
はーい。こんにちわー。
元気堂です。
最近、運動にハマり急激なダイエット。
そんな時に、耳のつまり・自分の声が聞こえにくいなどの症状が・・・。
もしかしたら、耳管開放症かもしれません。
今回は耳管開放症について話して行きましょう。
耳管開放症とは、何!?
まず、この病気を知るためには、身体の構造である耳管をしる必要があります。
耳管とは、鼻と耳を繋ぐ管となります。鼻水が溜まることで、強く鼻をかむと耳を痛めるのも繋がっているためですね。
また、耳鼻科でも鼻と耳を同時に扱っているのも互いに影響が出やすい事がわかります。
この耳管は、圧力を調節する役割があり、普段は閉まっていますが唾液を飲み込んだり、あくびをしたときだけ瞬間的に開きます。
軽く唾液を飲んでもらえると、理解しやすいでしょう。
耳管開放症は、この普段閉まっている耳管が何らかの原因で閉じきらず、開いている時間が長くなっている状態・開きっぱになっている状態となります。
原因となるのは、急激な体重減少(過度なダイエット・ストレス・ガンや肝臓病などの病気・手術など)で、耳管周辺の脂肪組織の減少で耳管を閉める事ができない・・・。
これにより、発病してしまいます。
症状としては、耳管が開放しているので圧力の管理ができないので、自分の声が大きく響く(自声強聴)・耳がつまった感覚などが生じます。
また、布団に横になったり、頭を下げたりすると、耳管の周りの血管が膨らんで管が狭くなり、症状が一時的に軽くなるのが特徴です。その他にも、耳の症状としてめまい・難聴などのも起きる事も・・・。
東洋医学では、どのようにアプローチを考えるのか!?
まずは、多くの原因として体重減少(耳管周りの脂肪組織の減少)です。
そのため、気虚が疑えます。
つまり、気の不足であり、気の役割が上手く稼働しないと根治しにくい可能性があります。
【気の働き】
① 推動作用
この働きは、歩いたり、走ったり、話すなどの全ての行動に関与します。
■ 気は、血液(血)・水(津液)・排泄物を押し流す。
全身に水分や血液が行き渡す作用・身体の老廃物や排泄物を体外に出す作用も、この推動作用が関与します。
■ 気は臓腑に働きかける。
動きに関与するので、内臓の作用にも勿論、関与します。行動する為には、必要な作用ぐらいで覚えておきましょう。
② 温煦作用
体温の維持に関与する作用です。種類で言えば、衛気が関与しています。
人間は、身体が冷えると死んでしまうので、重要な作用です。
③ 防衛作用
名前の通り、防衛作用で、これも衛気が関与します。
④ 固摂作用
これは、維持・保持作用や漏れないようにする作用といえます。
内臓が下垂しないように保ったり(脱肛・子宮脱・胃下垂防止)、血管から組織へ水分が漏れ出ないようにする作用です(浮腫防止)。また、多汗・尿漏れ・月経が早くなるのを防いだりします。
イメージとしては、水道の蛇口のような役割だったり、ネジのような感じでしょうか。
⑤ 気化作用
気の力で、物を変化させる作用です。食事(水穀の精微)から血液(血)・水分(津液)などを作りだし、体内に不要な水分を尿・汗に変化させます。
⑥ 営養作用
気の営気が関与します。大量の栄養を含み、血液(血)を作りだします。
この中でも、④ 固摂作用 ⑥ 営養作用 が重要でしょう。
耳管という戸締まりをしっかりするには、固摂作用を高める必要があり、また根本的な気の不足には営養作用は欠かせません。
耳管だけでなく、汗腺・泌尿器系などの開け閉めする働きを調節するためのエネルギーは、『気』で調節しています。『気』とは、身体を正常に保つための役割であり、一言で言えば元気(体力)みたいなイメージですね。
そのため、治療として補気薬がファーストチョイスでしょう。
おすすめは補中益気湯!!
また、体重減少の原因が血液循環・肝疾患・自律神経の乱れなどもあるでしょう。
その際には、補中益気湯に加えて改善するような活血化瘀薬・理気薬などの漢方薬も加減していくことを推奨します。
では、補中益気湯とは!?
補気薬の基本となる四君子湯の派生であり、四君子湯よりも身体を守る衛気作用に良い黄耆・ストレスを流す柴胡なども含まれます。
つまり、外部のストレスから身を守りつつ、身体にあるストレスを流す作用も含まれるので、自律神経失調症にも良いでしょう。
また、黄耆は他の生薬とも相性が良く、黄耆と人参で補気作用(元気を補充)。
黄耆と白朮で浮腫を取り除く作用。
黄耆と防風で皮膚の無駄な水を流し、汗を調節する作用。
黄耆と当帰で化膿症などの排毒作用。
など様々な作用を高めます。
そのため、補中益気湯は非常に汎用性の高い漢方薬と言えましょう。
まとめ
耳管開放症は、あまり聞き慣れない疾患の1つです。
耳の調子が悪いけど、耳抜きすれば平気・・・。
そのような場合は、耳管開放症を疑うのも必要ですね。
放置すると、難聴気味になるリスクもあるので早めに改善する事を推奨します。
以上、参考になれば幸いです。