渋滞が起こりやすい・・・。
そんな時に、イライラしそうであれば、体質改善をお勧めします。
以上、参考になれば幸いです。