
はーい。こんにちわー。
元気堂です。
風邪の引き始めには、葛根湯!!
このような事を耳にする事もあるでしょう。
この葛根湯が風邪の引きはじめ・高熱で使われる理由には、身体を発汗させる作用があるからです。
葛根湯などの漢方薬には、身体を温める生薬(麻黄・葛根・桂皮・生姜など)が含まれることで、体温に作用します。
あれ!?
それだと、逆に熱が高くなってしまうじゃないか!!
このように思うでしょう。
まず、風邪の時に体温が上がる理由は、ウイルスや細菌などの外敵から身を守る防衛反応だからです。
ウイルス・細菌などは体温が低い方が繁殖しやすいため、発熱による体温の上昇により、働きが低下します。(ウイルスなどは体温40℃で死滅するとも言われます。)
そのため、脳は身体に対して身体に熱が籠もるように指令を出します。
血管を収縮することで、外部に熱が逃げないようにし、悪寒や寒気を感じさせる事で、筋肉のふるえにより熱を作り出したり、温かい飲み物や衣服により身体を温めるように働きます。
このようにして、外敵と戦うために有利な環境を作り出していきます。つまり、高熱になるのは敵が生きにくい環境にするため!!
葛根湯などの漢方薬は、これを上手く利用した風邪薬となります。
しかし、これだと過剰に体温が上がるイメージでしょう。こうなると、葛根湯を服用しても平気か心配にもなるでしょう。
葛根湯に含まれる麻黄や葛根には、発汗を促す働きがるので、解熱にも作用します。
いまいち意味が分からない!??
そんな時には、サウナをイメージして見て下さい。
サウナに入るとジワジワと汗が噴き出てきませんか??
これは、ある程度体温が上がった場合は、脳は上がりすぎる事を懸念して熱を下げようと働くからです。
そのため、発汗により体温を下げるように働きます。
また、血管を拡張することで、全体の体温調節にも機能していきます。例えば、脇の下や首を冷やすのも、血液の流れを利用して熱を下げる工夫となります。
葛根湯などの漢方薬は、この身体で起こる機能をサポートするため、予後が良く早く効果が出ます。
ちなみに、用法用量を守っても発汗をしない場合には適宜増減をする方が効果が出てきますね。
ここまでを簡単にまとめると、発熱は異物を弱らせるために起こり、高くなり過ぎれば発汗などで熱を放出するのが人体の反応。
葛根湯は、それをサポートする漢方薬ぐらいで良いでしょう。
■ 何で、葛根湯配合の解熱剤がオススメ出来ないのか。
上記で話したように、葛根湯などの発汗療法は身体を温めます。
しかし、カロナールなどの解熱剤は、あくまで熱を下げるので、効果の狙い目が全く逆だからです。
じゃあ、併用したらいけないの!?
この質問の答えとしては、併用は出来ます。
この併用する際には、カロナールなどの解熱剤を使うタイミングを知る必要があります。
■ 解熱剤を使うべきタイミングとは??
よく小児科でも、熱があるのに解熱剤を使わない傾向があります。
これは、上記で説明した通りで、無理に熱を下げることで、敵が繁殖しやすくなるからです。
そのため、むやみやたらに解熱剤を使うと、治癒までの時間が余計にかかる恐れが生じます。
しかし、どうしても使いたい!!
では、そのタイミングを伝えましょう。
■ 熱性けいれんの既往歴がある。
けいれん発作を経験した事がある場合は、深刻な状態になるのを避けるために、けいれん予防を先に優先します。
■ 頭痛・腹痛などの炎症が強い場合。
痛みが強く、安静にしても症状が重いとき。
■ 高熱で、グッタリして体力などが低下している場合。
たまに、高熱だけど元気なお子さんを見たことはありませんか??
その場合は、体力があるので、見守っておく方が良いでしょう。
明らかに、グッタリして、体力が落ちている場合には、早めに解熱剤で身体を楽にしてあげる事も大切です。
まずは、体力を目安に使用しましょう。これは、大人も子供も変わりません。
しかし、子供の場合はうまく言葉で伝えられないので、明らかにグッタリしている際には使うと良いですね。
まとめ
発熱が起きても、まずは解熱剤は様子みても良いでしょう。
解熱剤を服用しないと、安静にしていても辛いなど体力が落ちていれば、服用をオススメします。
葛根湯は、風邪薬のイメージが強いかもしれませんが、身体を温めたりするので肩こりなどにも使われます。
そのため、ちょっと風邪かも・・・。
このような時に服用しても、身体への副作用が起きにくいので、風邪の引き始めには葛根湯という言葉が生まれたかもしれません。
今の時期ですと、クーラー病などの対策にも使えるため、男性よりも低血圧・冷え症が多い女性にはオススメでしょう。
以上、参考になれば幸いです。