朝起きられない、倦怠感が強い・・・。もしかしたら、起立性調節障害の可能性も。東洋医学でのアプローチとは!?

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はーい。こんにちわー。

元気堂です。

起立性調節障害という名前は、知っているでしょうか??

この名前を見れば、どんな病気か想像もしやすいかと思います。起き上がるときに、身体の調節が上手くいかない病気という感じですね。

それでは、どんな症状なのか??
東洋医学的には、どのようなアプローチが良いのか??
これらについて話していきたいと思います。

起立性調節障害とは、何か?? 4つのタイプを知ろう!!

① 
起き上がる時に、血圧が低くくなり、めまい・立ちくらみ・動悸・吐き気・嘔吐が起きるタイプ。
このタイプは、起立直後性低血圧と呼ばれて、回復に時間がかかるのが特徴です。


立ち上がると、頻脈が起きてしまい、めまい・ふらつき・頭痛・吐き気・嘔吐が起こるタイプ。
このタイプは、体位性頻脈症候群と呼ばれ、血圧の回復は早いけど、心拍数が上昇したままになります。
血圧または頻脈から起こるタイプがこの病気では、多いと言われます。


交感神経と副交感神経の自律神経の乱れから、急な失神が起こるタイプ。
このタイプは、神経調節性失神と呼ばれ、立っっている時に、急激に血圧が低下する特徴があるので、転倒に注意が必要です。


起き上がって直ぐには、症状がない。しかし、立ったままでいると血圧が低くなり、失神するタイプ。
朝礼で、失神するのは、このタイプが多いでしょう。遷延性起立性低血圧と呼ばれ、こちらは徐々に血圧が低下していきます。

この病気は、あまり耳にした事が無い方も多いでしょう。実は、中学生では約1割がこの病気の可能性があると言われます。
思春期であり、身体が急激な成長・新しい環境によるストレスなどで自律神経が乱れることが、原因と考えられています。

起立性調節障害は、自分の子供も当てはまるかもしれない!? 

この病気は、朝の体調の悪さから学校へ行けなかったり、体育などのスポーツを見学したりすることが増えます。

周りからしたら、サボりのように捉えられる可能性もあります。もしかしたら、それは病気のために起きているので、周りの理解が必要となってきます。

朝なかなか起きられない場合も当てはまる可能性も・・・。
ただの寝坊でない場合もある事を念頭に入れておくことが大切となります。

・ 立ちくらみ・めまいがある。

・ 立ち上がり・起き上がりに体調の悪さがある。

・ 朝、なかなか起きられない。

・ 倦怠感がある。

・ 顔色が悪い。

・ 食欲不振。

・ 頭痛や腹痛が起きやすい。

・ ストレスで体調の悪化。

・ 入浴で体調の悪化。

・ 動悸や息切れがある。

どうでしょうか?? いくつか当てはまる方も、いるのではないでしょうか??
他の疾患による原因がない場合は、起立性調節障害の可能性もあります。

では、東洋医学でのアプローチを考えていきましょう。

起立性調節障害の症状は、気血両虚というのが一番の原因と考えられます。
つまり、元気不足・血液不足が根本的な原因のために、自律神経を調節する力が低下していると思われます。

特に、脾胃の気虚が強く出ている場合が多いでしょう。

脾胃というのは、気というエネルギーを作るのにも重要です。そこに異常が起こると、そもそもエネルギーを効率よく吸収できなくなります。

また、東洋医学の気の概念には、推動作用という働きがあります。これは、身体の巡りを良くする作用があり、ストレス・余分な水分や排泄物を流したり、大切な栄養などを臓器などに運ぶ役割があります。

また、気は血液も作り出す作用があるため、冒頭で言った気血両虚という証が関与していきます。
そのため、基本的に補気補血という補法というのが大切です。

そこに、ストレスで悪化し易い場合は、ストレスを流しやすくする理気作用の漢方薬を使用したり、月経が酷いなど瘀血症状がある場合には活血化瘀作用のある漢方薬を選んでいくことが良いでしょう。

根本治療は、補気薬・補血薬!!

代表的な漢方薬としては、十全大補湯・八珍湯・補中益気湯・四物湯・黄耆建中湯など。
中でも十全大補湯が、バランスの取れた漢方薬です。

十全大補湯は、補中益気湯の気虚を改善だけでなく、血虚という症状も改善します。
血虚とは、西洋の血液だけでなく、身体を潤す作用など大きな意味を持ちます。

また、『十全』は完璧なものという意味もあり、年齢を重ねた方のあらゆる部分をカバーしてくれる意味があります。
このタイプは、顔色はさほど悪くなく、食欲の低下、倦怠感を訴える人です。この漢方薬は、気虚という症状に効果があります。気虚とは、元気を失った状態をさし、身体を温める作用や栄養を全身に回す作用などの低下などに関与します。

まとめ

漢方薬の相談でも、起立性調節障害は多く見られます。

一つの症例としては、倦怠感・腹痛・頭痛・めまい・吐き気・動悸が多く、低気圧が来ると悪化しやすい、ストレスでも悪化など複合的に症状が起こる方が多いです。

その場合は、原因となる気血両虚だけで無く、早めに症状を抑えるような漢方薬を配合する事も大切です。
今回は、十全大補湯が使いやすいと思い紹介したしました。

他にも、補中益気湯を基盤に、加味逍遥散や柴胡桂枝乾姜湯で低気圧やストレスに対抗し、めまい・吐き気などの水分代謝により起こる症状は苓桂朮甘湯や五苓散で様子を見ると良いでしょう。

また、冷えがあり月経不順・月経痛が酷い場合は、当帰芍薬散や温経湯も考慮に入れる必要があります。

起立性調節障害は、性別・症状で選ぶ漢方薬は変わってきます。しかし、根本治療は補気補血という身体に栄養を補充する事が大切となります。

以上、参考になれば幸いです。

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