五月病は、肝が重要!? 東洋医学による肝の概念を知ることで、ストレス対策をしよう!!

はーい。こんにちわー。

元気堂です。

春は、肝の季節であり弱り易い・・・。
そのため、ここを養生することが大切であると言われます。この肝を養生するには、ストレスなく伸び伸びする事や酸味がアル食べ物や青菜・香りのあるセリ・三つ葉などを食べる事も必要でしょう。

しかし、いくら予防していても体調を崩す事はありますね。
では、この肝(表裏である胆も含む)で生じうる症状も知っておくと良いでしょう。

肝・胆の失調により現れる症状として大きく、8つに分類されます。

① 肝気鬱結

肝の疏泄作用が低下した状態です。疏泄!?馴染みのない言葉ですが、題名の字をみてください。

肝の気が鬱結した状態つまり、肝の気滞があり、全身の気の流れが落ちている状態です。東洋医学は、そのままのイメージで表すことが多いです。分からないときは、そこから意味を組みとると良いでしょう。

この肝気鬱結が起こると、どのような症状がでるのでしょうか??

イライラ・悶々とした状態、ため息をつきやすい、胸脇部や喉につまった感じがある、反発心・感情を抑制できない状態。経絡上に沿った張りや痛み。月経前に症状が悪化、月経不順、乳房や子宮の張るような痛み。

症状も、気が停滞した症状が多いです。そこに、肝の失調で起こる【怒り】の症状が加わっています。

そして、この疏泄不良は、2次的な症状を起こさせます。

■ 肝脾不和

脾の運行作用が2次的に低下した状態。
便秘と下痢を繰り返す、ストレス性の腹痛・下痢、腹部に張った痛み・不快感、おならが溜まる、食欲不振などの症状が加えて起こります。

■ 肝気犯胃

胃の働きが2次的に阻害された状態。
胃のあたりの不快感、げっぷ、嘔吐、悪心などで症状が加えて起こります。

■ 肝気犯肺

肺の機能(宣発・粛降)が2次的に阻害された症状。
呼吸しにくい、喘鳴、ストレス発作、重度だと呼吸困難などの症状が加えて起こります。

■ 気滞痰凝

痰(津液の機能の低下)が生成され、痰と気が交じり合った梅核気を生じる。梅核気とは、喉に梅が詰まったように息苦しさ・つかえを感じる症状を加えて起こします。

② 肝火上炎

先ほどの肝気鬱結が長期化したことで、熱の症状を帯びた状態。そのため、症状はイライラが増し暴発的な怒り、激しい頭痛・扁桃痛、耳鳴り、難聴、口苦、じっとできない、小便が濃い、便秘、口渇などの症状が出てきます。

③ 肝血虚

肝の血が不足した状態。

肝は、目に関与するために、目の疲れ・渇き、目のカスミ、視力の低下。または、筋肉にも影響する特徴をもち、こむら返りを起こします。ほかには、耳鳴り(低温のセミのような声)などの症状が特徴です。

