
はーい。こんにちわー。
元気堂です。
出産後の抜け毛で悩んでいる方もいるかと思います。
その原因として、不安といったメンタル面の影響がある事が、東京科学大学病院周産・女性診療科の廣瀬明日香氏らの研究で明らかになったようです。
この抜け毛は、意外にも多く育児中女性の91.8%が抜け毛が増えたと答えたようです。
その中でも73.1%が不安やストレスを感じているようです。
今回の研究結果で言える事は、産後の不安が強い女性ほど、脱毛量をより多く感じやすい可能性があるようです。
では、この結果から東洋医学的にも考えてみましょう。
東洋医学から考え得る原因とは!?
まずは、出産という大きなきっかけで考えられるのが、体力の消耗による気・血の不足です。
簡単にいえば、エネルギー不足ですね。
そして、腎精の不足(腎虚)が起こります。これは、子供へ栄養を与えているからですね。
この腎精は、生命活動・生殖能力。成長や老化に深い関係があります。そのため、老化現象の1つである抜け毛・脱毛症などにも影響を及ぼします。
また、出産や加齢だけでなく、若い人も髪の悩みを抱えています。それが、精神的な不安などからの脱毛・髪質・円形脱毛症などでしょう。
こちらの原因としては、肝血の不足が原因ではないかと考えられます。
東洋医学では、髪は血余と言われます。
これは、血という栄養を含んだ血液が余分にある状態を指します。血というのは、潤いなどにも関与するため、爪・唇や皮膚などの乾燥の予防をしてくれます。
つまり、これらの働きの余りが、髪の育成に影響していきます。
この血の保管所としての役割をしているのが、肝であり保管しているものを肝血といいます。
この肝血の不足してしまうと、もちろん肝の働きにも影響がでてきます。
肝は、疏泄作用という気の巡りなどの働きがあり、そこが阻害されます。
この作用が邪魔されることで、肝気鬱結証や気滞証・肝火上炎などの症状が生じます。つまり、イライラ・不安・動悸などの精神的な症状が出やすくなりますね。
ここまでをまとめると、妊娠~出産を経て、気血の不足・腎精の不足・肝血の不足などが原因!!
つまり、身体が弱っているから髪への栄養も届かないし、気力・体力が無いから気持ちをしっかり保てず不安などが起こっていると考えられます。
妊娠~出産は大きな変化であり、そこから慣れない育児も加われば、ストレスに身体が負けてしまうのも当たり前でしょう。
東洋医学において、まずは何をすべきなのか!?
まずは、身体を滋養するために、補気補血作用がある食べ物や漢方薬を取り入れてみるといいでしょう。
漢方薬では、芎帰調血飲第一加減がファーストチョイスですね。
■ 芎帰調血飲第一加減
芎帰調血飲第一加減は、温経湯+桂枝茯苓丸+折衝飲 または 温経湯+桂枝茯苓丸+当帰芍薬散など状態に合わせて調合する漢方薬です。そのため、加減という少し曖昧な名前になっています。
この中でも、温経湯は、気血不足を補い、血の巡りを良くするので主薬となります。折衝飲や桂枝茯苓丸は、瘀血を駆除するため、一緒に服用する事で産後の症状改善には、おすすめです。
当帰芍薬散は、冷え症・貧血・疲れにも使われ、浮腫などの水分代謝を改善します。
基本的には、まずは産後の体調を改善すれば、髪への影響も自然と良くなるかと思います。ですが、それでも難しい場合には、髪に対しての漢方薬を試しましょう。
先ほども軽く触れましたが、髪は血余。
つまり、まずは肝血を補いましょう。肝血を補い、肝を強くすることで不安・イライラなどの精神的な健康被害を改善する事です。
代表的な漢方薬:逍遙散・加味逍遥散・抑肝散など
そこに、腎精を補うために、補腎薬という分類の漢方薬を取り入れてみては、いかがだったでしょうか。
代表的な漢方薬:六味地黄丸・八味地黄丸・左帰丸など
個人的によく使うのは、加味逍遥散+補腎薬ですね。
補血作用もあり、イライラやため息などの精神症状を緩和してくれます。まだ、小さい赤ちゃんの育児でストレス過多・神経質になっているときにオススメです。
まとめ
最新の研究でも、不安などの精神的な健康被害と髪の抜け毛が影響し合っている事が分かりました。
東洋医学においても、理にかなった話だったと思います。
基本的には、身体を滋養すれば自然と解消するでしょう。
しかし、昔よりも出産する年齢が遅くもなっているので、その場合は自然に解消するのが難しい場合もあります。
その際には、東洋医学を試してみると良いでしょう。
以上、参考になれば幸いです。
参考文献:詳細は「The Journal of Obstetrics and Gynaecology Research」に10月27日掲載