東洋医学で考えられるアジソン病とは!? 身体を滋養するには、補気をしよう。

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

皆さんは、アジソン病という病気は聞いた事が無いでしょうか!?
これは、人間だけでなく飼っているペットにも生じる事があります。

アジソン病は、副腎皮質機能低下症ともよばれ副腎から出るホルモンが少なくなることで、身体に様々な症状を引き起こします。

例えば、筋力低下・疲労・起立性低血圧・体重減少・多飲や多尿・嘔吐や吐き気などなど。
また、 色素沈着・皮膚のしわ・瘢痕などの皮膚疾患も生じます。

何故、このような様々な症状が起きてしまうのか!?
これは、副腎皮質ホルモンが1つじゃないためです。副腎皮質の部位の違いにより、分泌されるホルモンが異なります。

■ 束状層:コルチゾール / コルチゾン【糖質コルチコイド】
コルチゾールは、糖の新生や抗炎症作用・コルチゾンはグリコーゲンの貯留作用があり、エネルギーや免疫にも作用します。
■ 球状層:アルドステロン【電解質コルチコイド】

アルドステロンは、遠位尿細管でナトリウムイオンの再吸収促進するため、体内の電解質・水分量を調節します。
■ 網状層:アンドロゲン

アンドロゲンは、男性ホルモンであり男性の第2次性徴の関わります。

アジソン病は、定型型アジソン(コルチゾール・アルドステロン)の低下・コルチゾールだけが低下する非定型型アジソンなどがあります。
原因は基本的に分からない特発性が多く、自分の免疫により副腎が委縮・破壊される為に、ホルモンの分泌が低下します。

東洋医学で考えるアジソン病は!?

症状から見ると、まず健康の基本である元気不足つまり気虚が疑われます。
そのため、気の働きが不足した症状が出ると考えられます。

では、気の働きについて話しましょう。
気にも種類があり、そこにも触れていきましょう。

① 元気

これは、皆さんもイメージしやすいかと思います。元気は、臓腑の働きを助け、身体の機能を発揮させます。生命力の源であり、真気・原気とも呼ばれます。
不足すれば、様々な機能の低下が起きてしまいます。疲れたときには、身体が動かないのも、これが不足しているからですね。

この元気は、父母から受け継がれる(先天の精)。さらに食事(水穀の精微)などから補われていきます。

② 宗気

宗気とは、肺と心に関与します。肺とともに、呼吸を行い、心とともに血液の循環を助けてくれます。この宗気は、その役割から胸中に存在していると言われます。また、呼吸から得られた空気(清気)と食事(水穀の精微)から作られます。

子供の時に、喘息が多いのも、宗気不足が関係しています。

③ 営気

営気とは、栄養する気と言っていいでしょう。食事(水穀の精微)から作られて、全身を血液(血)とともに栄養します。そのため、営血とも呼ばれます。

④ 衛気

衛気とは、防衛のための気と思うと分かりやすいです。これも、食事(水穀の精微)から作られ、体内体外を絶えず流れています。そのため、身体の表面を守り、風邪(外邪)が体内へ入るのを防衛します。

また、体内の管理もし、体温の維持を促し、皮膚・筋肉・組織などを温めます。

⑤ 臓腑の気

臓腑の気は、その名の通り、臓腑を機能に作用するものです。食事(水穀の精微)・空気(清気)・元気と父母からもらったもの(腎精)により作られます。

⑥ 経絡の気

臓腑の気と同じで、名の通り、経絡に作用する気であり、作られ方も同じです。

以上、この六種類の気の総称が【気】と言います。これを読んで思うのが、気の不足は、全身に問題を起こすという事でしょう。そして、食事・空気・親からの受け継いだもので作られています。

ここまでは、気の種類と役割を話しました。次に、気の働きについて、細かく話したいと思います。

気の働きには、六つあり。

① 推動作用

この働きは、歩いたり、走ったり、話すなどの全ての行動に関与します。

■ 気は、血液(血)・水(津液)・排泄物を押し流す。

全身に水分や血液が行き渡す作用・身体の老廃物や排泄物を体外に出す作用も、この推動作用が関与します。

■ 気は臓腑に働きかける。

動きに関与するので、内臓の作用にも勿論、関与します。
行動する為には、必要な作用ぐらいで覚えておきましょう。

② 温煦作用

体温の維持に関与する作用です。種類で言えば、衛気が関与しています。
人間は、身体が冷えると死んでしまうので、重要な作用です。

③ 防衛作用

名前の通り、防衛作用で、これも衛気が関与します。

④ 固摂作用

これは、維持・保持作用や漏れないようにする作用といえます。

内臓が下垂しないように保ったり(脱肛・子宮脱・胃下垂防止)、血管から組織へ水分が漏れ出ないようにする作用です(浮腫防止)。また、多汗・尿漏れ・月経が早くなるのを防いだりします。

⑤ 気化作用

気の力で、物を変化させる作用です。食事(水穀の精微)から血液(血)・水分(津液)などを作りだし、体内に不要な水分を尿・汗に変化させます。

⑥ 営養作用

気の営気が関与します。大量の栄養を含み、血液(血)を作りだします。

アジソン病の症状を見返しましょう。

症状として、よく言われるのが、筋力低下・疲労・起立性低血圧・体重減少・多飲や多尿・嘔吐や吐き気などなど。
また、 色素沈着・皮膚のしわ・瘢痕などの皮膚疾患も生じます。

どうでしょうか!?
先ほどの気が大きく関係しているとは思いませんか。
そのため、アジソン病などの機能の低下症には、気虚が大きく影響している可能性があります。

このような症状に当てはまる場合は、補気という治療が良いかもしれません。

代表的な漢方薬は、補中益気湯!!

四君子湯という補気薬をベースに作られた漢方薬で、良く活用されています。それだけでなく、柴胡などのストレスを緩和する生薬も構成された漢方薬になります。

個人的には、朝の倦怠感・低血圧・やる気がでない方に使います。また、痩せて虚弱だったり、不登校の子にも用いたりもします。
意外な使い方としては、男性の不妊症にも使います。昔から、精子の動きや数が少ない方には、補中益気湯+補腎薬という組み合わせを利用しています。

生殖行為というのは、元気があって始めて機能します。
過度なダイエット・運動の過多でも気虚は生じるので、見た目は健康そうでも、身体が弱っている場合もありますね。

まとめ

慢性の疲労感・めまい・吐き気が続く場合には、アジソン病が隠れている可能性があります。
もし、長引く場合には、まずは医師ときちんと相談していきましょう。

東洋医学的には、身体が虚して起こる気虚の症状が出ています。
そのため、補気という治療が根本かなと考えます。

以上、参考になれば幸いです。

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