はーい。こんにちわー。
元気堂です。
コロナがまた蔓延している中で、他のウイルスが蔓延する恐れがあります。それが、サル痘ウイルスです。このウイルスは、実験動物のサルから発見されたことによりサル痘と名付けられています。本来は、ネズミやリスなどのげっ歯類が保有しており、これが直接ヒトへ感染したり、または何かの動物を介したりして感染します。
動物⇒ヒト または ヒト⇒ヒト の感染経路です。
つまり、今が防ぎ時でもあります。日本にも、多くのネズミなどのげっ歯類がいるため、気をつけないといけません。ネズミからネズミへ感染が広がれば、ヒトへの感染確率もあがる事でしょう。
感染経路は、感染した動物の体液や血液を触れることにより感染します。また、加熱不十分により、ウイルスが死滅していないまま、食べてしまう事で感染します。日本の場合においては、前者の体液や血液を触れることが問題になるかと思います。
ヒトからヒトへ感染するウイルスでもあるので、咳や痰、病変部の皮膚の接触など飛沫や接触感染には注意をしないといけません。
海外の研究結果で、どのような状況なのか??
英国の国際共同研究グループ(SHARE-net Clinical Group)は、2022年4月27日~6月24日の期間で、16ヵ国43施設でPCR検査により、サル痘と確認・診断された例について、調査結果を報告してくれています。
感染者の98%がゲイまたはバイセクシュアルの男性となっています。一部は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が陽性でもあり、検査を受けた29%で性感染症を引きおこしていたそうです。
感染経路としては、95%が性行為による感染であり、症状は発疹などの皮膚病変がみられ、その部位は肛門性器・顔・体幹・手足など全身に見受けられています。10日ほどで、かさぶたとなり、かさぶたが消えるまでには、3週間ほど費やします。その他の症状としては、発熱・リンパ節腫脹・倦怠感・筋肉痛・頭痛・咽頭炎など風邪症状があると言われます。しかし、死亡例はなく、致死率は低いとされています。
つまり、滅多のことで死亡する事はないが、体液・血液などで感染するので、飛沫には気をつけないといけません。なにも性行為だけの感染ではなく、皮膚と皮膚だったりでも感染リスクがあります。
類似した症状のウイルスでいえば、天然痘がありますが、こちらは既に根絶したとされています。天然痘は致死率20-50%となり、コロナよりも深刻な致死率となります。
東洋医学において、予防や対策をどう考えるか??
まずは、衛気を高めておくことが大切でしょう。気の働きの1つで、外邪が体内へ侵入する事を防ぎ、体表を保護する作用があります。その他にも、汗のコントロールもして、体温を維持する作用もあります。
この衛気を高める事は、コロナやサル痘だけでなく、風邪予防にも良いでしょう。
では、この衛気を高めるためには何をすれば良いのでしょう。
この答えは、簡単です。日々の生活を改善し、身体の健康を維持する事です。充分な睡眠・適度な運動・栄養バランスの取れた食事など養生する事が大切となります。
また、ニュースでも流れているとおり、公衆衛生が肝となります。きちんと、手洗い・消毒・うがい・マスクなどで極力感染リスクを避ける必要性があります。
衛気を高めるために、おすすめの生薬とは??
それは、黄耆や人参などの補気作用のある生薬です。有名どころでは、補中益気湯でしょう。
黄耆・人参・白朮・甘草が胃腸の消化を促進し、免疫力や気力を高めます。また、陳皮・生姜・大棗は胃液分泌・消化系の蠕動運動も促進します。
当帰は、補血作用に優れており、滋養強壮にも働いてくれ、黄耆・柴胡・升麻は緩んだ平滑筋の緊張を高めてくれます。これらにより、体力の低下した気虚という症状を改善してくれます。これらにより、身体が元気になることで衛気が高まります。
もし、似たような症状が出てしまったら・・・。
そのような場合には、敗毒散系が有用かもしれません。その中でも、荊防排毒散が使える可能性があります。
■ 荊防排毒散
効能としては、消瘡止痛・発汗解表となります。これは、どんな効能かというと、以下のような作用があります。
おできなど化膿した腫れ物や蕁麻疹・湿疹などに使われます。それだけでなく、風邪の初期にでるような咽頭・気管支炎・頭痛・リンパの腫れなどにも使う事ができます。十味排毒湯よりも風邪症状にも効果があるように作られた漢方薬です。
このように、皮膚疾患と風邪症状にも効果があるので、治療の方向性としてはサル痘にも用いる事が出来るかもしれないのです。風邪薬の常備薬でもあるので、1つ持っていても悪くはないでしょう。
まとめ
今回は、今話題のサル痘について予備知識を付けてもらえたら嬉しく思います。致死率でいえば、基本的にはかなり低いので、大きく恐れることは今のところはないでしょう。
しかし、サル痘ウイルスも100%変異がないわけではないので、コロナウイルスとともに予防しておく事が1番です。発病リスクが高いところへは近づかないようにしたり、今まで通りの手洗い・消毒などは引き続き頑張りましょう。
また、東洋医学での予防は、衛気を高めることです。虚弱体質や身体が弱い方は、ここを元気にしておくと良いでしょう。
以上、参考になれば幸いです。
参考文献:NEJM誌オンライン版2022年7月22日号に掲載。