
はーい。こんにちわー。
元気堂です。
皆さんは、風邪の後遺症にはコロナ感染後の味覚障害が記憶に新しいかと思います。
普通の風邪でも、なかなか咳が取れない・・・。疲労感がつづく・・・。このような症状が続く事もあります。
基本的には、免疫反応によりエネルギーの消費が激しいために様々な症状が生じるでしょう。
では、東洋医学的な視点から考えてみましょう。
■ 東洋医学では、これをどう捉えるのか!?
■ 陰の作用が低下
まず、どの風邪においても急性症状には、高熱・咽頭炎・リンパの腫れ・関節痛・気管支炎・肺炎など熱の症状を伴います。この熱は、陰陽でいう陽に属していきますね。
基本的には風熱の邪気が悪さをしていると考えられています。
そのため、この邪気を追い出すような葛根湯・麻黄湯などの漢方薬が使われます。
コロナウイルス・インフルエンザウイルスなどは、この症状が強く、身体の中の冷やす力を弱らせます。
つまり、陰の消耗が激しくなるので陰陽のバランスを崩します。
そうすると、風邪の症状が落ち着いたときに、微熱・頭痛・空咳・痰が絡むなどが生じる事も。
これは、消耗してしまった陰が充分に補えていないため、陽の作用が強く出ているためです。
特に、咽頭炎などは外気により晒される部分なので、粘膜の消耗が風邪だけでなく影響しています。
■ 気虚
気虚つまり元気も低下する事も原因でしょう。
気の不足は、身体のあらゆる部分に影響を及ぼします。
元気不足と考えると、倦怠感・食欲の低下・疲れが取れない・横になると身体が楽などの症状を伴います。
人によっては気の巡りが低下することで、自律神経の乱れにも繋がります。
また、身体を温める温煦作用にも影響するので、身体の内部が冷えやすくもなる事でしょう。
強い風熱の邪気などで身体には負担がかかります。
多くの方は、身体が戦っている際には、食事を取る気力も沸かない事も・・・。
そうする事で、普段元気で健康に対して何もなかった人も、急に後遺症で悩むこともあります。
④ 【気の異常について】 東洋医学って、少し興味あるけど、難しそう・・・。分かりやすく解説。 – 元気堂 漢方薬 (pet-kanpo.com)
つまり、急性感染症後は、気陰両虚証になりやすい!!
どうでしょうか!?
少しでも、当てはまる方は上記が原因かもしれません。
特に、気管支・肺などへの影響が大きい!!
また、東洋医学では【肺は、魄(はく)を主る。】このような言葉が存在します。
魄?? いきなり、このような事を言われても意味が分からないかと思います。魄というのは、五感の事を指します。五感とは、味覚・嗅覚・触覚・視覚・聴覚という5つの感覚の事です。
これを、正常に保つのが肺と言われています。そのため、インフルエンザウイルス・コロナウイルスのような気管支炎・肺炎など肺を損傷する傾向があると、その後遺症として嗅覚障害・味覚障害などが引き起こされます。
体力の消耗が激しいほど、治りずらいため、まずは体力を戻すような気・陰を補充することが大切になっていきます。
冬は、特に乾燥により肺を損傷しやすいので、コロナウイルスだけでなく、普段の生活にも気をつけないといけません。それでは、どのような事を心がけると良いのでしょうか??
まずは、気道・粘膜が乾燥しないように、水分の摂取・加湿が大切です。また、食材でいえば【白い食べ物×辛み】があるものが肺には良いとされます。唐辛子やハバネロのような極端な辛みではなく、大根おろしのようなものが良いでしょう。
肺や全身を潤し、乾燥よぼうとなる食材には、梨・蓮根・大根・白菜・山芋・白胡麻・百合根・杏仁・豆腐など主に白っぽい食材が良いとされます。
また、感情面でも東洋医学では気をつける事の1つです。悲しみや憂いという感情は、肺を傷つけると言われます。あまりに悲しみすぎたり、憂うと元気が消耗すると言われます。
普段の生活の中でも、気をつけることで養生となっていきます。しかし、日々忙しい方には、ちょっと難しい・・・。そのような場合には、漢方薬を試す価値があるでしょう。
気陰両虚証には、まずは以下の漢方薬を試してみると良いでしょう。
■ 生脈散
脈を生き返らす漢方薬という意味があり、生命活動に必要な気・陰を補い、脈中の津液を増やすことで、弱っている脈を回復させます。
生脈散と聞くと、夏バテや熱中症の漢方薬のイメージになる事が多いでしょう。補気の人参・滋陰の麦門冬や五味子により、脱水予防だけでなく元気を補うシンプルな構成となっています。そのため、気陰両虚という状態に使われます。
気陰両虚とは、慢性疾患・急激な熱病(熱中症など)で起こりやすく、陰虚⇒気虚という順番で起こりやすくなります。ほてり・口渇感・熱感などの陰虚症状に加え、疲労感・疲れやすいなどの気虚症状を伴います。
■ 補中益気湯
疲れやすい・倦怠感・休むと症状が楽になるなど気虚の代表的な漢方薬です。特に、脾胃気虚などの食欲不振・疲れやすいなどに加え、多汗・風邪を引きやすいなどの肺気虚も伴う場合には、オススメです。
その他にも、筋肉の緊張力が低下した脱肛・子宮脱・胃下垂などを正しい場所へ戻すために、使われます。また、男性の不妊症にも使用され、精子の動き・数の回復に効果があるとされます。
■ 麦門冬湯
空咳など、乾いた咳症状または、痰が絡んだ咳に使用します。高熱などの風邪の後に、痰が絡んで治りきらない場合は、粘膜という陰不足が原因でもあるので、麦門冬湯を飲みましょう。
また、声を使う仕事の方は、常に服用すると喉の保護にも最適化と思います。この漢方薬は、喉の粘膜を増やして保護する作用があるので、ちょっとした刺激による咳予防にもオススメですね。
ちなみに、補気薬である人参も含まれるために、補中益気湯か生脈散で悩んでいるなら、麦門冬湯で良いかと思います。
まとめ
基本的は、身体を滋養する事が1番の近道でしょう。
小さなお子さん・高齢者だけでなく、若くて元気が有り余る10代・20代でも同じ悩みを抱えています。
そんな時には、漢方薬を使う事をオススメします。
補法という身体を滋養して治す事が重要です。
以上、参考になれば幸いです。