はーい。こんにちわー。
元気堂です。
漢方薬局を仕事にしていると、よく相談される症状が耳鳴り!!
多くの方は、病院でも耳鳴りの薬を何年も服用している経歴があり、それでも良くならないために漢方薬という選択をします。
耳鳴りの多くは、加齢が原因にの1つ。
その際は、漢方薬でも補腎作用のある漢方薬を主体に治療を考えます。
老化現象から起こる病気は、腎虚に分類されるので、身体を滋養強壮する事が大切ですね。
今回は、耳鳴りでも加齢が原因でなく、ストレスから起こる耳鳴りについて話したいと思います。
過度のストレスによる身体障害の1つ耳鳴りの原因とは!?
限界を越えたストレスで起こる身体の症状には、どんなものがあるのか??
まず、倦怠感・意欲の低下・頭痛・肩こり・高血圧・胸が苦しい・不眠・下痢・便秘・耳鳴りなど様々な症状が起こります。
つまり、人によって様々という事ですね。
特に、東洋医学では五行説の肝に負担がかかります。
ここに影響がかかると、疏泄作用という働きが低下します。
簡単に言えば、気の巡りが低下するという事です。気の巡りが低下するというのは、内臓の働き・ストレスを流す作用など全てに影響を与えます。
皆さんも聞いたことがある言葉では、【病は気から】というのは、東洋医学では当たり前の考えだったのです。
それでは、どうすればいいのか??
日常的に起こるストレスは、それを無くしましょう・・・・!! しかし、これが出来れば、誰もが苦労はしないと思います。
手頃なところでストレスを流すために、運動・サウナ・ヨガなど何かしらの趣味をする事がいいかと思います。自分に合うものを探しましょう。
急なストレスは避けられない!! そんな時には、どうするのか!?
どんなに、日常的に上手く生活をしていても、起こるのがストレスです。
そんなストレスには、身近な人が亡くなったり、離婚、大きな病気など色々あります。
このような場合は、漢方薬でサポートするのが、おすすめ!!
気持ちが滞る病気は、気滞ともいい東洋医学では病名がついています。肝の疏泄作用も似たようなものです。
この病気を改善するには、どんな漢方薬があるのでしょうか??
半夏厚朴湯・四逆散・逍遥散・加味逍遥散・抑肝散など多くの漢方薬があります。
その中でも、今回は加味逍遥散に注目したいと思います。
【加味逍遥散】
加味逍遥散といえば、更年期障害など婦人科疾患の漢方薬のイメージがあるかもしれません。
しかし、肝の疏泄作用を改善したり、イライラなどの熱を鎮めるので男女関係なく使えます。
構成生薬:柴胡・白朮・薄荷・当帰・牡丹皮・白芍・茯苓・甘草・生姜・山梔子
柴胡・白芍のペアは、疏肝解鬱を高めます。肝の疏泄作用を働き、気のうっ滞を治療する意味です。また、白芍と当帰は、補血作用により血液や栄養を補います。生姜・白朮・茯苓・甘草は、脾胃の機能を高めたり、水分代謝も良くします。
薄荷も疏肝解鬱に効果があり、その香りでもストレスを流してくれます。牡丹皮は、血の巡りを良くし、山梔子は熱を取ってくれます。
加味逍遥散は、このような生薬が組み合った漢方薬です。
主に、精神が不安定で、イライラがあり、性格はせっかちな人が多い。寝付きが悪く、眠る前に色々考えてしまう。血の巡りや過度の緊張で、首肩が張った痛みを伴い、頭痛も出る事がある。ストレス性の耳鳴りや神経性の胃炎・乳腺炎などに使用されます。
【症例として】
男性で、急な耳鳴りに困っていた。病院で、薬を服用したが効果が無かった。耳鳴りを起こした原因は、妻の脳梗塞により、不安・イライラ・精神不安から血圧が200以上となり、そこから耳鳴りも続いていた。血圧は安定しても、耳鳴りは取れなかった。
加味逍遥散を中心に、釣藤散や一貫堂の竜胆瀉肝湯を加減することにより、耳鳴りは改善。
まとめ
今回は、耳鳴りと加味逍遥散についてでした。
加味逍遥散は、イライラやストレス過多になっている場合には、使いやすい漢方薬です。この記事を見て、加味逍遥散が合うと思う方は試してみると良いかもしれません。
また、日々の首・肩こりなどが酷い場合でも、お風呂などで血流を改善しても駄目な場合は、気の巡りが原因の可能性も・・・。
その場合にも、加味逍遥散は使えます。
春は、肝の季節とも呼ばれストレスに身体が弱くなるため、困ったら加味逍遥散を試してみると良いでしょう。
以上、参考になれば幸いです。