はーい。こんにちわー。
元気堂です。
最近とにかく疲れが取れない・・・。ヤル気が出ない・・・。
身体を動かす気力や体力もない・・・。このような状態が6ヶ月以上の長期間にわたり続き、日常生活が上手くいかない。
このような場合を、慢性疲労症候群と定義します。
この疾患のきっかけは、風邪などで体力を落とした事で健康な人でも起こり、風邪のような症状が治っているのにも関わらず生じたりもします。
休んでも改善しなかったり、食欲不振などの胃腸障害・不眠などの睡眠障害も伴う事があります。
そして、この慢性疲労症候群は、血液検査・ホルモン異常・脳や内臓などの異常が見当たらない場合に疑われます。
つまり、原因不明の疲労感は慢性疲労症候群かもしれません。
主な症状をまとめると、継続する疲労感と共に、集中力の低下・筋力の低下・微熱・睡眠障害・頭痛・関節痛・筋肉痛などで初期の風邪症状となります。
ここで、仕事・育児などの疲労の原因が分かっている場合は、慢性疲労症候群ではなくただの慢性疲労となりますね。
東洋医学でいえば、まずは【気虚】が疑われます。
そして、次に特徴的な症状が熱症状です。
微熱・頭痛・のどの痛み のような熱症状も伴います。
特に、平熱より0.5~1.5℃程度高くなる微熱が特徴的でしょう。この微熱の正体は、【虚熱】が疑われます。
身体が弱ったことにより、身体の陰陽のバランスが崩れ身体を冷やす事ができない常態かと思われます。
慢性疲労症候群のきっかけが風邪などから始まる事から、その風邪に身体を冷やす陰の力を消耗した可能性があります。
そのため、解熱鎮痛剤などを用いても熱があまり下がらない事が多いでしょう。身体を潤す力が無いので、陽である温める力が強く出ることで微熱になっているかと考えられます。
治療としても、対症療法として解熱剤を使うよりも補陰薬(麦門冬湯・生脈散・六味地黄丸など)の漢方薬の方がオススメですね。
この虚熱は、微熱だけでなく頭に熱が籠もれば頭痛・のどであれば咽頭炎・関節であれば関節炎などに影響を及ぼします。
また、【気虚】が続く事により、気の巡りが悪くなっていきます。
これにより【気滞証】または【肝気鬱結証】も併発していきます。つまり、自律神経失調症も引き起こしやすくなります。
自律神経が乱れてしまうと、寝つけない・眠りが浅い・早朝覚醒などの睡眠障害だったり、朝起きられない、日中に極度の眠気に襲われるといった過眠なども生じさせます。
さらに、【肝気鬱結証】になると抑うつ感・不安症・ため息が多い・気分が落ち込みやすいなどの精神疾患も加わります。
症状としては、朝に倦怠感・気分が重く、午後に軽減される傾向がありますが、それも個人差があり午後も変わらず酷い場合もあります。
病院で処方される薬も漢方薬!?
慢性疲労症候群の治療には、薬物療法が中心とされています。
そして、漢方薬である補中益気湯などの補気薬がメインとされていますね。
補気薬の基本となる四君子湯の派生であり、四君子湯よりも身体を守る衛気作用に良い黄耆・ストレスを流す柴胡なども含まれます。
つまり、外部のストレスから身を守りつつ、身体にあるストレスを流す作用も含まれるので、自律神経失調症にも良いでしょう。
それに加えて、体内の活性酸素つまりストレスを防ぐために、抗酸化作用をもつビタミンCを大量に服用することで対応すると言われます。
病院でも身体を補い治す補法がベースだという事が分かりますね。
ですが、少し気になるのが【虚熱】に対してのアプローチです。
補中益気湯では、陰を充分に補うのは難しいと考えられます。確かに、気を補充することで気の気化作用により、血・津液などの陰性の成分を作る事は可能でしょう。
しかし、慢性疲労症候群はかなりの虚弱体質になっていると考えれると【虚熱】対策として補陰薬・補血薬なども考慮に入れたいと思います。
例えば、生脈散・温清飲・六味地黄丸・加味逍遥散などでも良いでしょう。
この場合は、その人の症状に合わせて選択するといいかと思います。しかし、直ぐにでも始めたい!!
そのような方には・・・
オススメは、清暑益気湯!!
清暑益気湯は、熱バテ・熱中症対策に用いられる漢方薬として耳にする事も多いでしょう。
清暑益気湯は、生脈散+補中益気湯を合わせたような処方となります。
生脈散(麦門冬・五味子・人参)から分岐した漢方薬となります。
気陰両虚に使われており、気虚・陰虚(虚熱)にも良いでしょう。補中益気湯の補気作用もより高める事もできるために慢性疲労症候群にも応用可能と考えられます。
まとめ
今回は、原因不明でおこる慢性疲労症候群についてでした。
東洋医学でも漢方薬は、補法に特に優れています。
現代社会は、寒暖差・気圧差・対人ストレス・仕事・育児・デジタル製品・電磁波など多くのストレスに晒されています。
そのため、自分は健康だと思っていても意外と隠れ疲労を抱えています。
慢性疲労症候群のように、突如として発症してしまう事もありますが、早めにに滋養することが一番の予防法です。
最近、疲れが取れない・・・。少しでも感じている際には、まずは休む事を取り入れてみましょう。
以上、参考になれば幸いです。