はーい。こんにちわー。
元気堂です。
可愛いペットも、年齢を重ねると様々な疾患が出てくるかと思います。その中の1つに僧帽弁閉鎖不全症という疾患があります。中高齢の小型犬に多く発症する傾向があり、日本ではチワワ・キャバリア・キングチャールズ・スパニエル・トイプードル・ポメラニアン・ヨークシャーテリア・ミニチュアダックスフントなどに生じやすい特徴があります。また、メスよりもオスに多いとも言われます。
小型犬で、高齢になると出やすいイメージを持っておくと良いでしょう。飼い主さんで当てはまる方は、心臓の検査などを注意かけるといいかもしれません。
まずは、僧帽弁閉鎖不全症とは、なにか??
人も動物も関係なく、心臓は血液を全身・肺へと送り出すポンプ機能を持っています。つまり、酸素などの栄養を送り出すためには、必要不可欠な器官となります。また、心臓は心房・心室と別れ、左右にも分かれいるため、4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)で構成されています。
血液を送り出す際には、一度溜めてから一気に出すために、ドックンドックンという鼓動を感じます。この時に、ドッという音の時に、心房へと血液が溜められます。
全身から回収された血液(肺を除く、全身から大静脈に集まった血液)は右心房 ⇒ 右心室を通ります。そして、右心室 ⇒ 肺(ここで、全身から回収された血液が新鮮な酸素を取り込む。) ⇒ 左心房 に流れていきます。左心房 ⇒ 左心室を経て大動脈から再度全身へ送られます。
【基本的な流れ】
大静脈(酸素を全身へ配り終えた血液で、代わりに二酸化炭素を含む。) ⇒ 右心房 ⇒ 右心室 ⇒ 肺(ここで、二酸化炭素と酸素を交換をして、酸素を含んだ血液となります。) ⇒ 左心房 ⇒ 左心室 ⇒ 大動脈(全身へ)
■ ここで、疑問に思うのが、僧帽弁は、どこにあるのか??
僧房弁は、左心房と左心室の間にあり、血液の逆流を防いでいます。つまり、閉鎖不全症とは、弁の閉鎖が不完全となり、血液が逆流している事を言います。
特に、ペットで起こりやすいのは、僧房弁粘液腫様変性という心臓病です。進行状況により、僧房弁が分厚く・短く・異形の変化を起こすため、血液の逆流を引き起こします。簡単にいうと、弁というフタが壊れた状態です。(僧帽弁閉鎖不全症の主な原因)
この逆流している状態を放置すると、送り出せないなら、パワーを上げればいいいんだ!! このように、身体が対応するために、心臓が肥大化していきます。しかし、このパワーアップにも限界があります。
限界を超えてしまえば、心機能が破綻をきたし対応が出来ません。すると、左心房に逆流した血液が溜まり始めます。それが、肺へと染みだしてしまうと、呼吸へ影響すると、肺水腫を生じさせます。こうなると、酷い咳発作が起こり、呼吸困難などに発展します。
とはいえ、弁の故障も初めのうちは軽く、初期症状はほとんどありません。あっても、少し疲れやすくなったり、遊ぶ時間が短くなったりする程度です。
ほとんどは、徐々に進行していき、それに伴い以下のような症状が出てきます。
運動・興奮後に、グッタリする・舌が紫(チアノーゼ・酸素不足)・睡眠時間の増加・心臓喘息・咳発作やチアノーゼが続くと失神。
そのため、早期発見・早期予防が大切!!
徐々に進行をするため、早めに気が付いてあげる事が重要です。そのため、定期検診や普段と違う行動をしていれば、早めにかかりつけ獣医病院へ相談が大切です。
食事にも気をつけていくことになります。
基本は、低塩分食となります。理由は、塩分を排泄しにくい体質となるためです。塩分の排泄が滞ると、心臓肥大や静脈うっ血が進み、高血圧にもつながります。これは、人にも言える事なので、分かりやすいかと思います。
東洋医学では、どのような対処するのか??
以下、元気堂ホームページの体験談から抜粋。
■ 僧帽弁閉鎖不全・心臓からくる咳
来局の一年前より僧帽弁閉鎖不全・心不全と診断されました。 心臓からの咳が困っています。西洋薬を服用しているがあんまり改善しませんでした。 食欲はあり、足腰も強く、毛並みも良いです。 西洋薬は利尿薬・犬用慢性心不全改善剤を服用しています。
症状の経過・状況
心臓の働きを助ける漢方薬と利尿効果のある漢方薬を処方。 服用一か月後、咳が段々と減ってきているのが見られたので同じ処方を更に一か月試しました。 咳がほぼ出なくなったが、心肥大・僧帽弁閉鎖不全が無くならない。服用継続により、 経過観察。
■ 僧帽弁閉鎖不全・肺水腫
僧帽弁閉鎖不全と分かり、今までに二回肺水腫を起こしました。 診断を受ける前から時々大きく息をしていたのですが、咳が止まらず倒れることがあった。 西洋薬を服用しているが症状が変わらないので相談。
症状の経過・状況
上記と同じく、心臓の働きを助ける漢方薬と利尿効果のある漢方薬を処方しました。 服用二か月後、咳が良くなっていき尿が良く出るようになった。 肺水腫が良くなって来ているので服用を続けていくそうです。
これら処方による考察。
心臓の肥大・僧帽弁の変形の治療は、時間をかけて変形しているので難しい。しかし、心臓や肺への血液のうっ滞を減らしたことにより、生活の改善が見られました。多くの僧帽弁閉鎖不全を患った場合に、気になるのが肺水腫などでおこる咳発作です。これが、無くなるだけでも、生活の質は向上します。
咳発作が減る事で、食事や水分も摂取しやすくなり、また余分な水分も出ることで身体が軽くなります。心臓も押し出す負担が減るため、心肥大の予防にも良いでしょう。
心臓の働きを助ける漢方薬を入れる事で、その子が持っている通常の力を補います。本当は持っている押し出す作用が低下する事で心肥大へと繋がるため、その働きを助ける事が基本となります。
まとめ
僧帽弁閉鎖不全症の疑いの時から、治療を開始しましょう。それが、西洋薬でも食事でも始める事が大切です。重度の僧帽弁閉鎖不全症となる前に、未病で済ませましょう。
その1つとして、東洋医学があります。特に、漢方薬がオススメです。私の飼っていたポメラニアンも、同じ病気になった経験があります。その時に感じたのが、見ていて辛いという気持ちです。
咳発作・グッタリした姿を見る前に、予防をしてください。漢方薬で、症状がかなり楽になりましたが、病気にならないようにしてあげれば良かったと今でも思います。
以上、参考になれば幸いです。