悪夢が多くみる高齢者は、パーキンソン病を発症する可能性が高いかも!? 悪夢が引きおこす症状とは??

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

人によって悪夢を見る時期は、変わるかと思います。子供の時から見る方もいますが、高齢者では少し意味が変わってくるかもしれません。実は、英バーミンガム大学での研究報告ではパーキンソン病の発症のサインかもしれないというのです。

これは、一体どういう事なのでしょうか??

もともと、過去の研究では、パーキンソン病患者は、悪夢を見る頻度の高いことが報告されています。しかし、悪夢とパーキンソン病に深い関係があるのか?? この事について調べたことが無かったのです。

今回の研究では、平均年齢77歳の男性に焦点が当てられています。

その結果、悪夢を頻繁に見る男性は、あまり見ない男性に比べて2倍ほどパーキンソン病の発症リスクが高い!!また、研究開始後5年の間、悪夢を頻繁に見つづけていた男性は、あまり見ていなかった男性の3倍以上もパーキンソン病に発症しやすい結果となったそうです。

そもそも、悪夢を見る原因とは??

■ 精神的ストレス・情緒の不安定

■ 身体的疲労の蓄積

■ アルコール・薬剤による

 不眠・入眠障害などの睡眠障害

■ 心的外傷後ストレス障害

このような様々な原因が考えられます。多くの人に該当するのが、精神的ストレスや疲労の蓄積でしょう。基本的に、これが根本的な原因であり、この延長で睡眠障害や心的外傷後ストレス障害などの病気に発展していきます。

アルコールや薬剤は、少し別の話になります。やはり、アルコールや一部の薬剤は、覚醒作用があります。お酒はリラックス作用により入眠を促しますが、睡眠後半になると覚醒度が上がることにより、悪夢を見やすくなる可能性が高まります。

また、不眠を改善するための薬剤の副作用によって悪夢を見ていたが、服用をやめると悪夢を見なくなったという例もあります。

東洋医学では、悪夢をどのように捉えるのか??

基本的に、夢を見ているときはレム睡眠の状態を指します。これは、身体がOFF状態で、脳だけONの状態になっている事をいいます。この状態が増えると夢を多く見たり、悪夢をみたりします。

東洋医学では、五行説であるが深く関係をしています。心というのは神明を主る。つまり、精神の働きを調節する役割があります。他の五行である部位にも、精神や情緒をコントロールしますが、これを統括するのが心となります。

肝は判断力・理性など、脾は思考力・集中力・記憶力など、肺は本能的な五感、腎は意思・信念などの総称を神(しん)として、心が統括しています。

そのため、心が異常が起こると、不安感・不眠・悪夢・多夢・などが起こります。重症だと、錯乱・意識不明・無表情などに発展していきます。また、原因も複合的に起こる事がおおく、それにより心だけでなく肝も関与したり、脾なども関与していきます。

東洋医学により、夢を分類して原因をつかもう。

■ 心脾両虚(しんぴりょうきょ)

基本的な心血虚の症状:多夢、眠りが浅く、顔色蒼白、動悸、驚きやすい、物忘れ

脾気虚の症状:食欲不振、お腹が張る、息切れ、軟便、疲れやすい

以上のような症状を伴います。脾気が弱ることで、栄養が身体に入ってこずに、心への栄養不足が起こるので心血虚も伴うからです。

また、脾は思いすぎ・憂いなど深く思い悩むと、機能が傷害される傾向があります。思春期で、ご飯が手に付かないようなものも、これに該当します。その他にも、病気や出産などで脾気が弱ることで、起こりやすくなります。

治療としては、脾の機能を高めて、消化吸収された栄養を心に届ける事が大切です。これにより、神明の働きを促す必要があります。

オススメの漢方薬としては、帰脾湯となります。心脾両虚の不眠などのファーストチョイスです。また、これによりストレスが強い方には、加味帰脾湯が良いでしょう。

■ 心肝血虚(しんかんけっきょ)

 心は血脈を主り、肝は血を貯蔵します。そのため、この二つの血虚は身体の栄養不足を生じさせます。先ほども説明した通り、心へ栄養が不足すれば、神明の働きを損うのが原因です。

心と肝の血虚によって、眠りが浅くなり、多夢・悪夢を見やすくなります。また、肝による自律神経のコントロールも上手くいかないので、抑うつ・イライラ・不安などの情緒の乱れが強く出ます。

治療としては、肝の興奮状態を鎮め、心肝の栄養を滋養する補血が必要となります。

おすすめの漢方薬としては、先ほどの加味帰脾湯や加味逍遥散・抑肝散陳皮半夏などがオススメです。入眠前に色々考えてしまったり、イライラなどの興奮状態を伴う事が多く、まずは肝を鎮める事が必要です。

■ 心腎不交(しんじんふこう)

 腎というのは、身体に潤いを与える陰性の作用を持ちます。それが身体の熱を冷やす事で興奮状態を鎮め眠りを調節します。しかし、これが不足すると大脳の興奮状態を引き起こすために、脳が覚醒してしまうために多夢・悪夢を生じさせます。

治療としては、心腎を補う補腎薬や補血で滋養していくことが大切です。また、症状により肝の時のような興奮を抑える事も念頭に入れると良いでしょう。

おすすめ漢方薬は、天王補心丹です。心腎を滋養強壮してくれる生薬が含まれます。

 ■ その他 【痰熱内擾(たんねつないじょう)・腎陽虚(じんようきょ)】

 その他にも食べ物・冷え・加齢により発症するものがありますが、今回は説明を省きます。

まとめ

今回は、パーキンソン病と悪夢についての話でした。東洋医学では、夢は重要な判断基準の一つのため、ようやく研究にも取り入れたかと思うと嬉しく思います。また、パーキンソン病の主症状である手の振るえ・指先などのこわばり・すくみ足などの筋肉の障害は、肝に原因があると考えられます。

また、基本的に高齢になると発症する事から、腎も関与しているでしょう。肝腎は、母子関係に当たるとされ、相互間の関係も深い仲です。肝腎が弱ることで、心への影響が悪夢・多夢などに影響が出ている事も十分に考えられます。

今回の研究結果は、東洋医学で考えると可能性が高い結果だと思います。

以上、参考になれば幸いです。

参考文献:「eClinicalMedicine」に6月8日掲載された論文

漢方専門薬局元気堂(各種生薬、健康食品の通信販売、漢方無料個別相談) (kanpo.co.jp)

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