はーい。こんにちわー。
元気堂です。
尿酸値と言えば、高いほど身体には良くないのが一般常識かと思います。
尿酸値が高いと痛風を発症しやすくなる他に、脳血管障害・高血圧・脳卒中・慢性の腎臓病のリスクにも・・・。
尿酸が高くなる原因には、飲食物だけでなく、精神的なストレスも大きく影響します。
精神的な緊張状態が続くと、エネルギー消費が多くなります。そのために、尿酸が過剰に生成されます。そうなると、血液中に尿酸が高濃度になります。これが、高尿酸血症です。
その他にも、ストレスによってホルモンの分泌が変化するために、尿酸の排泄が低下する傾向があります。つまり、ストレスは尿酸を増やすし、排泄も低下させる厄介者となります。
春は、痛風注意報!? 高尿酸血症の方は、気をつけよう。 – 元気堂 漢方薬 (pet-kanpo.com)
このように、日頃からの飲食物やストレスでも溜めやすく排泄が落ちたりするため、高くなるイメージの方が多いでしょう。
しかし、今回は尿酸値が基準範囲内であっても低い値の場合は、腎機能が急速に低下するリスクが高いという報告があります。
ただし、高齢者には、このような影響はないようです。
何故、このような研究を行ったのか??
実は、尿酸には強い抗酸化作用があります。抗酸化作用といえば、活性酸素を打ち消す存在として知られています。
そのため、過剰な活性酸素による細胞傷害・ガン・心血管疾患・生活習慣病など様々な病気の予防する事でも知られています。
つまり、抗酸化作用の強い尿酸は、過剰でも不足していても腎機能の低下リスクになるのかもしれない・・・。これを確認する研究です。
その結果が・・・
若年~中年の成人において、尿酸値が低いと腎機能の急速な低下リスクに関連が明らかに・・・。
抗酸化作用で有名な成分がビタミンCでしょう。
尿酸は、そんなビタミンCよりも抗酸化作用が強いことが分かっています。そのため、尿酸が少ない事で体内の酸化ストレスを緩和できていない事から、身体への影響が出ていると考えられています。
つまり、尿酸は少なくても多すぎてもいけない事が分かっています。また、基準値内でも低いと腎機能の低下になる可能性があるので、その場合には尿酸となる飲食物を取るようにしましょう。
今回の研究では、高齢者は例外という結果でした。
その理由としては、酸化ストレスが少ない事が考えられています。
活動性が高い若年~中年期には、高齢者よりも酸化ストレスに晒されやすく、それを抑えるためには尿酸の需要が高まります。それに対して、高齢者は酸化ストレスも少ないので尿酸値も低くても良いのではないかと考えられています。
尿酸というのは、一説によるとビタミンCの代わりとも言われています。人間は、ビタミンCを作り出す事ができないからです。
マウスなどの哺乳類は、ビタミンCを体内で作り出せるために、尿酸をさらに単純な構造にして排泄する酵素を持ちます。ビタミンCの抗酸化作用があるために尿酸が必要ないと考えられています。
そのため、人間は尿酸として活用するために、血液中に保持したり過剰になれば、そのまま排泄するようになったとも言われます。これにより、他の哺乳類のような尿酸を代謝する酵素を失ったと考えられています。
尿酸値の低さは、パーキンソン病にも・・・
実は、パーキンソン病患者の病変部位である中脳黒質では、組織中の尿酸濃度が低くなっていることを明らかになっています。
つまり、中脳黒質での酸化ストレスが強いとも見れますね。
また、パーキンソン病患者の血清尿酸値は健常者と比べて低いことも分かっています。
その他にも、血清尿酸値の低下により、神経変性疾患として筋萎縮性側索硬化症 (ALS) ・ハンチントン病のリスクも報告されています。
完全にはまだ判明には至っていませんが、尿酸の影響はあると見られています。
あくまで、今の段階では尿酸の抗酸化作用は発症の予防と考えられているため、尿酸値のコントロールは大切でしょう。
何事も適度が一番良いという事でしょう。
まとめ
今回は、改めて尿酸について最近の研究などを踏まえ話してみました。
尿酸は高いと良くない・・・。そんなイメージが少しはなくなったのではないでしょうか。
反対に、少し低い方は注意した方がいいかもしれませんね。
尿酸となりやすいレバーなどを食べるようにするといいでしょう。
東洋医学でも、パーキンソン病・腎機能の低下・ハンチントン病などは肝・腎の影響が考えられます。
代謝・排泄に関わるほかに、老化予防・筋肉疾患などにも影響があり、パーキンソン病に使われる抑肝散などが代表的でしょう。
以上、参考になれば幸いです。
参考文献:「Clinical and Experimental Nephrology」に2月11日掲載