
はーい。こんにちわー。
元気堂です。
筋痛症の主な症状は、強い痛み・・・。
これだけで、辛い疾患の1つかと思います。その痛みは全身であったり、身体の一部であったりと流動的に痛みが変わる事も特徴です。
痛み以外にも、疲労感・倦怠感・こわばり感・睡眠障害・うつ状態など人により症状が様々と言えましょう。
原因不明の慢性疾患であり、リウマチ性疾患に分類されます。
しかし、関節リウマチのような自己免疫の異常・炎症は見られません。
機能的な働きに異常を感じる事があったり、慢性的な痛みにより、日常生活に支障をきたすことが特徴です。
原因は不明ですが有力な説として、痛みの信号を感じとる脳の機能に障害が起きていると考えられています。
脳には痛みに対して、痛みの信号を伝える機能・痛みの信号を抑える機能があります。
この機能が何らかの原因で障害を生じるために、痛みを過度に伝えたり、抑えられなかったりするので、強い痛みを感じてしまうと考えられています。
筋痛症は小児や高齢者にも発症しますが、成人の女性に多い特徴もあります。
■ 東洋医学的に筋痛症を考えてみよう。
まず、様々な症状がある上でも、筋肉に痛みを感じるので、東洋医学での【肝】への負担が大きい可能性があります。
【肝】は、血液の貯蔵庫であり眼・筋を滋養する役割があります。
また、ストレスに弱かったり自律神経失調症にも大きく関与しています。
【肝】に負担を感じると、筋へのエネルギーが低下するので、こむら返り・手足の痺れ・筋力の低下・こわばり・手の震えなどが起こりやすくなります。
筋痛症の症状として、筋症状以外にもうつ症状・睡眠障害などの自律神経失調症のような症状を伴う事もあります。
【肝】が弱ると、ため息・イライラ・抑うつ感・動悸・不眠なども併発するので、筋痛症のアプローチとしては【肝】を滋養する必要性が考えられるでしょう。
この【肝】が弱る事で、肝気鬱結・肝火上炎・肝風内動・肝脾不和症などへ移行するために、人により様々な症状が加わっていくことも想像出来ますね。
【肝】の最も重要な働きとして、全身の気の巡りを良くする疏泄作用があります。
この作用が邪魔されることで、肝気鬱結証や気滞証という情緒の乱れ・自律神経の乱れなどの症状が生じます。
例えば、肝脾不和症について考えてみましょう。
脾には、飲食物を消化吸収する運化作用があります。
この運化作用により吸収された飲食物は、肝に送られ疏泄作用の根源になります。
実は、運化作用も肝の疏泄作用でコントロールされているので、お互いに持ちつ持たれつの関係となっています。
これらの事から、脾の運化作用が悪くなれば肝の症状が生じ、肝の疏泄作用が悪くなれば脾の症状も起こりえます。
そして、肝脾不和証とは、肝の疏泄作用の失調が脾の運化作用に影響を与えている症状となります。
治療としては、肝の気の巡りを改善する事が基本かつ脾の運化作用も整える必要があります。
また、肝脾不和証だけでなく肝気犯胃証にも注意しましょう。
肝脾不和証と似ている証ですが、肝の疏泄作用の失調が胃の働きを邪魔している症状です。
どちらも、まずは肝の疏泄作用の改善が必要なため、気の巡りを良くする逍遙散・半夏厚朴湯・柴胡桂枝湯などがオススメです。
特に、柴胡は、気の巡りを良くする基本的な生薬なためよく使われます。
気を遣いやすい国民性の日本人には、昔から使われている生薬でしょう。
■ 東洋医学でいう【肝】を滋養する方法とは。
基本的には日々の生活が乱れていないかをチェックしましょう。
それでも、特に原因が見つからない場合には、上記でも軽く触れた漢方薬がオススメですね。
まずは、【肝】に対しての基本処方である逍遙散を知っておくと良いでしょう。
・ 逍遙散
逍遥散は、肝血を補い、疏泄作用を整える働きがあります。
そのため、肝を滋養する基本の漢方薬となります。
ここが乱れが強くなると、イライラなどの炎症が起こるので、怒り・躁鬱などの感情の乱れだったり、手の震え・交感神経の過剰な働きで起こるような不眠症に繋がります。
その場合には、加味逍遥散・抑肝散などの漢方薬へ変わっていきます。
第一に【肝】への滋養を考えるのであれば、逍遙散が使いやすいでしょう。
【肝】が弱ってくる生じる症状として、まずはため息が多くなったり、ノドの異物感(風邪でない)が生じます。
そこを放置していると交感神経が亢進していて、耳鳴り・不眠症・首肩こり・ため息ばかりつくなどの症状が現れやすくなりまするので、当てはまる方は注意が必要でしょう。
■ まとめ
今回は筋痛症(線維筋痛症)に対しての東洋医学的なアプローチを考えみました。
筋痛症は、原因不明なことが多いので、未病に対してアプローチをする東洋医学で改善をしてみてはいかがでしょうか。
1つの原因として【肝】の働きの乱れから生じるので、まずは身体を滋養する事が大切です。
漢方薬以外にも、【肝】を滋養するには【酸味】×【青い食材】がオススメです。
青の食材というのは、ほうれん草などの青菜類、枝豆、海藻、ブルーベリーなどであり現代でいう緑の食材が含まれますね。
これに、酸味を加えていくと良いでしょう。
以上、参考になれば幸いです。