秋の七草の1つは、有名な生薬だった!? 食用にも薬用にも、おすすめ植物とは??

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

皆さんは、春の七草はご存じのかたは多いかと思います。お正月の胃腸の疲れには、七草粥などが知られています。しかし、秋の七草については、聞いた事がないように思えます。

実は、この秋の七草の1つには、有名な生薬が含まれているのです。

それは、葛(くず)という生薬です。

葛といえば、日本では葛餅などにも用いられ、身近な食材でもあり、漢方薬でいえば葛根湯の葛根です。一度は、服用はした事があるかと思います。

また葛は、至る所にも存在しており、日本でも河川敷などでも見られる植物です。初秋には、紫の花を咲かせるのが特徴です。実は、この花を乾燥したものも生薬としてオススメです。

特に、お酒が大好きで飲み過ぎてしまう・・・。また、二日酔いだ・・・。このような方は、葛花(かっか)は、二日酔いを防止してくるので、煎じて飲むことをオススメします。

台湾では、漢方薬として葛花解酔湯があります。名前の通り、葛花で酔いを解いてくる漢方薬となります。

皆さんが知っている葛根は、葛の根を使用しています。風邪薬のイメージが強いですが、ダイゼインという主成分により僧帽筋の緊張を緩和してくれるため、首肩こりにもよく使われます。

葛根湯の使い方を知って効果的に使おう!!

まずは、葛根湯の中身に注目したいと思います。

葛根9グラム・桂枝6グラム・麻黄6グラム・白芍6グラム・炙甘草5グラム・生姜6グラム・大棗5グラム

んんん!? なにこれ?こんなの入ってても、何が何だか分からないよー。

漢方の生薬の勉強をしてない人は、そう思うのが当たり前です。それでは、細かく説明をしましょう。

麻黄と桂枝は、汗をかくのを促し、熱を下げるように働きかけます。また、麻黄は気管支の筋肉のけいれんを抑え咳を軽くしてくれます。

葛根は、強い解熱作用を持ち、軽く汗をかくように働くだけでなく、滋潤作用により筋肉を潤し首や背中の筋肉をほぐす作用もあります。

白芍と大棗は、滋養強壮作用により身体の働きを助け、炙甘草とともに筋肉のけいれんを抑えます。

生姜は、軽度に汗をかかせ、消化吸収を助ける作用を持ちます。

また、麻黄・桂枝・生姜の過度の発汗作用しないように、白芍・大棗・炙甘草が抑えてくれています。

まとめると、発汗を促す事で解熱作用が働き、滋養強壮しながら筋肉のけいれん(呼吸器・首・背中)を緩めてくれる薬となっています。

葛根湯の服用のタイミングとは??

良く、風邪の引き始めには、葛根湯と良く耳にします。まさに、その通りです。

風邪の初期で、汗が出なく熱が高い場合。この場合には、葛根湯がぴったりかと思います。

また、冷え症で、首肩こりを持つ人が風邪でなくても服用しても良いでしょう。他にも、乳汁が出ない場合にも、発汗作用と一緒で、出しやすくする作用があると言われます。乳腺症などにも応用されます。

余談として、葛は海外では大問題に・・・・。

日本でも、ヒアリなどでニュースで外来種の問題が報道されています。外来種というと、海外から来るもので、日本にはないような気がしませんか??

実は、日本産の外来種は多くあります。例えば、鯉(こい)・すすき・スズメバチなどがあります。

しかし何故、葛(くず)が海外にあるのか?? やはり、問題の発端は、人為的な事でした。

■ 土壌を守るために、輸入。

葛は、どこにでも生えるほどの繁殖力もあり、栄養が少ない土地でも根強く育ちます。その強い根を利用して、土壌が流れ出ないように使われました。

■ 園芸用品として使用。

この葛は先ほども申したとおり、どこにでも生える。そのため、手間もかからないし、花も観賞できるために園芸用品として植えられるようになりました。

しかし、葛(くず)の勢いは、人では止められない!!

葛は、上記の理由のため海外でも使われましたが、特にアメリカの土地が相性が良く問題となっています。

繁殖力・除草剤にも強い葛は、色々なトラブルを起こしています。その繁殖直から他の植物を淘汰しているのです。葛は、高い木でも覆ってしまうために、どの高い木でさえも光合成ができなくなります。

そうすると、葛以外の植物が弱り、枯れてしまうのが理由にあります。

そのため、葛のカーペットのような光景が広がります。これを、緑の砂漠とも呼ばれます。

その他にも電線に絡みつき、破壊するなどの問題もおこします。

なんで、日本では問題にならないのか??

日本の気候には、四季があるので抑制効果があるだけで無く、葛の天敵となる虫や動物・病気があるからです。

それがない国では、葛にとってはパラダイスとなり、問題となっています。

まとめ

今回は、秋の七草である葛について触れてみました。身近な生薬でもあり、どこでも見られます。この時期に紫の花を見たら、葛花かもしれません。

もし、酒好きであれば、年末年始のために採取して乾燥しておけば、二日酔い防止の薬が作れるでしょう。

秋冬は、風邪を引きやすい季節のため、葛根湯の出番も多いことでしょう。常備薬としても優秀なので、使った事が無い場合には、備えておくと良いでしょう。

以上、参考になれば幸いです。

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