主に、目と筋肉の症状がでる特徴です。

④ 肝陰虚

肝の陰液つまり冷やす作用や潤す作用が低下するために、熱の症状(虚熱)が起きた状態。

肝血虚の症状に加えて、不眠、手足のほてり、寝汗などの症状が出てきます。

⑤ 肝陽上亢

肝陰虚(肝腎陰虚)になり、肝の陽気(温める力)が制御できない状態。または、肝火上炎が長引いて、陰液が消耗した状態。

肝火上炎と肝陰虚の症状が混じった状態です。

⑥ 肝風内動

筋肉び痙攣・振るえ、動揺などの症状をともなうもの。肝には、それを3っつに分類します。

■肝陽化風

肝陽上亢から、肝風内動がでた症状。

■熱極生風

肝火上炎から、肝風内動がでた症状。

■血虚生風

肝血虚あるいは、肝陰虚から、肝風内動がでた症状。

⑦ 寒滞肝脈

肝の経絡に、寒さが侵入し、それが停滞した状態。

肝・胆の経絡上に痛みや張り(胸脇部・横腹・鼠径部・陰部)。それに、加え冷えの症状である手足の冷え、多尿、尿が薄いなどが現れる。

⑧ 肝胆湿熱

肝胆の経絡に、湿熱が現れる状態。

肝・胆の経絡上にジクジクした発疹や痒み(胸脇部・横腹・鼠径部・陰部)。それに加え、肝気鬱結の症状と熱の症状が合わさる状態。

最も注意したいのが、肝気鬱結!!

この肝の病において、基本的に1番始めに症状がでやすいので、この段階での対処が大事かと思います。

肝を滋養するには、春の旬食材・酸味があるものが良いと言われます。また、香りがいいのもは、リラックス効果があるので、ハーブのような物もオススメです。

身近で、オススメな食材なのが、三つ葉です。お吸い物・茶碗蒸しで食べるかと思います。意外と栄養が豊富であり、ビタミンA・Cに優れ、カルシウムや鉄などのミネラルも含まれます。また、セリ科に属し、香りも良い食材です。

香味成分には、肝機能を良くし抗炎症作用があったり、整調作用や鎮静作用・消化促進にも働きます。そのため、高ぶった感情を鎮めてくれます。

アロマテラピーが精神疾患に効果がある事は、ご存じでしょうか??

睡眠障害には、ラベンダーの香りが良かったり、薔薇の匂いは、うつに予防に良いと言われます。

要は、それと同じです。シソも、生薬ではストレスを流すのにも使われます。香りというのは、気持ちをリラックスさせます。これは、化学的にも経験医学的にも有名となっています。

香りにより、パニックを予防する事が出来るとも言います。自分がイライラし易かったり、不安が強くなる方は、好きな香りを常備するのも良いでしょう。また、お風呂に精油を少し垂らすことで、リラックス効果を高めます。

しかし、すでにそれではリラックス出来ないのであれば、漢方薬の服用がオススメです。

特に使いやすいのが、加味逍遥散ですね。

この漢方薬は、どちらもイライラを鎮めたり、ストレスを流すなどの自律神経を整える作用があります。
つまり、肝の働きで大切な疏泄作用を促します。

加味逍遥散といえば、更年期障害など婦人科疾患の漢方薬のイメージがあるかもしれません。
しかし、肝の疏泄作用を改善したり、イライラなどの熱を鎮めるので男女関係なく使えます。

構成生薬:柴胡・白朮・薄荷・当帰・牡丹皮・白芍・茯苓・甘草・生姜・山梔子

柴胡・白芍のペアは、疏肝解鬱を高めます。肝の疏泄作用を働き、気のうっ滞を治療する意味です。また、白芍と当帰は、補血作用により血液や栄養を補います。生姜・白朮・茯苓・甘草は、脾胃の機能を高めたり、水分代謝も良くします。

薄荷も疏肝解鬱に効果があり、その香りでもストレスを流してくれます。牡丹皮は、血の巡りを良くし、山梔子は熱を取ってくれます。

加味逍遥散は、このような生薬が組み合った漢方薬です。

主に、精神が不安定で、イライラがあり、性格はせっかちな人が多い。寝付きが悪く、眠る前に色々考えてしまう。血の巡りや過度の緊張で、首肩が張った痛みを伴い、頭痛も出る事がある。ストレス性の耳鳴りや神経性の胃炎・乳腺炎などに使用されます。

まとめ

五月病などの気の病には、肝が大きく寄与しています。
病院へ罹るほど出ない方も、早めに症状を知る事で対処していきましょう。

このストレスを放置すると、塵も積もれば山となるように、いつか許容範囲を超えてしまうことも・・・。
そのような状態になる前に知識を持ち、対応してもらえたら幸いです。

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