はーい。こんにちわー。
元気堂です。
今回は、ペット漢方薬の症例についてです。
無菌性結節性脂肪織炎・・・なんだか長い病名で、初めて聞いた方は、何それ??怖い病気なの??
そう不安に思う方もいるでしょう。
どんな病気なのか??また、東洋医学でのアプローチは、どうするのか?を話していきましょう。
無菌性 結節性 脂肪織炎とは?
この病気は、一声言えば皮膚病です。
症状としては、足の付け根・腰にしこりのような結節が出来てしまいます。その結節が、少しずつ膨らみ破裂を繰り返し、どんどん広がって複数の結節が出来る病気です。そして、出来る部位が皮下の脂肪組織で起き、また炎症性となっています。
なんで起こるのか?? まだ、その原因は分かっていません。
そのため、炎症を抑えるためにステロイドや免疫抑制剤で様子見ることが多い疾患でもあります。
東洋医学でのアプローチは?
清熱解毒・消腫潰堅の薬効がある漢方薬を選ぶのが良いでしょう。
また、その子の状態により、気血を補ったり、活血化瘀も考えることがおすすめです。
経験上、ステロイドなどを使用しても症状が治ったり、悪化を繰り返す場合は、清熱解毒剤と気血を補う漢方薬は相性が良いです。
【症例】
ミニチュアダックス ♂ 15才 3.2㎏
病院で、無菌性結節性脂肪織炎と診断。 皮膚は、褥瘡のようになり、破裂を繰り返している。
プレドニンを服用すれば、症状はよくなるが、止めたり減薬で、ぶり返してしまう。
免疫抑制剤も使用したが、副作用が強く出たので、休薬。
薬に頼らない方法を探して来院。
その他の症状に、ゲップ・下血がたまにあり。性格は、少し神経質。
【治療方針】
上記のように、清熱解毒をメインに処方。また、ゲップなどの気逆症状があり。
荊芥連翹湯と金銀花をメインに処方。そこに、温清飲と黄耆建中湯を加えて、補気・補血だけでなく清熱作用・黄耆の衛気作用により皮膚を守るように処方。
【経過】
服用1ヶ月、プレドニンを休薬期間も、症状が出なくなった。そのため、再度同じ処方を30日服用し経過観察。
服用2ヶ月、症状は特になく、安定している。現在は、ステロイドの隔日投与で様子見をしていこうと獣医師との相談。獣医師からも漢方薬は、継続指示あり。
服用3ヶ月、ステロイドを完全に止めても、症状は起こらない。
漢方薬での体質改善が良好と考えられ、その後も同じ処方を継続。
服用4ヶ月、症状安定。1日2回⇒1日1回に変更指示。
服用5ヶ月、ぶり返しもなく問題ないとの事。
まとめ
今回は、無菌性結節性脂肪織炎についてでした。結果的には、漢方の効果が大きく認められた症例でした。
同じ病気でも、状態により選ぶ漢方薬は違うかと思います。
治療に悩んでいる場合は、今回の症例を考慮に入れて貰えると嬉しいです。
以上、参考になれば幸いです。