はーい。こんにちわー。
元気堂です。
冷たい空気・風を感じる季節となり、悪寒や全身の冷えも感じ始める頃でしょう。
特に、女性は月経などのホルモンバランスの乱れにより、血流障害・浮腫なども生じやすく冷えやすい方が男性よりも多い傾向です。
血流が悪ければ、温かい血液が末端で冷えてしまったり、重力により下肢の浮腫になりやすい・・・。
これにより余分な水分が冷える事でも、四肢末端は冷えやすくなります。
そのため、11月頃からは、特に下肢から寒さには注意すべき季節となります。
下肢の冷えにより、身体が冷えるだけでなく胃腸・子宮にも影響を及ぼすため、月経不順や不妊の原因にもなります。
何故、下半身の冷えが腹部に影響を及ぼすのでしょうか??
それは、血液循環が関係しています。心臓から温かく栄養を含んだ血液が動脈で運ばれます。そして、末端から心臓へ還るときは、静脈を通ります。
この時に、末端が冷えている事で返ってくる際に血液を冷えます。
つまり、この道筋にある臓器は寒さによる影響が出てくるのは想像しやすいでしょう。
特に、良く耳にする症状が、胃腸症状・月経不順などの婦人病になります。
東洋医学では、今回の寒さ・冷えが起こす症状とは??
東洋医学では、血寒証という症状になります。
この血寒証とは、血の寒さという病邪が入り込むことで悪さをします。
特徴としては、とにかく冷える・・・。そのため、温めると症状が和らぐという性質を持ちます。
反対に、温める症状の緩和・改善が見られる事でしょう。
寒さが引き起こす症状は、激しい痛み・固定した部分に痛み・痛みが起こっている部分のい皮膚温が低い・顔色が白い・胃腸が冷えれば下痢・嘔吐・お腹がしぶる痛み・尿量が多く透明・月経不順・鼻水が透明で垂れるなど様々な症状をもたらします。
このような症状に当てはまる方は、まずは防寒対策をしっかりしましょう。
それでも、症状が取れない方は東洋医学の出番となります。
【症例】 慢性の下痢
基本的に、下痢を抑える漢方薬の代表は、参苓白朮散・啓脾湯・人参湯・大建中湯などが多くの存在します。
多くの場合は、身体を温める作用である温煦作用の低下を疑い、補気薬をチョイスします。
しかし、稀にこれを服用しても改善されない方がいます。
私の経験でも、数は少ないですが補気薬の効果が芳しくない事がありました。その時に、過去に参加した勉強会の話を思い出しました。
生理不順が酷く、生理痛も強い症状の患者さんの話でした。この時に服用したのが、芎帰調血飲第一加減や温経湯などの漢方薬です。
下肢の冷えにも効果があり、また婦人科疾患にも対応した生薬構成で、服用する事で改善に至ったと話です。
この話には余談があり、その女性は不感症だったという話でした。下肢の冷えが、感覚を鈍らせていたために、そのような症状もあったそうです。しかし、その漢方薬で改善したときから不感症も治ったというのです。
この話から、いかに下半身の冷えが腹部に影響しているかを考えさせるものでした。
そのため、補気薬でも効果が微妙なので、温経湯をメインに漢方薬を進めることにしました。
すると、毎日の下痢症状が服用3日程度で、ほとんど治まっていきました。その後14日経つ頃には、下痢の症状は、まったく無くなり、慢性の下痢症だったのが改善へと至る結果になりました。
ちなみに、この患者様は男性の方です。婦人科疾患でよく使う漢方薬である温経湯ですが、生薬構成から見ると、関係なく使用できるので、もし、似たような症状があれば、試して欲しい漢方薬の一つです。
温経湯の内容をより詳しく知りたい!!
温経湯の効能とは、温経散寒・補血調血・活血化瘀・益気和胃となります。
つまり、身体に元気・血液を与えることで、身体の機能を調節します。
また、それだけでなく、活血化瘀という作用により血の滞りを改善し、血の巡りを良くします。
さらに、寒さを散らす作用があるので、身体を温めたり代謝も上げてくれる作用も含まれます。
意外と知られていませんが、身体の冷え・低体温・低血圧・下肢の浮腫・婦人科疾患がある女性のダイエットにも用いられます。
身体を温めるので代謝が上がるだけでなく、身体の中を運行する機能も高めるので間接的にも浮腫の改善作用も!!
これらにより、健康的に身体の余分なものを排出するので、ダイエット効果も期待できるのです。
温経湯を是非とも試して貰いたいのは、下半身の寒さ・血の巡り・血液が不足している方です。
どうでしょうか!?
多くの女性が当てはまりそうですね。
臨床応用では、不正出血・月経不順・更年期障害などの婦人病以外にも、皮膚炎・手掌角化症・自律神経の乱れにも使用します。
若い女性は、過度なダイエット・寒い季節でも生足を出すファッションなどに陥る傾向があります。
もし、普段から冷えなどで体調を崩しているのであれば、もしかしたら食べないことでエネルギー不足・寒さという外敵要因による可能性もあるので、ご注意を。
温経湯は、不妊治療にも良い!!
身体を滋養するために、もちろん子宮の状態を良くします。
そのため、ホルモンバランスの乱れなどにも良いでしょう。
しかし、懐妊したら活血化瘀作用があるので、当帰芍薬散にチェンジしましょう。
当帰芍薬散は、つわり予防・安胎薬としても用いられます。
また、葉酸も含まれるので妊婦にはお勧めですね。
漢方薬だけでなく、食事も工夫すると尚良いでしょう。
補腎・補血作用のある食材がおすすめ。
補腎作用(胎児の成長・老化予防・性欲向上など)としては、豆類・ヤマイモ・銀杏・牡蠣・海藻類などが良い。
補血作用としては、レバー・クコの実・肉類・うなぎ・ホウレンソウなどが良いとされます。
まとめ
今回は、下半身から起こる冷えに対応する漢方薬についてでした。
思い当たる方がいれば、温経湯を試してみてはいかがでしょうか?? 寒い時期に、身体をサポートしてくれる漢方薬です。
不妊治療として服用している人は、懐妊後は休薬しましょう。
その他にも、入浴・マッサージも取り入れ四肢の冷えを防ぐことも重要です。
これからは寒い時期が始まったばかりです。
しっかりと準備して乗り切りましょう!!
以上、参考になれば幸いです。