いざ、緊急時で出された坐薬はどう使うの!? また、複数の場合は、どれから使えば良いのか!?

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

皆さんは、坐薬を使い方について知っているでしょうか!?
小さなお子さんがいないと、なかなか使用する機会が無いかもしれません。

実際に、多く方がやり方を忘れてしまっている事も・・・。
特に、2種類の坐薬が出されたときには、どちらを先に使用した方がいいのかも疑問に思うことでしょう。

年末年始も、もう間近です。
急な病状で座薬を使う事もあるでしょう。
今回は、坐薬について話して行きましょう。

坐薬の効能・使い方を知ろう。

坐薬は、肛門または膣から挿入し、体温・直腸の水分で徐々に溶ける薬剤です。
坐薬の種類も様々で、解熱消炎・鎮痛薬・吐き気止め・下剤・痔・熱性痙攣などの豊富にあります。

坐薬の特徴としては、直腸から吸収するために、肝臓を通過しないため薬が分解されない事です。
そのため、比較的安定した効果が発揮できたり、食事に関係なく使用する事もできます。

坐薬の使い方として、形状が弾丸のようなとがった形をしています。この先のとがっているほうを肛門に挿入します。坐薬が入りにくい場合は、薬の先を少量の水で濡らす事で滑りがよくなります。
特に使用回数の多い小児の場合は、おむつをかえる時のような形で入れ、出てこないように、しばらくそのまま押さえてあげると良いでしょう。

ここで、よくある質問が挿入後にしばらくしたら排便をしてしまった・・・。
どうしたらいいのか、疑問を感じることでしょう。

このような場合は、時間・坐薬の形状が鍵となります!!

坐薬を入れた直後に排便した場合は、ほぼ坐薬も一緒に出ている上に、形状も変わっていないでしょう。
そのような場合は、もう一度使用してください。
しかし、挿入してから10分以降・形状がだいぶ溶けてしまったり崩れている場合は、すでに薬が吸収され始めています。
少なくとも4時間以上の間隔をあける方が良いでしょう。心配であれば、6時間以上が安心ですね。

何故、排便してしまう事が多いのか!?

これは、坐薬という異物を肛門に挿入するからですね。
その上、薬が溶けるまでに直腸内に停滞するからです。ここまでは、想像できるかと思います。

実はその他にも坐薬の性質により起きている事もあります。
それは、水溶性坐薬つまり水分で溶けることで効力を発揮するタイプです。

この水溶性坐薬は、直腸内の水分を吸収して溶けてきます。
その際に、ピリピリ感を感じる事があり、この刺激が直腸を刺激するために排便しやすくなる事も・・・。

排便してしまう事は、小さなお子さんであれば、しょうがない事なので対処法だけでも知っておくことが重要となります。

坐薬が2つも出た・・・。どちらから使えば良いの!?

このような場合は、緊急性の高い方を使うと良いでしょう。
余裕がある場合には、水溶性坐薬が先で、脂溶性坐薬を次に使用しましょう。

この緊急性が高い場合の例として、特に熱性痙攣が挙げられます。

熱性痙攣とは、6カ月~5歳くらいに起こりやすく、急な発熱と意識障害・痙攣が起こる病気です。通常38℃以上の発熱で、体温が急激に変化する際に起こりやすくなります。成長により、6歳を越える頃には、ほとんど起こさなくなるため、経過は良好です。

しかし、先ほどもお伝えした6カ月~5歳くらいでは発症しやすく、1度起こると、再発も半数以上はすると言われます。一部においては、3~5%がてんかんに移行する可能性があると言われます。

ちなみに、両親が子供の時に、この熱性痙攣を経験している場合には、子供の発症も2~3倍に高くなると言われ、遺伝も1つの要因となります。

また、女児よりも男児に多い傾向があり、高熱を引きおこす風邪(突発性発疹・インフルエンザなど)がトリガーになります。

そのため、発熱が目安になっていきます。しかし、この痙攣の厄介なところが、発熱の初期に起こりやすいため、痙攣が起きてから熱が高かったことに気が付く事です。

一般的な症状は、意識が消失し、痙攣を起こすことです。
子供が急に、このような状態になったら、困惑したり動揺するのは当たり前でしょう!! そのため、熱性痙攣については起きる前から知識として知っていると、冷静な判断ができるかと思います。

このような熱性痙攣であれば、その痙攣予防となるジアゼパム(ダイアップ坐剤)の使用が重要です。
ちなみに、ダイアップ坐剤は水溶性坐剤のため、1番最初に投与すべきでしょう。

次に、熱性なため高熱が出ている場合には、アセトアミノフェン(アルピニー・アンヒバ坐剤)を使用しましょう。

ここで大きな注意点があります。

それは、投与間隔は30分以上あける事!!

この30分以上が需要です。
基本的にダイアップ坐剤は、水溶性坐剤ですが主成分のジアゼパムは油脂性薬物
そのため、時間を空けずに油脂性坐剤であるアルピニーのような解熱剤を使用すると、このジアゼパムがアルピニーの油脂に吸収されてしまいます。

つまり、狙い通りの効果が得られないため痙攣を防ぐことが出来ない可能性が出てきます。
ダイアップを使用してから有効血中濃度まで15分~30分はかかると言われるので、アルピニーも使いたい場合には30分以上の間隔をあけることが必要です。

熱性痙攣は、ジアゼパムの有効血中濃度を保つ事で予防できるので、ここがポイントとなります。

また、熱性痙攣が初めてではない方は発熱の初期である37.5~38℃以上で使用する事で予防できます。
このジアゼパムの特徴として1回投与した後に、発熱が続いていれば8時間後に2回目を投与してください。
これにより、持続的な予防効果が生まれます。

しかし、ジアゼパムにもデメリットがあり、頭がぼーっとしてしまったり、ふらつきが起きる事も・・・・。
そのため、転倒などには注意が必要でしょう。

次に多いのは、制吐剤であるドンペリドン(ナウゼリン坐剤)

ナウゼリン坐剤も、上記と同じく水溶性坐薬です。
つまり、使い方としては先に使う方が良く、間隔も30分以上あけてからアセトアミノフェンなどの坐剤がオススメ!!

しかし、先に解熱剤である坐薬を先に使用してしまった・・・・。
このような場合は、どうしたらいいのか・・・・。

まずは、その坐薬の効果が出るまで様子を見ましょう。
効果が出始めていれば、吸収されているため互いに影響することも減るでしょう。

そのため、時間をおいてからであれば、問題なく使用することができます。
しかし、薬によっては、効果が出る時間は異なります。一般的には、1〜2時間以上は空ける方が良いかと思います。

まとめ

今回は、小児で良く使用される坐剤についてでした。

吐き気が酷くて薬が飲めない場合にも良く出されるので、坐薬について知っておくと対応がし易くなりますね。

基本的に、解熱鎮痛剤である坐薬は、脂溶性坐剤が多いので、もし2剤の坐剤が出ていれば解熱鎮痛剤は後で使うと良いでしょう。

使う順番は、水溶性坐剤⇒30分以上の間隔⇒脂溶性坐剤 です。

以上、参考になれば幸いです。

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