はーい。こんにちわー。
元気堂です。
健康維持には、体重管理も大切な事は分かっているかと思います。昔よりも、病気になる前に予防する考えが浸透してきています。しかし、今回は、一見関係がなさそうな肥満と不妊について話していきましょう。
基本的には、虚弱体質や痩せすぎの方は、健康な人よりも精子の動き・精子数が人よりも悪い事が多いでしょう。そのため、精子数が少ない方には、痩せ型ぎみの傾向にあります。東洋医学でも、まずは気が充実している事で、身体を健康的に維持します。しかし、それが低下すると、身体を正常に保つことを優先にするので、精力が低下したりなど生命活動以外が先に落ちる傾向にあります。
女性で言う過度なダイエットをすると、生理が止まったり、周期が遅くなるのも、これに該当します。
今回のデンマークの研究結果では、その逆である肥満の方が余分な体重を落とす事で、健康的になり、その結果精子数が増加する可能性のあるというのです。
肥満は、その精子数だけでなく、精子の質も低下させます。
つまり、太りすぎも痩せすぎも良くないという事ですね。
研究では、8週間の食事療法により体重・BMIが低下させる事に成功しました。また、研究開始時と食事療法終了後に採取した精液を比較したところ、食事療法終了後には平均で精子濃度が1.49倍に、精子数は1.41倍に増加していることが判明したのです。
これから、子供が欲しかったり、不妊治療をしている方は、体重管理も考慮に入れていくことが大事となっていきます。
東洋医学では、精液清冷(せいえきせいれい)という病となります。
精液清冷とは、精液が薄く少ない事を指します。原因としては、腎の精気不足(であり、先天的な虚弱・後天的な要因があります。精気=精力のイメージで、構いません。
東洋医学において、腎とは排尿だけでなく生殖能力・性欲・成長・発育に関与します。そして、精気を貯蔵する所も腎となります。この事から精気の事を腎精とも呼びます。
腎精とは生命エネルギーなど生命の根本となるもので、父母から受け継いだもの(先天の精)・飲食物から作られる(後天の精)があります。生まれた後は、食事により補充する事が大切となります。この腎精が充実していると、成長や発育がよく、老化も抑えていけます。
腎精が不足している場合には、自分の先天の精を子に与える事が出来ないため、不妊に繋がってしまうのです。
そのため、腎精を補う事が大事!!
漢方薬でいう腎を補う補腎薬を飲んでいく事が良いでしょう。基本的には、腎精不足している場合が多いので、そこを補う六味地黄丸や八味地黄丸などの地黄丸系列がオススメです。
しかし、肥満により精子数が少ない場合は、違う方法が適切かもしれません。肥満になってる場合には、糖尿病・脂質異常症・痛風・高血圧など生活習慣病にもなっている場合があります。
これにより、すでに身体に異常が発生しています。そのため、これを正常にしようと身体が絶えず働いているので、生殖能力に異常が生じていると推測されます。今回の研究では、減量により精子数の改善が見られている事は、これらの疾患の予防や治療にも繋がっています。
そのため、減量により身体の機能が正常になったことで、精子数・質ともに向上したと考えます。
まとめ
不妊治療している方には、減量が必要な方もいるかもしれません。一つの解決手段として、最新の研究結果の報告でした。また、不妊という観点を東洋医学では、どのようなアプローチをするのかも、記載したので上手に活用してもらえたら、嬉しく思います。
不妊症は、一人一人アプローチが異なります。東洋医学の言葉で、同病異治という言葉が存在しています。同じ病気でも治療法が異なる事を指します。同じ不妊でも、解決方法は異なるでしょう。また、異病同治という言葉もあり、肥満治療により生活習慣病だけでなく、他の病気である不妊も改善するかと思います。
一つの手段で上手くいかない場合には、他の手段も考えていきましょう。
以上、参考になれば幸いです。
参考文献:「Human Reproduction」に5月17日掲載。