はーい。こんにちわー。
元気堂です。
世界的にも、コロナウイルス・インフルエンザウイルスなどの流行がありましたが、再度注意喚起したいのがムンプスウイルスとなります。日本では、おたふく風邪として有名でしょう。
基本的には、ワクチン接種により大きな流行はありません。しかし、アメリカでは定期的に流行が報告されています。これは、未接種という事でなく、ワクチン接種で得た免疫が徐々に低下している可能性が報告されています。
せっかく、ワクチン接種をしても免疫が低下してしまうのは、ちょっと困りものですね。
アメリカでは、この20年間におたふくかぜの発症例が再び確認されるようになり、2006年以降からは毎年増加の傾向となっていますあ。特徴としては、小児期にMMRワクチンを接種した大学生に集中して発症しているそうです。これは、アメリカだけでなく他国でも確認されています。
そのため、日本でも注意しておきたい事柄でしょう。
この原因はいまだ不明ですが、免疫の低下またはムンプスウイルスの変異という説が考えられています。過去のデータからおたふく風邪の復活は、免疫が低下していくと考えられています。ワクチン接種した32.8%の人が18歳までに獲得した免疫を失うと推定されました。
そのため、成人でのおたふく風邪は注意が必要となります。特に、子供が将来欲しい場合は、再度ワクチン接種も考えても良いかもしれません。
おたふく風邪を知ろう。
ムンプスウイルスは、免疫が低い子供が感染する傾向にあります。また、感染力も比較的強いうえに、咳・くしゃみによる飛沫感染・接触感染のため、保育園や小学校などで流行しやすいでしょう。
ほとんどの子供が10歳くらいまでに1度感染します。特に4歳以下の子供で、全発症者の45%から47%ほどを占めています。
おたふく風邪とも呼ばれるように、耳下腺が腫れるのが特徴です。免疫反応による炎症が起こるので、38度を超えるような発熱・頭痛・喉の痛みなども伴います。また、耳下腺の腫れのピークである2日くらいまで続く傾向にあります。
特効薬はないため、解熱鎮痛剤などの対症療法で様子をみることとなります。耳下腺が腫れると咀嚼により、痛みが出るので食べ物は消化に良く柔らかい物が良いでしょう。
子供よりも大人がかかると厄介!!
実は、子供よりも大人の方が症状が重くなります。耳下腺の腫れ・発熱が強く出ますが、合併症で生じやすい睾丸炎・卵巣炎には注意が必要でしょう。
左右両方の睾丸に炎症が生じると、無精子症となる可能性・妊娠中に卵巣炎になると流産の可能性が高まります。
基本的には、一度発症したり、ワクチン接種をすれば発症しませんが、免疫が低下してかかる可能性は否定は出来ないでしょう。
ちなみに、厚生労働省は2019年度から「風しんの追加的対策」を実施しています。風しんワクチンの定期接種を一度も受ける機会のなかった世代に対して、第5期定期接種としてMRワクチン接種の機会を提供しています。対象は1962年4月2日〜1979年4月1日生まれの男性です。
東洋医学的には、葛根湯がいい!?
基本的には、病邪を追い出すために葛根湯・麻黄湯などが使われています。升麻葛根湯という処方があります。これは、はしか・風疹・水痘などに使われ、葛根湯に升麻を加える事で病邪を追い出すように作られました。
風邪の引き始めには、葛根湯というのは良い言葉であり、早めに身体から病気を追い出す事を目的とした葛根湯・麻黄湯にはピッタリですね。
また、耳下腺の腫れが酷い場合は、小柴胡湯加桔梗石膏も良いでしょう。小柴胡湯は、肝胆の経絡である側頭部・脇~胸の痛みなどにも応用されます。特に、胆経は耳下腺や耳周りを通ります。
そこに、消炎作用のある桔梗石膏で、腫れを鎮めるような処方ととなっています。
まとめ
おたふく風邪は、子供だけの風邪ではないので大人も注意を払いましょう。
人によっては、獲得免疫が低下しているかもしれません。早めに予防接種をしておくと、発症する可能性は、限りなく低くなると考えられます。
もし、発症してしまったら、常備薬で使える上記の漢方薬もオススメです。
以上、参考になれば幸いです。
参考文献:「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に1月9日掲載