はーい。こんにちわー。
元気堂です。
最近は、気温も大分落ち着いて、暖かくなってきました。そこで、これからは薄着になり、汗が気になる季節かと思います。
そこで、今日は東洋医学と汗について触れていきたいと思います。
まずは、多汗症とは?
人前に出ると、緊張で汗が噴き出る・・・。
遺伝で親も多汗症だった。
つまり原因は、様々ですが、汗が異常な量出てしまう事を指します。
ちなみに、運動・高温多湿による汗は生理的な反応のため、省きます。
それでは、東洋学的には、どのように捉えていくのでしょうか。
まず、簡単に汗について述べましょう。
汗は、皮膚の汗孔(汗が出る穴)の開閉によって調節されています。
基本的に、体温調節に役立ったり、悪いものを出したりと日常の気が付かないときも起きています。
東洋医学では、発汗の作用(開け閉めする働き)を行うためのエネルギーを『気』で調節していると言われます。『気』とは、身体を正常に保つための機能であり、一言で言えば元気(体力)みたいなイメージをしてください。
この『気』というエネルギーによって、汗の穴のシャッターを開け閉めしています。
『気』というエネルギーは、循環して滞らず、量も過不足なくあることが理想です。そしてこの異常が、汗の穴のシャッターに異常をきたし、多汗症などを起こしやすくします。
すこしイメージしにく場合には、水道の蛇口をイメージしてください。
蛇口の栓が固すぎても、緩すぎても支障が出ます。この栓の調節する潤滑油のような作用を気に置き換えるとイメージしやすいかと思います。
普段の私生活が重要!!
健康的な生活と言えば、規則正しい生活が1番重要でしょう。
そのため、適度な運動・ストレスを流す趣味・栄養バランスが整った食事・充分な睡眠が必須です。
また、簡単なケアとしては、お灸もオススメです。
気を補う有名なツボとしては、足三里(あしさんり)・気海(きかい)などが使われます。
■ 足三里(膝のお皿の下にある外側のくぼみから指4本分下のツボ)
■ 気海(へそ下から指2本分下のツボ)
どちらもセルフケアとして使えるツボなので、自分の身体が疲れていたり、異変があれば使ってみるのも良いでしょう。特に、足三里は、胃腸の機能を整えるので、ここを施灸すると良いでしょう。
あの俳人である松尾芭蕉も日本各地を歩くために、日頃から使っていたとして有名ですね。
今よりも舗装されていない道を歩くためのケアとして使ったいたとなると、かなり効果があったのでしょう。
また、東洋医学では気を補うのは食事が関係しており、脾胃の働きが深く管理します。
脾胃に負担をかける脂っこいもの・甘いもの・刺激の強いものは食べ過ぎないようにしましょう。
そして、消化しやすいように良く噛んだり、腹八分目に食事を抑える事も必要でしょう。
この消化を促すために、脾胃が冷えないことも心がけましょう。
少し熱くなり始めた時期だと、冷たい飲食物を食べることも多いのも注意が必要です。
漢方薬は、黄耆が入ったものがおすすめ!!
黄耆(片)とはマメ科の植物であり、根を乾燥したもの。元気を補う力に優れ、免疫力の増強や皮膚の湿疹の治療の効果があります。
他の生薬とも相性が良く、以下の生薬と配合されている事が多いでしょう。
・ 黄耆と人参で補気作用(元気を補充)。
・ 黄耆と白朮で浮腫を取り除く作用。
・ 黄耆と防風で皮膚の無駄な水を流し、汗を調節する作用。
・ 黄耆と当帰で化膿症などの排毒作用。などの様々な作用を高めます。
多汗症の場合には、補気薬でも黄耆・人参が最低でも入っている方が良いと感じます。
そう考えると、黄耆建中湯や補中益気湯などがベースとなるでしょう。その他にも、人参は含まれませんが玉屏風散・桂枝加黄耆湯なども候補に挙がります。
腸の調子が悪い方は黄耆建中湯がいいかもしれません。
元々、小建中湯などの○○建中湯からの派生であり、子供~老人まで使える漢方薬です。
もし、ストレス過多であるなら補中益気湯の方が合いますね。
こちらには、ストレスを流す柴胡などが配合されるので、気の不足だけでなく気の巡りも落ちている方は、こちらがいいでしょう。
補中益気湯は、かなり汎用性が高いのが特徴です。
そのため、迷ったら補中益気湯が無難かと思います。
まとめ
基本的に、漢方薬では黄耆(おうぎ)の入った薬が多く使われていますが、多汗で相談を受けても、実際にはその他の症状も考慮して判断します。
なぜなら、女性であれば生理もあり血の症状(瘀血症状)を考慮したり、ストレスなども考えなければなりません。
そのため、多汗症でも当帰芍薬散が使われたり、柴胡加竜骨牡蠣湯なども使われる事もあります。
東洋医学的にとらえて、多汗症以外にも問題があり、そこを改善する事でも多汗症の改善に近づきます。
まずは気軽に相談に来てみてください。
以上、参考になれば幸いです。