多くの果実が熟す頃に、果実として大棗(たいそう)という生薬がオススメ!! この果実が身体に与えてくれる効果とは?? 

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

今回は、大棗という生薬について話していきましょう。別名でナツメとも呼ばれ、身近な生薬の一つです。多くの漢方薬にも使われており、その作用も多岐にわたります。

まだ、ナツメや大棗と言われてもイメージが沸かない方もいるかと思います。そのため、まずは、どのような植物かを話していきましょう。

大棗(たいそう)って、どんなもの??

プルーンに似た果実を付ける低い木の落葉樹となります。別名ではナツメと呼ばれ、夏に芽が出る・夏梅・夏の実から由来して名前が付けられた説があります。また、茶道に使われる棗も、これから由来しています。

東洋医学の五行説において五果(桃・すもも・あんず・栗・棗)の一つとしても有名です。また、土に分類され、脾胃の状態を良くする働きがあります。生薬でも、乾燥したドライフルーツのような状態になっている事が多く、それを1日3粒食べれば、歳を取らないと言われています。そのくらい、栄養価が高く、身体を滋養してくれます。

ちなみに、旬である秋つまり今は、生で食べることが出来ます。リンゴのような甘酸っぱさと食感が特徴です。

成分としては、カリウムなどのミネラル類に、葉酸などのビタミンB群、食物繊維、サポニンなどが豊富に含まれております。葉酸の摂取を求められる妊婦にもオススメとなります。

生薬としても優秀な働きがあり、有名な葛根湯にも含まれます。

大棗は、脾胃に対して機能促進作用・他の生薬の味や効能の薬性緩和作用・精神安定作用などがあります。甘草も薬性緩和作用があり、この二つの生薬は、よく漢方薬では配合されていることが多いでしょう。

この中でも、脾胃に対して機能促進作用は、よく生姜と合わせて使われます。これにより、滋養作用と健胃作用を高めています。その他にも、人参・白朮などの生薬で四君子湯だったり、半夏・黄芩 と合わせて胃炎に効果がある半夏瀉心湯などにも使われます。

また、子供の疳の虫・癇癪持ち・ヒステリーなどの情緒の乱れに対して使われる甘麦大棗湯にも配合されます。

このように、大棗は漢方薬には無くてはならない生薬の一つと言って良いでしょう。

大棗を取り入れる4つのオススメポイント!!

① 消化機能の促進作用
消化促進や胃腸の機能の改善を促すので、腹部の膨満感や下痢や便秘にも良いでしょう。また、食物繊維も多いので、腸内環境を良くする善玉菌も増やしてくれます。その上、強い粘性があり、腸の老廃物も外へ排出する手助けもしてくれるのです。

胃腸が元気になることで、身体を温める作用(温煦作用)も高まり、冷えや血流の改善にも良いでしょう。

② 精神安定の作用
気持ちを和らげる。つまり、リラックスさせるために、筋緊張・神経過敏を緩和してくれます。また、先ほどの温める作用とともに、筋肉の弛緩を促します。その他にも、ストレス性の疼痛にも効果が期待されます。

③ 発育・成長促進の作用
大棗に含まれる葉酸は、核酸の働きをサポートしてくれます。そのため、成長や発育に深く関与しており、特に妊婦には必要な栄養素になります。また、鉄とともに赤血球を造る造血用により、貧血予防にも働きます。

④ 水分の調節作用
大棗に含まれるカリウムが、余分な水分を排出したり、体内のナトリウム濃度を調節します。これにより、浮腫や高血圧予防の効果が発揮されます。

大棗を食材として、使ってみよう!!

そのまま食べるのが苦手だったり、味が好まない方もいるかと思います。その際には、大棗を使った薬膳も良いでしょう。代表的なものが、参鶏湯(サムゲタン)でしょう。

しかし、少し手が込んでおり、初心者には敷居が高く感じませんか?? 個人的には、めんどくさい・・・・。

このような気持ちになってしまいます。

しかし、もっと簡単なものがあります。それは、煮物です!! 実は、タッチムという韓国の薬膳がこれに当たります。煮物に使う人参・タマネギ・椎茸などに季節の食材であるタケノコや大根などを鶏肉と共に煮ます。

これで、もうほぼ完成です。最後に、火が通ったのを確認した後に、大棗を8個~12個(4人分~5人分)入れましょう。大棗は、果実のため火の通りもよく煮崩れしやすいので、最後に入れる事が注意点です。

どうでしょうか?? 薬膳といっても、簡単だと思いませんか?? 普段、食材に加えるだけで、栄養価も高くなるので、試してもらえたら幸いです。

それでも、無理だー――!! このような方は以下のようなサプリメントから始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、今が旬の大棗についてでした。 かなり身近な生薬であり、薬膳としても取りやすいでしょう。また、ドライフルールとして1日3個食べる事で、アンチエイジングにも!!

雑談になりますが、もしナツメの木を見つけたら、その葉を採取しておくと面白い実験ができるでしょう。

ナツメの葉には、甘味だけを感じさせない成分があるのです。この葉をガムのように1~2分程度、良く噛んでもらってから、砂糖などの甘味が感じなくなります。なお、葉は吐き出してください。

この作用は、ナツメの葉に含まれるジジフィンという成分が舌にある味蕾の甘味受容体をブロックするからです。これにより、甘味をブロックしてしまい、お菓子などの美味しさを台無しにします。しかし、すぐに甘い物が食べたくなったり、ダイエット中の方にはオススメです。

甘味がなくなるだけで、食欲減退させる作用は十分に働きます。

以上、参考になれば幸いです。

漢方専門薬局元気堂(各種生薬、健康食品の通信販売、漢方無料個別相談) (kanpo.co.jp)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA