はーい。こんにちわー。
元気堂です。
ゴールデンウィークを楽しく過ごしているでしょうか。そんな時期に、浜辺で見かけるのが浜防風です。ぱっと見は、ただの雑草のようですが薬草としてだけでなく、食用として山菜のような食材となります。
食用として使いたい場合は、新芽の部分であり花が咲く前が良いでしょう。初夏になると、新芽が咲き誇りカリフラワーのような花を咲かせます。砂地という柔らかい所に生えるので、その根は深く海辺の風にも負けず、根を張っている砂の流出を防ぎます。この事から、浜の風を防ぎ、浜防風と呼ばれます。
そして、その根強い根が生薬として使われます。
また、中国では北沙参という全く別の生薬として知られ、鎮咳去痰・清熱薬として慢性気管支炎・肺結核などに使われます。
日本でも防風の代用品として、発汗・解熱・鎮痛薬といった風邪薬となります。
どんな漢方薬に配合されているのか??
先ほどの風邪薬のような働きの他に、止痒・止血・止痛・止瀉・止痙などがあり、とにかく防いでくれる働きが目に付きます。
特に、風湿の邪気から来る症状を抑えてくるのです。ゴールデンウィーク後の季節で待っているのは、梅雨にはオススメの生薬でしょう。
防風が配合された漢方薬を紹介していきましょう。
■ 荊防敗毒散
日本は葛根湯であり、中国では荊防排毒散と言われるほど身近な漢方薬です。そのため、初期の風邪や咽頭炎に使われます。また、花粉症などのアレルギー症状にも良いでしょう。
他の生薬も作用していますが、防風の抑える働きによるのも大きいかと思います。
■ 玉屏風散
玉屏風散は、身体を守る力を高める(衛気)働きがあります。そのため、虚弱体質・風邪を引きやすい方の体質改善の薬の1つとなります。
■ 消風散
風を消す薬であり、この場合は皮膚に起きた遊走性の痒みを抑えたり、カサカサの敏感肌に使われます。また、ジュクジュクした痒みでも、防風など生薬が湿気も払うので、皮膚疾患のファーストチョイスとして使われます。
■ 清上蠲痛湯
頭痛薬のファーストチョイスと言われます。偏頭痛などがあり、なかなか改善しない方には1度試してみると良いでしょう。
まとめ
今回は、浜防風・防風について焦点を当ててみました。1つの生薬でも、全く異なる病気を治す働きがあります。異病同治(いびょうどうち)と呼ばれ、異なる病気でも同じ治療法を意味します。
これは、根本の原因である風湿の邪気を払うことで、様々な病気に対応しています。風湿の邪気が皮膚に現れれば、皮膚炎が生じ、関節であれば関節リウマチ・関節炎の原因もなります。
ちなみに、防風と共によく使われるのが荊芥という生薬です。
荊芥は防風よりも発汗作用が強く、防風は止痛・止痒に優れていると言われます。
以上、参考になれば幸いです。