はーい。こんにちわー。
元気堂です。
今回は、ドイツから変形性関節症に対して、朗報が届きました。
なんと、自分自身の脂肪を吸引した物を、痛みのある関節部位に注入する治療【自家脂肪注入】で、手の機能の改善・痛みの緩和が持続的に得られたのというのです。
関節が痛み始める年頃には、ラブ注入よりも脂肪の注入の方が、生活には欠かせなくなるかもしれません。
基本的に、変形性関節症とは、どのような状態を指すのでしょう。
まずは、初めに変形を起こす前に、軟骨や滑液が減る事が原因となります。ジワジワとすり減ることで、骨と骨の間の潤滑油がなくなり、痛みや変形を起こしていきます。そのため、加齢とともに発症する方が増えていきます。
また、各部位で起こる事により、変形性膝関節炎など名前が変わっていきます。
自家脂肪注入とは、どんな治療法なのか??
名前の通り、自分の脂肪を注入するのは分かるかと思います。脂肪が付きやすい大腿部・臀部(太もも・おしり)から脂肪を採取します。これを遠心分離機で水分・油分・血液を除くと、純度が高い脂肪が得られます。
この脂肪の中の脂肪を、痛みや炎症にある関節へ注入するというシンプルな治療法なのです。
本当に、機械に潤滑油を使うような方法となります。しかし、この治療法には、大きなメリットがあるのです。
そのメリットとは、メスなどで切開をしないので、縫合が必要なく、感染リスクも少ない事です。免疫力が下がっているお年寄りも優しい治療法となります。また、入院をする事になれば、筋力の低下も著しく進む事も予防できるでしょう。
自家脂肪注入は先ほどもお伝えしましたが、縫合が不要のため、患部に絆創膏を貼り、スプリント(治癒過程で、変形を予防し、安静を保持するために用いる装具)で1週間固定しておくだけだというのです。
固定から1週間後に、スプリントを外せる状態か確認します。2〜3週間は安静にしつつ、注意しながら指を使い簡単なリハビリをします。4週間経過くらいには、治療した指を通常通り動かせるようになる結果が得られたそうです。
また、治療から3〜4年が経過した後も、疼痛スコアが大幅に低下していた!!つまり、痛みがあまり出なかったという結果もあり、予後も良いそうです。しかし、その反応にもバラツキがあるそうです。
治療後、1週間で効果が現れた患者もいたが、2~3カ月間は全く変化がなかったが、後に改善し始めた患者もいたそうです。また、全く改善しなかった患者も・・・。
結論から、単純に、脂肪が関節の潤滑油として働いている可能性が高いそうです。また、脂肪組織に含まれる幹細胞の働きで、すり減った軟骨の修復や関節内の炎症の抑制が促される可能性も考えられるとの事。
東洋医学でも、加齢により潤いの低下が・・・。
加齢により、足腰・関節が痛むことは知られています。その中でも、腎虚があり特に腎の陰虚が関節には、影響しているかもしれません。
陰虚とは、津液・血が体内から減ってしまい、炎症や潤いの低下を起こします。冷やしたり、潤す作用があるのが陰であり、これが少なくなると、その逆の陽が強く出るために炎症が起こります。
秋冬に火事が起こりやすいのも似た現象でしょう。春夏は木々が葉っぱも枝も潤いがありますが、秋冬は乾燥しているので、燃えやすい事が分かるかと思います。
関節も似ていて、潤滑油となる血・津液などがないと、炎症が起こしやすくなります。そのため、炎症・痛みを抑えようと身体が働きかけます。そうすると、ドンドン冷やしたり、炎症したりを繰り返す事で、周りに筋肉や腱も固くなり変形を引き起こします。
まずは、潤滑油となる漢方薬で予防しよう。
■ 六味地黄丸 (知柏地黄丸)
おすすめなのが、六味地黄丸となります。老化防止の漢方薬の一つとなります。腎陰虚があれば、まずはこれ!!それくらい基本となります。
陰を補うために、潤滑油としての役割を果たしてくれます。しかし、すでに炎症が起きている場合には、炎症を抑えつつ、陰を補う知柏地黄丸も良いでしょう。六味地黄丸に、知母・黄柏という清熱作用(炎症を抑える)の生薬が加わっている処方です。
まとめ
新しい治療法が、どんどん見つけられています。将来的に当たり前になると、もっと健康的な生活が身近になるかもしれません。
しかし、まずは病気になる前の予防が第一です。1番身近な治療法は、食事のバランス・十分な睡眠時間・適度な運動です。
この当たり前の事をするのが、予防にも繋がるので、まずは一つでも良いので改善していきましょう。特に、食事は身体を動かすための原料です。ここから気・血・津液という東洋医学の基本が作られるので、乱れがちな方は見直すと良いでしょう。
以上、参考になれば幸いです。
参考文献:「Plastic and Reconstructive Surgery」5月号に発表