風邪引きやすい・・・。夏の暑さで、身体が乾燥しているかもしれません。

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

今回は、乾燥状態について語りたいと思います。身体が乾燥すると、どのような事が起きるのか?それを未然に防ぐことの大事さを伝えたいかと思います。

乾燥といえば、秋冬のイメージですね。
確かに、冬の方が、風邪になりやすいのは、皆さんも知っている事でしょう。しかし、夏でも春でも、目や鼻、皮膚などの乾燥状態の方がいます。

特に、夏は発汗しやすかったり、過度のエアコンで冷え込むことでも風邪に罹患しやすいかと思います。

■ 体内で、乾燥が起きている原因とは。

人は、環境や気温、気圧などから日々影響を受けています。
それが、身体の中にも影響するために、乾燥状態が生じます。そのような方の身体には、潤いを与える栄養が不足している事が多いのです。

東洋医学的には、それは津液(水分)です。これは、身体に必要な働きをする水分を指します。浮腫などの余分な水分は除外されます。

その他にも、血(血液)と腎精(腎に蓄えられている栄養と、今回は思っていてください。
※ 津液・血・腎精については、別の記事にまとめてあるので、気になる方は、そちらを参照してください。

この3つが少ないと、夏でも乾燥状態を引き起こします。

目の乾燥が強い場合、東洋医学では肝が関与します。口の乾燥には、胃が関与し、皮膚は肺に関与します。

1つに乾燥と言っても、関与している部位が違うのが、特徴的ですね。

最近では、ドライシンドロームという言葉があります。これは、乾燥症候群という意味です。

目・口・鼻・肌・膣などの粘膜が潤いが無くなり、乾燥を引き起こします。粘膜がないというのは、風邪の侵入が容易になり、感冒にかかりやすくなります。

意外と、年中風邪引いている人は、もしかしたら粘膜不足が原因になっている可能性があります。

■ 身体を潤す事の大切さは、分かった!!治し方を教えて!!

東洋医学では、津液・血・腎精の不足について述べてきました。

これらは、陰陽でいう陰に属します。陰というのは、身体を冷やしたり潤す作用があります。
つまり、陰の力が不足している陰虚という症状を治すことを考えるのが、大切となります。

目の乾き(ドライアイ)・・・六味地黄丸・逍遥散・杞菊地黄丸などがおすすめ。

口の渇き(ドライマウス)・・・生脈散・沙参麦門冬湯がおすすめ。

皮膚の乾き・・・四物湯系列がおすすめ。温清飲・当帰飲子など。

膣の乾燥・・・六味地黄丸系がおすすめ。

基本となる漢方薬です。これは、あくまで参考程度にしてください。

六味地黄丸】

熟地黄・山茱萸・山薬・牡丹皮・茯苓・沢瀉といった6つの生薬から構成されています。
この六味地黄丸は、高齢者の八味地黄丸に対して、子供の発達不良に対しての薬となります。

適応は、肝腎陰虚という症状になり補陰薬になります。
肝腎陰虚とは、頭がぼーっとする・ふらつく・めまい・耳鳴り・難聴・足腰の倦怠・夜間に口渇・遺精・尿が濃い・性欲減退や成長が未発達のような症状に適します。

熟地黄・山茱萸・山薬は、タンパク質・デンプン・脂肪・ビタミンといった豊富な栄養物を含み、身体の滋養強壮に用いられます。
また、熟地黄は補血作用・強心作用・抗アナフィラキシー作用があり、山茱萸は副交感神経に作用します。山薬は消化酵素を含み、吸収作用にも効果があります。

牡丹皮は、鎮静・解熱・抗菌作用をもち、交感神経を静め、血管拡張によって血流を促進します。沢瀉はも交感神経を静め、水の代謝に関与します。茯苓は、利尿作用があります。

他にも、血糖降下作用・血圧降下作用などの効果があります。

【生脈散】

生脈散は、800年ほど前に出版された中国の書物(内外弁惑論)に記載されている漢方薬で、歴史ある処方の1つです。
また、処方名からも生脈散は気(エネルギー)・陰(潤い)を補充する働きがあります。

人参は、気を補う補気薬・麦門冬は、陰を補う補陰薬・五味子は酸味(収れん作用)で陰の漏れを防ぎます。

気の働きには、固摂作用があり漏れ出ないようにする働きなどもあり、人参はこれにより過度の脱水を予防にも!!
また、単純に倦怠感などの疲れにも効果があるため夏バテ防止にもオススメでしょう。

陰の潤いの排出は、五味子で防ぎ、不足しがちの陰も麦門冬で補充する構成ですね。

ちなみに名前からも察するように、今にも途切れそうな脈を気・陰を補うことで生き返らせる意味があります。
そのため、夏バテといった夏だけでなく、1年中服用しても良いでしょう。

四物湯】

四物湯の主薬は、熟地黄であり、当帰と芍薬は糖・タンパク質・脂質・ビタミンと豊富な栄養が含まれます。そのため、滋養強壮に働き、全身の栄養状態の改善・内分泌機能・神経機能にも作用するといわれます。

当帰・川芎は活血という血の巡りにも作用します。そのため、血管拡張作用を通じて栄養を各所に運びます。
芍薬は、鎮痙作用があり、芍薬・当帰・川芎は鎮静作用も示します。
当帰には、ビタミンB12・ニコチン酸・葉酸なども含まれるので、貧血にもおすすめです。

また、当帰の精油成分には子宮の収縮を抑制し、非精油成分には子宮収縮を強めるという両方に作用します。そのため、婦人科疾患において使いやすい漢方薬となります。

■ まとめ

潤い不足は、ストレス・瘀血・アレルギー・疲労感など原因が様々です。
夏場で言えば、生脈散がよく使われますが、加齢による原因などでは六味地黄丸が使われますね。

また、皮膚炎などは四物湯ベースの漢方薬が多いので、症状に合わせて身体を潤していきたい所でしょうか。

今回、紹介したのは補剤という身体に栄養を補充して治す考えです。そのため、日頃の生活習慣や飲食物も見直す事が大切となってきます。

以上、参考になれば、うれしいです。

漢方専門薬局元気堂(各種生薬、健康食品の通信販売、漢方無料個別相談) (kanpo.co.jp)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA