
はーい。こんにちわー。
元気堂です。
夏から秋へと季節が変わってくると、罹患する風邪の種類も変化していきます。
例えば、夏に多い手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱などの感染リスクは減っていき、マイコプラズマ肺炎・RSウイルス感染病などが増えていきます。
マイコプラズマ肺炎は、細菌感染による呼吸器感染症です。
ウイルスとの違いは、人がいなくても栄養があれば生存できる点でしょう。ウイルスは、人に感染し生存しています。
細菌の中でも特徴的なのが、細胞壁という壁を持たない事です。そのため、細胞壁を介した抗生剤(ペニシリン・セイフェム系など)の抗生剤は効果がありません。他の抗生剤が使用されます。
この細菌は、人か人へ感染するので飛沫感染という経路となります。また、感染からの潜伏期間が人によりまばらのため、いつ感染したか分からない事が多い感染症となります。
症状は、一般的な風邪症状のために、様子見ることが多く遅れて発見される事が多いでしょう。そのため、早期発見が大切です。医療機関では、検査できるので怪しいと思ったら病院へかかりましょう。
一番の予防法は、マスクやうがいを徹底する事でしょう。コロナ禍の生活を継続することが、他の病気に対しての予防法となります。
RSウイルスは、ウイルス感染症の1つで、多くは2歳までに発症する病気です。
しかし、肺炎や気管支炎に悪化する恐れがあるウイルスなので、気をつけなければなりません。子供の時にかかり、だんだんと免疫を経て軽症化していきますが、最近ではお年寄りも発症しやすい事が分かっています。
そのため、子供やお年寄りなどの免疫力が低い方や既往歴がある方は、注意が必要です。
それなら、RSウイルスのワクチンで予防すればいいのでは??
そう思いませんか?
それが、このウイルスのワクチンはありません。そして、特効薬もありません。
多くは、熱が酷いのであれば、解熱剤などの対症療法と呼ばれる処置を行います。つまり、自分自身の免疫で治す他にないという事です。
このように、呼吸器系の疾患が増えるのが秋となります。
■ 東洋医学において秋に負担がかかるのが、肺!!
肺は、乾燥するのを嫌う性質なために、肺への影響が高まります。
その理由の1つに、夏で消耗した陰液などが関与します。陰液とは、体液や粘膜など身体を潤す作用を指します。
そのため、夏に身体の消耗を激しくした場合には、特に呼吸器系の疾患への罹患は注意が必要です。
体内への侵入を防ぐ粘液という防壁がないと、容易に侵入してきます。
■ 予防するなら、潤す事が大切!!
東洋医学では、陰陽の考えがあり陰が不足すると、反対に熱に属する陽が強くなります。
これにより、炎症が生じるので予防策には、陰を補う事が必要です。
秋冬などの食べ物は、滋養強壮。陰を補う食材が多いので、旬食材を食べる事がオススメですね。
また、喘息においてはストレスにより、自律神経の乱れも原因になるのでリラックスする事も必要でしょう。
なかなか食生活の改善が難しい方には、以下の漢方薬が補陰剤としてのファーストチョイスでしょう。
■ 麦門冬湯
空咳など、乾いた咳症状または、痰が絡んだ咳に使用します。高熱などの風邪の後に、痰が絡んで治りきらない場合は、粘膜という陰不足が原因でもあるので、麦門冬湯を飲みましょう。
また、声を使う仕事の方は、常に服用すると喉の保護にも最適化と思います。この漢方薬は、喉の粘膜を増やして保護する作用があるので、ちょっとした刺激による咳予防にもオススメですね。
麦門冬を主薬として、人参・甘草・大棗・粳米で乾燥を潤し、滋養強壮させます。
そのため、気道や胃が潤い、消化吸収の機能を高めます。そうすることで、肺胃陰虚の症を改善します。また、大量の滋潤薬で潤いすぎないように、半夏が配合されています。また、半夏は鎮咳作用があるので、空咳・痰が絡む咳も抑制してくれます。
咳止めなどの病院の薬が不足しているので、風邪になる前の予防にも良いでしょう。
■ 既に、風邪が身体に侵入しているなら、麻杏甘石湯
オススメなのが麻杏甘石湯!!
夜間の咳発作・咳が酷くて嘔吐・・・。
このような咳が酷い幼児~大人にかけて、この麻杏甘石湯が意外とオススメです。
生薬は非常に単純で4つで構成されています。
■ 石膏
石膏は、鉱物でありデッサンなどで使う道具でもあります。
主成分は含水硫酸カルシウムで、熱を下げたり、口渇・イライラ・ほてりを抑えるなど熱を抑制してくれます。
■ 杏仁
これも身近な生薬で杏仁豆腐で使われている杏の種の中にある仁という部分を使います。
有効成分は、アミグダリンで身体に対して陰を補う(潤いを与える)効果があります。そのため、乾いた咳・喉にこびりつく痰の改善に用いられます。
■ 麻黄
麻黄は、風邪薬の代表的な生薬で、葛根湯にも使われています。
主成分はエフェドリンで神経興奮作用・気管支拡張作用・抗炎症作用・発汗作用などがあり、喉が腫れて高熱が出る・呼吸しにくい際にも使われます。
■ 甘草
多くの漢方で使われる生薬を調和したり、清熱作用を有します。
主な有効成分は、グリチルリチンで、ステロイド様作用・抗炎症作用などがあるといわれています。
基本的には、この麻杏甘石湯は体力がある程度ある方や小児に使われます。
注意点は、麻黄は昇圧作用があるので、高血圧傾向は気をつけましょう。
■ まとめ
一番は、予防医学である未病を保つ事です。そのため、コロナ禍で培った予防を継続しましょう。
また、夏の風邪は、咽頭炎などが多く、そこで粘膜に必要な陰液を不足している事も。
例えば、空咳・痰が絡む咳などです。
そのような場合には、風邪薬といっても粘膜を潤すような麦門冬湯を使用すると良いでしょう。
もし、それでも症状が取れない場合は、相談してもらえたら嬉しいです。
以上、参考になれば幸いです。