はーい。こんにちわー。
元気堂です。
渋滞などで頭がボーとした経験はないでしょうか?? 混んでいたら、集中力が落ちて、ボーとしてしまうのは当たり前じゃないか・・・。このように思うかもしれませんが、どうやら車の排気ガスも関与しているようです。
排気ガスの中でも、ディーゼル排ガスが原因の可能性が明らかになりました。
最近では、だいぶディーゼル車が減ってきたかと思います。しかし、何故ディーゼル車が規制されたのでしょうか??
ディーゼル排ガスとは??
ディーゼル車から出る黒い黒煙(煤)には、多くの化学化合物が含まれています。代表的な物が以下の3つです。
・ 窒素酸化物(NOx)
物を燃やす際には、空気中の窒素・燃料中の窒素が酸素と高温で反応すると、窒素酸化物となります。
これが、ディーゼル車から多く排出されます。人体に対して刺激性があり、呼吸器障害を起こすといわれています。水に溶けると硝酸・亜硝酸となり、酸性雨の原因物質の一つになります。人体だけでなく、環境にも有害と言うことが分かりますね。
・ 浮遊粒子状物質(SPM)
大気中に浮遊している微粒子(1μm=0.001mm以下のもの)で、これもディーゼル車から多く排出されます。上記と同じく、呼吸器に影響を及ぼし慢性呼吸器疾患を引き起こす原因となります。
・ 炭化水素(HC)
空気中の窒素酸化物・炭化水素などは、太陽の紫外線を受けることで、光化学反応を起こします。これが、光化学スモッグの原因物質となり、濃度が高くなると眼・喉などの痛みを引き起こします。もちろん環境にも影響は出てきます。
そのため、ディーゼル車は人体・環境に害がある排ガスを多く、作るために規制に至りました。また、花粉症などのアレルギーとの関係も深いとされます。
平均的な大型ディーゼル車トラックが、1km走行したときに排出する量約1g排ガスが出ると言われます。東京都内では、1日だけで約12トンも排出されると言われるために、規制されたほどです。
1日に12万トンは、すごい量だと思いますね。
渋滞・高速では、トラックの後ろは危ない!?
今回の研究は、ビクトリア大学(カナダ)のJodie Gawryluk氏らによるもので、わずか2時間程度であってもディーゼル排ガスに曝されると、脳の機能的結合性が低下し、思考力・記憶力の低下につながる可能性があることが明らかになりました。
呼吸器系疾患だけでなく、脳にも影響が出るとなると心配でしょう。
しかも、この研究対象となったのは19〜49歳の成人であり、比較的若く思考力などの低下が起こりにくそうな方々です。この方達に、浄化した空気・ディーゼル排ガスの両方に120分間曝露させて比較した研究でした。
その結果、ディーゼル排ガスへの曝露後には、浄化した空気への曝露後に比べて、認知機能・意思決定・抑うつ症状に関連する脳領域である機能的結合性が低下していることが確認されたのです。
こうなると、今後の生活がどうなるのか? 心配も出てきませんか?
しかし、安心して下さい!! この影響は、数時間で消失するようです。問題は、今回のような短期間の暴露ではなく、長期間の暴露ではどうなるかという事となります。
まだ、確定してはいないが、暴露によりアルツハイマー病などのリスクになる可能性は考えられるそうです。また、このようなディーゼル排ガスの暴露による研究では、神経変性疾患の1つである筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症リスクが高くなるという報告が出ています。
注意すべき人とは、どのような人たちか??
排ガス量が多い高速道路沿い・交通量の多い道路沿いに住んでいる人々は、リスクが高くなると考えられますね。
また、人種により貧しい所ではディーゼル車の使用が多いので、それもハイリスク群となります。
まとめ
今回は、身近な乗り物である車による身体の影響についてでした。
今までは、呼吸器系疾患のリスクしか知られてはいなかったと思います。しかし、ALSや脳へのダメージにもなる事も・・・。
夏休み・お盆などで渋滞した場合には、ディーゼル使用のトラックの後ろには注意するといいかもしれませんね。
頭がぼーっとして事故を起こさないためにも、今回の豆知識を活かしてみてください。
以上、参考になれば幸いです。
漢方専門薬局元気堂(各種生薬、健康食品の通信販売、漢方無料個別相談) (kanpo.co.jp)
参考文献:「Environmental Health」に1月14日発表