はーい。こんにちわー。
元気堂です。
気・血・津液などを学んでいき、ついに臓腑にたどり着きました。ここを押さえれば、もう漢方薬や東洋医学は、敷居が高いとは思わなくなっているでしょう。何事も基礎が大事です。
かの漫画スラムダンクでも、主人公の桜木花道が、ゴリから基礎と固く言われています。まぁーそこまで、厳しくは無いのですが、学んでいきましょう。
臓腑弁証【肝・胆証】
肝・胆の失調により、現れる症状です。東洋医学では、肝と胆は表裏の関係と言われます。あまり突き詰めると、難しさが上がります。位置・経絡・生理など密接な関係なので、無くてはならない関係またはご近所さんくらいなイメージでいいです。
大きく、この証を分けると、8つに分類されます。
ここで、8っつも!?と思うかと思いますが、安心してください。ここまで、基礎を学んだ方は、すでに何となくでも理解できる状態になっています。それでは、学んでいきましょう。
①肝気鬱結
肝の疏泄作用が低下した状態です。疏泄!?馴染みのない言葉ですが、題名の字をみてください。
肝の気が鬱結した状態つまり、肝の気滞があり、全身の気の流れが落ちている状態です。東洋医学は、そのままのイメージで表すことが多いです。分からないときは、そこから意味を組みとると良いでしょう。
この肝気鬱結が起こると、どのような症状がでるのでしょうか??
イライラ・悶々とした状態、ため息をつきやすい、胸脇部や喉につまった感じがある、反発心・感情を抑制できない状態。経絡上に沿った張りや痛み。月経前に症状が悪化、月経不順、乳房や子宮の張るような痛み。
症状も、気が停滞した症状が多いです。そこに、肝の失調で起こる【怒り】の症状が加わっています。
そして、この疏泄不良は、2次的な症状を起こさせます。
■肝脾不和
脾の運行作用が2次的に低下した状態。
便秘と下痢を繰り返す、ストレス性の腹痛・下痢、腹部に張った痛み・不快感、おならが溜まる、食欲不振などの症状が加えて起こります。
■肝気犯胃
胃の働きが2次的に阻害された状態。
胃のあたりの不快感、げっぷ、嘔吐、悪心などで症状が加えて起こります。
■肝気犯肺
肺の機能(宣発・粛降)が2次的に阻害された症状。
呼吸しにくい、喘鳴、ストレス発作、重度だと呼吸困難などの症状が加えて起こります。
■気滞痰凝
痰(津液の機能の低下)が生成され、痰と気が交じり合った梅核気を生じる。
梅核気とは、喉に梅が詰まったように息苦しさ・つかえを感じる症状を加えて起こします。
②肝火上炎
先ほどの肝気鬱結が長期化したことで、熱の症状を帯びた状態。そのため、症状はイライラが増し暴発的な怒り、激しい頭痛・扁桃痛、耳鳴り、難聴、口苦、じっとできない、小便が濃い、便秘、口渇などの症状が出てきます。
③肝血虚
肝の血が不足した状態。
肝は、目に関与するために、目の疲れ・渇き、目のカスミ、視力の低下。または、筋肉にも影響する特徴をもち、こむら返りを起こします。ほかには、耳鳴り(低温のセミのような声)などの症状が特徴です。
主に、目と筋肉の症状がでる特徴です。
④肝陰虚
肝の陰液つまり冷やす作用や潤す作用が低下するために、熱の症状(虚熱)が起きた状態。
肝血虚の症状に加えて、不眠、手足のほてり、寝汗などの症状が出てきます。
⑤肝陽上亢
肝陰虚(肝腎陰虚)になり、肝の陽気(温める力)が制御できない状態。または、肝火上炎が長引いて、陰液が消耗した状態。
肝火上炎と肝陰虚の症状が混じった状態です。
⑥肝風内動
筋肉び痙攣・振るえ、動揺などの症状をともなうもの。肝には、それを3っつに分類します。
■肝陽化風
肝陽上亢から、肝風内動がでた症状。
■熱極生風
肝火上炎から、肝風内動がでた症状。
■血虚生風
肝血虚あるいは、肝陰虚から、肝風内動がでた症状。
⑦寒滞肝脈
肝の経絡に、寒さが侵入し、それが停滞した状態。
肝・胆の経絡上に痛みや張り(胸脇部・横腹・鼠径部・陰部)。それに、加え冷えの症状である手足の冷え、多尿、尿が薄いなどが現れる。
⑧肝胆湿熱
肝胆の経絡に、湿熱が現れる状態。
肝・胆の経絡上にジクジクした発疹や痒み(胸脇部・横腹・鼠径部・陰部)。それに加え、肝気鬱結の症状と熱の症状が合わさる状態。
以上、肝胆についてです。肝気鬱結から、移行して起きるもが多いので、そこを重点的に学んでもらうといいです。
参考になれば、幸いです。