はーい。こんにちわー。
元気堂です。
糖尿病になると、男性の勃起不全(ED)になることが知られています。
しかし、このEDである事が糖尿病のリスクかもしれない事が判明したようです。米セントルイス大学のJane Tucker氏らの研究による研究となっています。
この研究は、前糖尿病や糖尿病の既往のない18~40歳の男性23万1523人(平均年齢28.3±7.0歳)を対象として、そのうち1.4%に相当する3131人がEDと新たに診断されていた。
非ED群に比較しED群は、30歳以上・低テストステロン血症の割合が高く、肥満・高血圧・脂質異常症・虚血性心疾患・脳血管疾患・心不全・うつ病・不安症などの既往歴も多い傾向。
また、ED発症後に前糖尿病/糖尿病が診断されていた255人について、診断のタイムラグを検討。
すると、3分の1以上に当たる36.5%はED診断と同日に前糖尿病/糖尿病がタイムラグなく診断。
また、255人の半数近くに当たる47.5%はED診断から1カ月以内、55.7%は3カ月以内、62.4%は6カ月以内、67.8%は9カ月以内に前糖尿病/糖尿病が診断。
1年以内には、ほぼ4人に3人に当たる73.7%が前糖尿病/糖尿病を診断されていた。
つまり、EDと糖尿病は切っても切れない関係である事がわかりますね。
では、東洋医学的には、これをどのように捉えるのか!?
東洋医学では、腎が深く関係!?
東洋医学でいう腎は、老化現象に深く関係があります。
また、この腎の機能が低下していると性欲なども含めて下降傾向に当たります。
東洋医学では、これを腎虚と呼んでいます。
腎虚になると、老化現象に関わるので、白髪・腰痛・難聴・腎臓病・痛風・リウマチなど多くの疾患も当てはまっていますが、この中には糖尿病も含まれます。
つまり、一つの原因としては腎虚が考えられます。
また、他にもEDは心理的な要因だったり、血流の要因などもあります。
自律神経が乱れれば、気の巡りが悪く精神的にもEDになりやすく、糖尿病などの生活習慣病を伴えば血の巡りが悪いのも原因でしょう。
この場合では、肝気鬱結証・気滞症・瘀血などの可能性も見えてきますね。
人によって、考えられる要因は微妙に変わっていきます。
以前にも触れたデンマークの研究結果では、その逆である肥満の方が余分な体重を落とす事で、健康的になり、その結果精子数が増加する可能性のあるというのです。
肥満は、その精子数だけでなく、精子の質も低下させる事がわかっています。
この事からも肥満・糖尿病などの生活習慣病とEDは、腎虚になりやすいかもしれません。
腎虚対策には、まずは補腎薬を試そう!!
基本的な補腎薬とは、六味地黄丸・八味地黄丸などが有名でしょう。
八味地黄丸は、高齢者の聖薬とか老化防止の妙薬とも言われています。老化からの病気なら、まず検討すべき漢方薬でしょう。それでも、どんな薬かは、知っておくと良いと思います。
八味地黄丸を説明する前に、基礎となる六味地黄丸の説明をさせて頂きます。
【六味地黄丸】
熟地黄・山茱萸・山薬・牡丹皮・茯苓・沢瀉といった6つの生薬から構成されています。
名前の通り、六という事は、後でお伝えする八味地黄丸の由来も予想がつきますね。
この六味地黄丸は、高齢者の八味地黄丸に対して、子供の発達不良に対しての薬となります。
適応は、肝腎陰虚という症状になります。肝腎陰虚とは、頭がぼーっとする・ふらつく・めまい・耳鳴り・難聴・足腰の倦怠・夜間に口渇・遺精・尿が濃い・性欲減退や成長が未発達のような症状に適します。
熟地黄・山茱萸・山薬は、タンパク質・デンプン・脂肪・ビタミンといった豊富な栄養物を含み、身体の滋養強壮に用いられます。また、熟地黄は強心作用・抗アナフィラキシー作用があり、山茱萸は副交感神経に作用します。山薬は消化酵素を含み、吸収作用にも効果があります。
牡丹皮は、鎮静・解熱・抗菌作用をもち、交感神経を静め、血管拡張によって血流を促進します。沢瀉はも交感神経を静め、水の代謝に関与します。茯苓は、利尿作用があります。
他にも、血糖降下作用・血圧降下作用などの効果があります。
子供から若い人には、この漢方薬が重宝されます。
【八味地黄丸】
桂枝・附子+六味地黄丸です。六味地黄丸のタイプで、身体が冷える人に使用します。肝腎陽虚に使用します・陽虚とは、身体を温める力が落ちている方の事をさします。
よく言われるのが、40歳を過ぎたら性別関係なく服用するといいと言われます。地黄丸系は、どれも補腎薬という薬で、若さを保ったり、老化防止として使用されます。そのため、白髪や性欲の減退・脱毛など加齢によるものにも使用されます。
まとめ
老化現象の1つであるEDは、腎虚が疑われる症状です。
しかし、この症状が糖尿病の発症に早期に気が付く、機会をくれています。
今はまだ、糖尿病でなくても、少し精力が減退してきているのであれば、注意が必要かもしれませんね。
そんな時には、腎を補うような事が大切です。
漢方薬が手頃に始めやすいですが、冬の食材は腎を補う作用もあるので、食事からの改善も良いかと思います。
以上、参考になれば幸いです。
参考文献:「Preventive Medicine」に7月25日掲載