下剤を常用していると、認知症のリスクが高まる!? 下剤を当たり前に服用する前に、改善しよう。

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

高齢者・女性には、日常的に下剤を服用している方が多くいる傾向です。特に、女性は東洋医学である血・津液が損なわれやすく陰虚・血虚になりやすいために、便が硬くなるために便秘になること・・・。

身近な症状である便秘に対して、下剤を常用していると認知症になりやすくなるかもしれません。そんな研究報告が「Neurology」に掲載されたのです。

以前にも当ブログで取り上げたのが、腸脳相関です。もともと腸と脳は、同じ細胞から分かれて作られています。そのため、腸は第2の脳と呼ばれる臓器であり、精神的・脳に何かしらの影響があると腸への影響が出ます。また、逆もまた考えられるという考えです。

気になる方は、以下のブログを参照してみてください。

今年も腸脳相関を見直そう。 腸内環境を整えることで、脳の機能・精神状態を正常に保ちます。 – 元気堂 漢方薬 (pet-kanpo.com)

このように、便秘であれば脳への影響は考えられてきましたが、その影響の1つに下剤も含まれる可能性があるようです。認知症のリスクを高めるタイプとして、複数の下剤を併用する人・浸透圧性下剤(浸透圧を利用して大腸内の水分を増やし、便を柔らかくして排便を促す)を使用している人は、特にリスクが高いと言われます。

何故、下剤により、そのような事が起こるのか??

下剤の常用する事で、やはり腸内細菌叢が変化する事が問題とみられています。

つまり、腸内環境の乱れが重要となります。腸内環境といえば、免疫力と深い関係性がある事は、ヤクルト1000などでも知っているでしょう。それ以外にも、アレルギー症状・糖尿病の原因になっているとも言われます。

肥満になりやすい人は、腸内細菌が重要だった!?今からでも始めよう腸内環境の正常化。 – 元気堂 漢方薬 (pet-kanpo.com)

アトピー性皮膚炎・蕁麻疹などのアレルギーは、腸内環境の乱れが原因?? 便秘・下痢の方は、腸活でアレルギーを撃退しよう。 – 元気堂 漢方薬 (pet-kanpo.com)

下剤を常用することで、この脳腸相関を妨害され、一部の微生物を脳に到達させてしまう可能性も・・・。また、腸から脳への神経伝達が影響を受けたり、脳に影響を及ぼす可能性のある腸内毒素の産生が増えたりするのではないかと考えられています。

ちょっと、怖い話ではないでしょうか・・・。

確かに、排泄が遅れれば体内に毒素が溜まるのは、分かります。しかし、それを出すために下剤を飲み続けると、悪循環が生まれようです。

確かに、プルゼニド・センノシド・センナなどの腸を刺激する事で、無理矢理に蠕動運動を引き起こす事は昔から良くない事だと知られています。これは、その刺激に腸が慣れるために、だんだんと反応しなくなるため、食事からの刺激で反応しないことを起こします。

悪い順応ですね。そのため、基本的には刺激性の下剤は、頓服が好ましく常用は良くありません。しかし、今回の研究では、浸透圧を利用し便に潤いを持たせるタイプでも、認知症のリスクを高めるようです。

下剤を多く服用している方は、注意したい事柄でしょう。

今回の研究結果を詳しく知ろう。

今回の研究では、認知症のない40〜69歳の成人50万2,229人(平均年齢56.5歳、女性54.4%)の下剤の使用状況について検討。

その結果、家族歴などのリスク因子を考慮しても、下剤を常用する人では、あらゆる原因による認知症の発症51%・血管性認知症の発症65%もリスク高い!!

※ しかし、アルツハイマー病のリスク上昇は認められなかったそうです。

そして、下剤の種類が多いほどリスクが増加する傾向(1種類のみ28%のリスク増加・2種類以上を併用では90%のリスク増加)が見られたのです。
また、その1種類のみが浸透圧性下剤を使用していた人は、あらゆる原因による認知症・血管性認知症の発症リスクが上昇していたようです。つまり、今までそこまで問題視されていなかった下剤のタイプも、将来的に常用する事は良くないようですね。

腸内環境を整えて、認知症だけでなく様々な病気を予防しよう。

腸内環境を良くするには、多くの方法がありますが、まずは食事の改善が始めやすいでしょう。また、一番影響が出やすいかと思います。他にも、運動や睡眠も見直す事も大切です。

■ 発酵食品を取り入れよう。

腸に良いとされるのが、やっぱり発酵食品です。代表的なのが、ヨーグルト・カルピス・納豆・チーズ・漬物です。その他にも、醤油・味噌・酒も調味料としても腸には良いでしょう。嗜好品のお酒も、適度であれば問題ありません。あくまで、適度なので飲み過ぎは禁物です。

腸内細菌の栄養となるような食材を積極的に食べましょう。

整腸剤でも下痢・便秘を繰り返す・・・。そんな時は、オリゴ糖がいいかもしれない。 – 元気堂 漢方薬 (pet-kanpo.com)

■ 水溶性・不溶性の食物繊維を取り入れよう。

水溶性の食物繊維

リンゴ・わかめ・キウイ・大根などに含まれ、腸内の善玉菌の餌となります。また、糖質の吸収を穏やかにし、急な血糖値の上昇を抑え。コレステロールを体外へ出す役割もあります。

不溶性の食物繊維

レンコン・玄米・たけのこ・さつまいも・きのこなどに含まれます。腸内壁を圧迫することで、蠕動運動の働きを助けるので、便秘予防になります。

■ 腸内環境に良い漢方薬

腸の動きや栄養に良い漢方薬といえば、○○建中湯といった漢方薬です。

その中でも、使いやすいのが大建中湯という漢方薬です。お腹が張っている・お腹が冷えるなどの症状に主に疲れます。腸が冷えて、上手く蠕動運動が働かないために、腹部に膨満感・ガス溜まりが出ている症状に合います。

まとめ

今回は、新たな報告により下剤の怖さを知りましたね。まずは、生活習慣を見直す事が大切です。
薬に頼らないようにするためにも、日々の生活を少しでも見直していきましょう。

複数の下剤を服用している場合は、少しでも減らす努力を継続すると良いでしょう。

または、漢方薬だったり、発酵製剤のように自然なもので構成されている物を考えるといいかもしれませんね。

以上、参考になれば幸いです。

参考文献:「Neurology」に2月22日掲載

漢方専門薬局元気堂(各種生薬、健康食品の通信販売、漢方無料個別相談) (kanpo.co.jp)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA