はーい。こんにちわー。
元気堂です。
まだまだ暑い日もあり、日差しも強い季節です。
そのため、身体は汗をかくことで、身体を冷やすように働いてくれます。
そんな汗を放置してしまうと、不衛生となり皮膚炎の原因にも・・・。
紫外線の影響もあり、何かと皮膚疾患の多い時期ですが、そんな皮膚疾患の1つである脂漏性皮膚炎を知っているでしょうか??
脂漏性皮膚炎とは、頭の生え際・顔面などに生じやすく、患部は赤みが帯びてフケも出やすくなります。
皮脂の分泌が多い所で起き、フケも乾燥した鱗状のもの・湿り気がある黄色味の帯びたフケ・フケが固まってかさぶたになることもあります。
乳児期・思春期以降に見られる疾患で、乳児型・成人型に区別されます。
脂漏性皮膚炎の原因とは??
皮脂の分泌が多い事で、それを栄養源とするマラセチアというカビ(真菌)が皮膚炎の原因と考えられています。
また、皮脂の分泌を促す男性ホルモンであるアンドロゲンの影響も考えられるようです。
皮脂を食べてくれるなら、逆に皮膚の状態には良いようにも思えますが、皮脂に含まれるトリグリセリドを遊離脂肪酸へ分解することで、それが皮膚炎を引き起こすようです。
その他にも、栄養の偏り・入浴習慣・洗顔・ストレス・寝不足・ホルモンの乱れなど多くの原因が影響していると考えられています。
つまり、根本的な原因は、皮脂分泌が多くなることであり、そのバランスを整える事が大切となります。
脂漏性皮膚炎は、成人型は注意が必要!!
乳児型は、一過性のものであり、きちんとしたケアをすれば、たいてい生後8~12か月くらいで自然治癒します。
症状も、軽微な痒みがでる事がありますが、ほとんどの場合が痛み・痒みを伴わないと言われます。
そのため、フケの症状が多いためにフケ症とも呼ばれます。
特に、皮脂分泌が多い頭皮・生え際・耳の後ろ・脇・胸・股関節・膝裏など熱が籠もりやすい所に生じます。
乳児型と違い、厄介なのが成人型となります。
思春期以降に見られる脂漏性皮膚炎であり、症状が改善したり悪くなったりを繰り返します。症状により、自然治癒することはほぼないと言われるため早めの受診が必要とされます。
生活習慣を見直す事が重要!!
皮脂の分泌が多いので、皮膚を清潔に保つ事が大前提となります。
ここで意外と見落としがちなのが、洗い終わった後のシャンプーなど残りです。
ちゃんと洗い流さないことでも、皮膚炎を起こすからです。また、爪を立てて刺激を強くするのも悪化する可能性があります。
次に、必要なのが生活習慣です。
睡眠不足・過度なストレスは、皮膚症状を悪化させる原因にもなります。
とくに、食事内容には気をつける必要性があります。皮脂を増やすような脂っこい物など暴飲暴食は今日から見直しましょう。
それでも、改善が見られない・・・。そんな時にこそ、漢方薬の出番!!
治療方針としては、清熱解毒が重要です。
熱を抑えて、解毒を促す治療法ですね。
治療経験からだと荊防排毒散・十味排毒散・荊芥連翹湯を良く使います。
特に、荊芥連翹湯は一貫堂医学でもあり、青年期の体質改善としてもオススメですね。
■ 荊芥連翹湯
日本人の体質の多くが、解毒体質であるので一貫堂医学との相性が良いとされます。
解毒体質というのは、慢性的な炎症性疾患を生じやすい方を指します。例えば、咽頭炎・肺炎・結核なども含まれます。この荊芥連翹湯は、さきほどの清熱解毒だけでなく、血の循環を調える働きもあるので、皮膚の状態も改善しながら炎症を抑えます。
人の体質は、3つに分けられる!!森道伯先生から学ぶべき体質診断。 – 元気堂 漢方薬 (pet-kanpo.com)
■ 十味敗毒湯
おでき治療として有名処方でしょう。
構成生薬:防風・荊芥・独活・柴胡・桜皮・桔梗・川芎・茯苓・生姜・生甘草。名前の通り、10の生薬からなり毒を敗かしてくれる漢方薬です。
この十味敗毒湯は、炎症があり、化膿している場合に使います。特に皮膚疾患などに使われます。
炎症を抑えて、解毒作用がある 柴胡・桜皮・桔梗・生甘草 がメインとなる作用でしょう。
防風・荊芥は、痒みを抑え抗炎症・鎮痛作用があります。独活も鎮痛・鎮静作用があります。
桜皮は、排膿作用をもち、柴胡は抗菌作用・抗ウイルス作用もあるだけでなく、自律神経を整えます。
■ 荊防敗毒散
風邪・おできの治療として代表的な漢方薬です。
最近では、花粉症の時にも使われ、小青竜湯とともに服用する事もありますね。
構成生薬:荊芥・防風・羌活・独活・柴胡・前胡・川芎・桔梗・枳殻・茯苓・炙甘草・薄荷・生姜
この生薬を見ると、十味敗毒湯と似ているところがあります。つまり、これも炎症があり、化膿しているときに使用できるという事です。名前も、荊芥と防風で毒素を排出すると書いてありますね。
こっちの方が生薬も多いし、十味敗毒湯より効くの??
少し用途の違いがあります。
十味敗毒湯との違いとは??
主に十味敗毒湯は皮膚に使われますが、この荊防排毒散は、皮膚だけで無く気管支炎・咽頭炎・風邪などにも使われます。花粉症や蕁麻疹などにも、もちろん使用されます。
イメージ的には、十味敗毒湯よりも汎用性を高めた漢方薬ですね。
これでも、炎症が強い場合には黄連解毒湯!!
■ 黄連解毒湯
清熱薬として一番基本であり有名な漢方薬です。
脂漏性皮膚炎においては、上記で紹介した3つの漢方薬にプラスして使います。
あくまで炎症が強い場合の調整薬として今回は使います。
効能としては、強い充血性の炎症・化膿性炎症を抑えてくれます。患部の赤み・フケの具合などで加減するといいでしょう。
まとめ
脂漏性皮膚炎になってしまったら、まずは患部を清潔に!!また、生活の乱れに心辺りがある場合には、見直しが必要でしょう。
それでも、難しい場合には漢方薬を試してみると良いでしょう。
今回紹介した中でも、個人的には荊芥連翹湯 + 黄連解毒湯 がオススメです。
以上、参考になれば幸いです。