透析患者でも、風邪薬は大丈夫!? 病気と飲み合わせとは!?

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

病院の薬で注意したいのが、薬の飲み合わせ。
この飲み合わせには、薬と薬・病気と薬などの組み合わせもあり、ただ薬の相互作用だけを確認するだけではありません。

特に、薬は肝臓または腎臓で代謝・排泄されるため、ここが弱っていることで薬の効果が強く出てしまう事があります。
薬も体内では異物であり、身体に入るとある程度は無毒化されます。
しかし、無毒化されない一部が効果として発揮するので、体重・年齢などを加味して薬の量や強さが考えられています。

その中でも、人工透析を行っている方は、いざ風邪に罹ったときには、どうすればいいのかを知っていきましょう。
透析でなくても、高齢者になれば腎臓の機能は低下するので、将来のためにも知っておくと良いでしょう。

まずは、基本となる腎臓の働きを知ろう。

腎臓は、背中側の腰より少し上あたりに左右1個ずつある臓器です。
握りこぶしほどの大きさで、そら豆・大豆のような形をしています。
東洋医学では、腎を補う食べ物として豆類が挙げられますが、腎臓に似ているからという説もあるくらいです。

腎臓には心臓から送り出された血液のうち約4分の1もの量が送り込まれており、それだけ重要な働きを担っています。
特に、身体の老廃物を排出する働きが知られていますね。
血液をろ過する事で老廃物や毒素、余分な水分などを尿として体外に排出してくれています。
この濾過施設は糸球体・尿細管という腎臓の一部で行われ、糸球体では1日に約150~180リットLの尿のもと(原尿)が作られています。しかし、そこから、尿細管で必要なミネラル・蛋白質を回収するので、尿として排出される約1.5L位となります。

この再吸収の過程では、水分も回収するので体内の水分バランス・ミネラルによる電解質のバランスも調節します。
これにより、浮腫・血圧などのコントロールが行われます。

意外と知られていないのが、じつはホルモンを分泌する事です。
腎臓は、赤血球を増やすホルモン・血圧を調整するホルモンを分泌しています。
これにより、貧血を防ぎ血圧を一定にコントロールしています。また、ビタミンDを活性化ビタミンDに変化させカルシウムの吸収により、丈夫な骨を維持します。

では、腎機能が低下した状態とは!?

病気などによって、糸球体のろ過機能が低下した状態。
健康診断でも分かるように、早期であれば問題ないですが、正常時から30 %以下に低下した場合は腎不全と呼ばれます。
腎不全には、急激に腎臓の機能が悪化する急性腎不全・自覚症状がないまま長い年月をかけて腎臓の機能がゆっくりと低下する慢性腎不全の2種類があります。

特に、慢性腎不全が進行して腎機能が正常の15%以下にまで低下に陥ると、もう自分の腎臓では血液を浄化できません。つまり、身体に毒素が溜まり放題となります。
こうなると、身体へは様々な影響がでることはイメージしやすいでしょう。

この状況になると、透析・腎移植などが必要となります。

結局、腎機能低下時には、風邪薬って大丈夫なの!?

一部の添付文書では、禁忌として腎機能が低下した方にはなるべく投与しない事などの注意書きがあります。
その理由の多くは、被副作用が強く出る薬・腎障害が起こる薬があるかもしれないからです。

例えば、胃腸薬や便秘薬にはアルミニウム・マグネシウムなどのミネラルが含まれています。
腎臓での排泄が低下している場合は、これらも溜まりやすく高マグネシウム血症などとなり不整脈・意識障害・心停止などのリスクが高くなります。
また、アルミニウムもアルミニウム脳症による言語障害・異常行動・精神障害・骨軟化症によって骨が脆くなることも・・・。

風邪薬と言えば、解熱鎮痛剤!!
特に、発熱・頭痛で使われる非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)ロキソニン・ブルフェン・ボルタレンなどは、腎障害の悪化・消化管出血などの胃腸障害を生じる恐れがあります。

つまり、市販薬も注意が必要でしょう。
多くの総合感冒薬にはこのNSAIDが含まれているからです。

しかし、透析患者において、痛み止めが副作用から使いにくい・・・。
そのため、痛み止めの中でも比較的副作用が少なく、子供の解熱にも使われるアセトアミノフェン(カロナール)が推奨されています。
ここで難しいのが、NSAIDsに比べて痛みの緩和が得られにくい・・・。そのため、医師の判断でNSAIDsが処方される事も良くあります。
多くの場合は、長期服用することで腎障害を起こす危険性があるので、風邪などの救急な場合は患者さんの状態に合わせて処方されています。
よく耳にするロキソニンによる腎障害の発生頻度は、腎機能が正常であれば疼痛緩和目的による短期間投与なら非常に低いとも言われています。

実は、漢方薬も注意が必要なのか!?

葛根湯・小青竜湯などに含まれる麻黄・甘草・附子などは、身体に影響を与えるとも言われます。
しかし、実際には使える薬が限られている事から、風邪薬の選択肢として漢方薬は使われています。

あくまで、専門家と相談しつつ試す方が良いでしょう。
症状・状態に合わせる必要があります。

漢方薬には、補腎薬という腎機能を補う漢方薬があるので、そちらで出来るだけ機能の改善を促すこともいいかもしれませんね。これも、担当医との相談をしてからがオススメです。

まとめ

今回は、腎機能が低下している患者さんは、風邪薬はどうするのか!?
これについて話してみました。

基本的には、状態に合わせて処方を考えていくので、医師などの専門家と相談が必須ですね。
そのため、日頃からの風邪予防・対策が重要でしょう。

予防こそが1番です。
急な風邪に悩まないためにも、出来るだけ生活習慣を整えていきましょう。

以上、参考になれば幸いです。

参照URL:・「腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤投与量一覧(2021年9月7日改訂(34.1版))(一般社団法人日本腎臓病薬物療法学会)」

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