毒をもって、病気を制す!? 新たな糖尿病へのアプローチとなるか!?

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

皆さんは、イモガイを知っているでしょうか!?
巻貝の1種であり、その毒は地球上でも屈指の神経毒を持ちます。そんな毒素が、糖尿病などの内分泌疾患の治療に役立つ可能性があると判明!!

イモガイの毒素であるコンソマチンが、血糖値・ホルモンの分泌を調節するソマトスタチン(人の中にあるホルモン)に似た働きを持つようです。
これは、米ユタ大学のHo Yan Yeung氏らの研究によるものとなります。

ソマトスタチンとは何か!?

ソマトスタチンは、膵臓のランゲルハンス島・視床下部でも分泌されます。
このランゲルハンス島には、血糖値を下げるインスリン・血糖値を上げるグルカゴンなどのホルモンを分泌する場所でもありますね。

そして、このソマトスタチンは、 グルカゴン・インスリンの分泌を抑制つまり調節する働きがあります。
その他にも、十二指腸から分泌されるコレシストキニン・セクレチンなどの膵液分泌を促進するホルモンの分泌も抑制します。

つまり、このソマトスタチンは多くのホルモンの分泌を抑制する働きを持つことが分かるかと思います。
これに似ているのが、今回紹介したイモガイの毒であるコンソマチンとなります。

コンソマチンとは、どんな働きがあるのか!?

コンソマチンには、実はモルヒネ(麻薬性鎮痛剤)に匹敵する鎮痛効果があることがわかっています。つまり、がん性疼痛にも応用可能となりますね。
イモガイは、これにより相手が気がつかない内に捕食しているかもしれません。

そして、現代でも問題となっている生活習慣病に注目されています。
基本的に、過剰な飽食により生じる事が多く、人体がそれに対して体内を上手く運行するために過剰な反応で生じますね。

このコンソマチンは、ソマトスタチンと同じような役割をするために、この過剰な反応に対してブレーキをかける役割を発揮します。
特に、糖尿病といった内分泌系疾患に効果があるのではと期待されています。

糖尿病に対して、東洋医学的アプローチは!?

糖尿病は、多飲口渇(水を多く飲み、渇きが止まらない。)多尿といった消渇という症状を示します。

これは、陰虚・虚熱という東洋医学的な症状になります。陰虚とは、潤す力の事を指します。
これが不足すると、身体を冷やしたり潤す事が出来ないため熱が生じた場合を虚熱といいます。潤す力が虚して熱が出た状態です。

糖尿病は、この陰虚でも腎陰虚/脾胃陰虚があります。

腎陰虚は、簡単にいえば先天的な症状だったり、加齢による場合が多く見られます。
今回は、脾胃の陰虚について、もう少し話したいと思います。

脾胃の陰虚とは??

胃の冷やしたり潤す力の低下により、消化管全般に症状が現れます。特に、胃粘膜の分泌不足・萎縮や慢性の炎症が多く見られます。

これが、慢性的に続くことで糖尿病の症状である消渇が現れる場合があります。

もともと、東洋医学は症状に対して治療をするのであり、病名に対しての治療はしません。
そのため、病院で糖尿病と診断されたとしても治療方法が異なる場合があります。

糖尿病であっても、腎陰虚という場合は六味地黄丸などの補腎薬中心に構成された漢方薬を服用する場合もあれば、脾胃陰虚という場合は麦門冬湯や養胃湯などの漢方薬になる場合もあります。

また、その他の合併症など症状を組み合わせることで薬も変わってきてしまいます。

今回は、あくまで脾胃からの糖尿病の可能性を述べました。病院の薬でも、症状が改善がないときは、このような別の角度からの治療も考えるのも良いのかと思います。

まとめ

まだまだ、実用化には早い段階ですが、新しい可能性が見えてきているようですね。
漢方薬でも附子(トリカブト)は、鎮痛作用を有します。

しかし、多く取り過ぎてはやはり中毒を起こすので、注意が必要な生薬でしょう。
これは、病院の処方薬でも同じで、薬の用量用法にとっては副作用が出るような事と同義ですね。

身近な所でも、塩分を取り過ぎたら、胃炎や高血圧に・・・。
お酒を飲み過ぎたら、二日酔い・肝臓病に・・・。などが良い例でしょう。

以上、参考になれば幸いです。

参考文献:「Nature Communications」に8月20日掲載

漢方専門薬局元気堂(各種生薬、健康食品の通信販売、漢方無料個別相談) (kanpo.co.jp)

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