お腹が空くと、イライラするのは本当か?? 空腹は、最高のスパイス・・・いや、感情をコントロールする手段かも??

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

子供から大人まで、お腹が空くと怒りっぽくなる。このような事は、漠然としたイメージですが、認知しているかと思います。しかし、本当に関連があるのかどうか知っている方はいないでしょう。

そして、この事柄について、研究して遂に結論が出たそうです。

結論から言うと・・・

空腹で、イライラや怒りやすくなるのは、本当だった!!

あぁー、やっぱりね。 このような声が聞こえそうです。私も、こう思いました。

この研究は、海外の英アングリア・ラスキン大学で行われ、怒りやイライラ感といったネガティブな感情と空腹が深い関係であると報告しています。この記事で面白いのが、人種関係なく、空腹と怒りは関係している事です。また、英語圏では、hungry(空腹)とangry(怒り)を合わせてhangryという造語があるそうです。

日本でいう、ダジャレみたいですね。

この研究では、怒りだけでなく、その反対の喜びにも影響している事が判明しました。空腹でいると、喜びを感じることが減少する傾向になるそうです。

しかし、何故、空腹になると怒りの感情が出やすいのか??

1つの結論としては、空腹により低血糖状態が起きているからです。つまり、栄養不足により、脳が正常に働いていない状態となります。これにより混乱や情緒が不安定となり、イライラしやすくなると考えられています。

また、他の結論としては、空腹になると、多くの事柄について否定的な目で見てしまう可能性があるという事です。これにより、多くのストレスを溜め込むことで、怒りへと発展してしまう可能性があるそうです。

この他にも、人は知能がありますが動物です。飢餓状態になれば、狩猟などをしなければなりません。そのため、闘争本能が強く出てしまう事もあるでしょう。

今回の研究で学ぶ点は、このhangry状態(空腹でイライラしている)をコントロールすれば、感情をコントロールしやすくなるかもしれません。

東洋医学の観点からも考えてみると、どうなるのか??

まず、怒りの感情をコントロールするのは、【肝】が関与しています。この【肝】というは、疏泄作用という働きがあります。これは、淀みがなく、流れが良い状態にするという意味であり、身体の中で、気持ちの巡りや血流の流れなどにも関与します。

【肝】は、精神的ストレスや環境など多くストレスに弱いのも特徴です。そのため、伸び伸びとした自由な状態を好み、これを邪魔される事で、怒りの感情や不安・動悸などの情緒の乱れをもたらします。

この時に、漢方薬でよく使われるのが、柴胡(さいこ)と芍薬(しゃくやく)という生薬です。柴胡は、気の巡りを改善する力に優れ、芍薬には不足した肝の血を補うことで失調した肝の状態を回復させます。

つまり、肝の疏泄機能を改善する柴胡だけでなく、肝の栄養となる芍薬を使用しているのがポイントです。よく、肝血虚と呼ばれ、逍遥散や四物湯系が用いられており、こちらも補血という補充する治療方法となります。

この事から、栄養不足⇒怒り・イライラ・不安・動悸などが起こりやすくなります。基本的に、食事から得られるのは、というエネルギーです。この気が、血に変化する事で、肝を滋養します。(気化作用)

空腹を感じると、イライラ・怒りやすいというのは、東洋医学でも説明がつく話かと思います。

空腹でなくても、イライラ・怒りのコントロールが出来ない・・・。

このような方も多くいます。軽症の場合には、自分自身で自覚している事が多いでしょう。重症になれば、肝火上炎という症になり、目が血走っていたり、罵倒したり攻撃的なる方もいます。

このような方には、加味逍遥散(かみしょうようさん)・抑肝散陳皮半夏(よくかんさんちんぴはんげ)・龍胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)をオススメします。これらの漢方薬は精神状態を安定させ、イライラ感や不安感を緩和する力に優れています。

加味逍遥散は、逍遥散に清熱作用のある生薬が加わる事で作られています。この加味により、イライラなどの身体の炎上を抑えます。

抑肝散陳皮半夏・龍胆瀉肝湯は、名前からも分かる通り、肝を抑えるという意味があります。抑肝散陳皮半夏の方が、肝を滋養する生薬が含まれます。

あまりに、イライラや怒りが時には、龍胆瀉肝湯をチョイスする方が良いでしょう。

まとめ

空腹と、イライラや怒りは、きちんと関与している事がようやく判明したそうです。hangry状態になる前に、身体を整える事が大切です。

これにより、健康だけでなく、自分自身の精神衛生上も良くなります。生きていく上では、様々なストレスに晒されますが、空腹にならないように注意しておくことで、人付き合いも楽になるかと思います。

以上、参考になれば幸いです。

参考文献:「PLOS ONE」に7月6日掲載

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