はーい。こんにちわー。
元気堂です。
この時期になると、梅雨が近づき湿気が気になる季節に・・・。
そんな時に、東洋医学では脾胃の調子が悪くなりやすくなります。なぜなら、脾胃は乾燥を好み、湿気を嫌う性質があるからです。
そのため、外環境からも脾胃への負担がかかるために、胃もたれ・食欲不振・消化不良などが生じやすくなります。
また、4~5月は何かと飲む機会も多く、脾胃の不調をすでに生じている方も・・・。
では、このまま夏へ突入すると、どうなるでしょうか??
脾胃が弱っていると、まず起こるのが身体へのエネルギー吸収が低下します。
つまり、疲れやすかったり、消化不良も気になる所でしょう。
これを、夏まで引きずると、夏バテ・熱中症になりやすくなります。
そうならない為にも、脾胃の役割・養生法を改めて、見直しましょう!!
脾胃を知り、己を知れば体調は危うからず!!
・ 東洋医学において、脾とは何か??
脾は飲食物の消化・吸収の過程に大きな関わりがあります。口から飲食物が入り、胃で吸収しやすく変化させ小腸へ運ばれます。そして、小腸で水穀の精微・残渣に分けられます。
この水穀の精微のみが脾で吸収され、肺へ送られます。ここから肺で吸収された清気・水穀の精微から宗気を作り出し、全身へ送られます。気というエネルギーを作り出すには、脾・肺は密接な関係していることが分かるかと思います。
※ 宗気は、言語・音声・呼吸を調節したり、心の動きを助ける働きがあります。
※ 残渣は、残りカスであり大腸へ送られ排便されます。
つまり、脾胃の不調をきたすと、気の材料である水穀の精微への加工が出来なくなるので、身体への影響が大きくなります。この消化~吸収の一連の流れが脾が管理している事から【脾の運化作用】と呼ばれます。
脾胃を元気に保つ秘訣とは??
脾胃が弱ると、元気つまり気が不足する理由は、上記で理解してもらえたら幸いです。
ここからは、脾胃を元気に保つべき生活習慣などを紹介していきましょう!!
・ 冷たい物はなるべく取らない!!
暑く苦しい時期だと、冷えている飲食物を食べがちになっていませんか。 しかし、脾胃は冷える事で働きが鈍くなります。そのため、身体を冷やす飲食を避ける方が良いでしょう。
例えば、ビール・冷えた水・かき氷などは注意が必要です。サラダ・刺身なども冷たいので、あまり良くはありませんが、ガリ・シソなどは健胃作用があり、一緒に食べる事でデメリットも解消しています。その上、梅雨は食べ物が腐りやすいですが、生姜・紫蘇葉は防腐作用もあるので一層オススメでしょう。
また、飲食だけでなく薄着(特に下半身で、スカート・短パンなど)もクーラーから四肢が冷えることで、心臓に帰る血液が冷えてしまいます。すると、心臓までの道筋に、子宮・胃腸なども通ることで負担がかかります。
・ お酒もほどほどに・・・。
お酒といえば、身体を温めてくれるようにも思えますが、脾胃が嫌う湿気を身体に籠もらせる原因になります。湿熱と呼ばれ、二日酔いの原因ですね。
二日酔いの時には、食欲が低下し、悪心・嘔吐も出るでしょう。経験した事がある方には、お酒により脾胃の不調はイメージしやすいかと思います。
また、お酒のお供と言えば、脂っこい食べ物・激辛料理・デザートなども脾胃に湿気を溜めやすくするので注意が必要でしょう。
・ 食事には、香りを取り入れよう!!
先ほども紹介したシソだけでなく、ミョウガ・山椒・カレーに含まれるフェンエル・カルダモン・ニクズクなど芳香性がある食材は、脾胃の働くを手助けしてくれます。
漢方薬でも、ミカンの皮(陳皮)という生薬は、二陳湯にも含まれ嘔吐・吐き気などの胃腸の症状改善にも使われています。
ちなみに、日本のカレーは油分も多いので、脾胃に負担がかかる事も・・・。
そのため、本格的なスパイスで作った方が脾胃にはオススメです。
・ 適度な運動を始めよう。
運動をすることで、カロリーを消費すると食事を取りたくなる!! それだけではなく、身体を温めたり、汗をかくことで余分な水分(身体に入った湿気)を出す事でも、脾胃の機能を改善します。
また、気血の流れも良くなるので、気分が滅入りやすい6月には、運動がオススメです。激しい運動でなく、ウォーキングから始めると良いでしょう。
日常での養生法でも、改善しない場合には漢方薬を飲もう!!
脾胃の疾患でも、状態により用いる漢方薬は異なります。胃が冷えているのか?? 二日酔いのような熱しているのか?? 真逆な症状では使う薬が異なります。
そこで、タイプ別に漢方薬を紹介しておきましょう!!
■ 元気不足タイプ: 補中益気湯・香砂六君子湯など
■ 暴飲暴食タイプ : 平胃散・大柴胡湯・防風通聖散など
■ 胸焼け、胃痛タイプ : 黄連湯・半夏瀉心湯・黄連解毒湯など
■ 冷え、胃痛タイプ : 安中散・呉茱萸湯・人参湯など
■ ストレスタイプ : 四逆散・半夏厚朴湯など
この中でも、使う事が多いのが半夏瀉心湯!!
胃炎・胃もたれ・胃痛などに使う事が多く、暴飲暴食・辛いものの食べ過ぎ・二日酔いにも良いでしょう。
注意点は、冷えて症状が悪化するタイプには合いません。
ガスター・タケプロンなどの胃酸を抑える薬を飲んでいても、症状が強い方は試してみると良いでしょう。
まとめ
これからは、脾胃が弱る季節です。
ここで、しっかりと備えると、夏も元気に過ごせるかと思います。脾胃の症状でも使う漢方薬は変わっていくので、自分に合うものを使いましょう。
夏休みなど楽しいバカンスに向けて、健康に過ごしていきましょう!!
以上、参考になれば幸いです。