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元気堂です。
難治性の皮膚病である乾癬・うつ病は、どうやら少し関係性があるようです。中、英国・マンチェスター大学のGeorgia Lada氏らによる研究で、乾癬患者の最大25%にうつ病の併存が認められるというのです。つまり、4人に1人となります。
かなり確率が高いかと思います。
東洋医学から考えてみると、肝の機能が良くない傾向だと考えられます。まず、肝は皮膚の潤い・ターンオーバーなどに使われる血を貯蔵する場所だったり、解毒作用により体内の悪い物を無毒化する働きがあります。
皮膚の状態を良くするには、血が必要となります。これが、不足すると血虚という症状になります。
血虚を伴う皮膚疾患というのは、乾いた大地と同じ状態です。水分不足・栄養不足により、表面はカサカサまたはヒビ割れたり、触ってみると熱感が強かったりします。これを皮膚に当てはめると、皮膚のかさつき・皮膚炎・アトピー・乾癬など多くの原因となります。
皮膚の状態を良くするには、まずは血を補う事が大事となります。この血は、脾胃で食べ物をから作られ、肝臓で貯蔵されています。これらの事から乾癬・アトピーなどで起こる皮膚疾患と肝は、深い関係があります。
また、肝と精神疾患も近い関係性があります。肝というのは、伸び伸びとストレスがない状態を好みます。言い換えれば、ストレスに弱く、イライラや抑うつなどの情緒の乱れを生じさせます。
肝の働きにより、気の巡りや精神状態を安定させる事を疏泄作用と言います。
つまり、一見まったく違う病気に見えますが、東洋医学の考えからすると、乾癬とうつ症状は肝に負担が来ているかと考えられます。この事を異病同治と言います。
異なる病気でも治療法が同じという意味ですね。また、同病異治という言葉もあり、これは同じ病気でも治療方法は異なる事を意味します。
例えば、同じような皮膚疾患でも、補血をしつつ身体の炎症を取り除く方法もあれば、自律神経を整えることで症状が緩和する方法もあります。
高血圧の方でも、まったく降圧剤が効かない方は鎮静剤などの気持ちを安定させる事で、血圧が下がる事もあるのが良い例ですね。
東洋医学で使われる漢方薬も、診断された病気が違っても中身の生薬が似か寄る事があります。精神疾患などの自律神経の乱れで使う加味逍遥散・抑肝散・当帰芍薬散などにも肝の血を補充する補血作用があり、皮膚疾患で使われる消風散・温清飲・清肝散・荊芥連翹湯なども補血作用があります。このように、病気の方向性が違っても、治療方針の根本は似ていることがあります。
また、名称にも肝というワードが含まれている場合も多いでしょう。
乾癬・うつ治療には、肝を整える事が大事。
肝が始めに弱ると、先ほどの疏泄作用が低下していきます。この低下した状態を肝気鬱結症ともいいます。そのため、これを改善する必要があるかと思います。
肝を滋養するのは、運動・睡眠・食事からが基本となります。また、今の生活で何にストレスを感じるかを知る事が大事となります。
まずは、気の巡りを良くする適度な運動・肝を休め回復させるために、睡眠をきちんと取りましょう。食事に関しては、青菜・青魚などの青色に、苺のような酸味がある食べ物が肝を滋養します。
また1年を通して、旬な食べ物を食事にとりれるだけでも良いでしょう。生活スタイルを少し見直しても、症状緩和が難しい場合には、漢方薬を試してみると良いでしょう。
肝気鬱結に処方される漢方薬は、種々ありますが代表的な物が四逆散・逍遙散・加味逍遥散などでしょう。また、皮膚炎など症状が強ければ、温清飲・清肝散などを加えると良いかと思います。
まとめ
今回は、乾癬・うつの関係性があることが判明した研究についてでした。東洋医学的にも、その可能性は十分にあるため、乾癬の方はうつ症状に気をつける必要があるでしょう。
生活習慣は、見直している方が多いかと思いますが、それでも症状が重い場合は、漢方薬も1つの手段です。
以上、参考になれば幸いです。