はーい。こんにちわー。
元気堂です。
産前産後のうつ病は、よく聞いた事はありませんか?? そこから育児ノイローゼで悩んでいる方もいるでしょう。多くのケースは、女性が発症しますが男性も勿論ひきおこす可能性があります。
女性が多い理由としては、身体的変化や生活習慣が大きく変わるので、そのストレスがトリガーとなります。男性も最近では育児に参加する事が増えており、その傾向が増加しています。
このような傾向が増えているのを聞くと、世の男性は、女性に頭が上がらないでしょう。家事をする男性も増えていますが、女性の方が負担している方がまだまだ多いかと思います。また、妊娠の経験でも、子供への意識が違います。
子供がお腹にいる時から、女性は母となりますが、男性は赤ちゃんが産まれてから父になる事が多いでしょう。1年も親としての意識を持つ女性と親としてゼロ歳児の父親では、なかなか育児の差を埋めるのは、努力が必要かと思います。
このようなスレ違い・今までの生活や夫婦の関係性の変化により、ストレスがかかっていきます。家庭環境や生活環境がそれぞれ異なりますが、父親になったばかりの男性もうつ病を発症しやすくなります。そして、稀に母親と父親が同時にうつ病を発症し、自分たちだけでなく、生まれてきた子どもにも大きな影響が及ぶことがあります。
海外の研究では、以下の事が判明しているそうです。
■ 気分障害の既往歴がある親は、母親か父親かにかかわらず、精神障害を発症するリスクが高い。
■ 母親が抑うつ状態にある場合、父親も抑うつになる確率が高い。
■ 周産期の父親の不安と母親の抑うつには負荷良い関わりがあり、母親が抑うつ状態にあると父親の不安障害のリスクが3倍に高まる。
産前・出産・産後・育児において、多くの不安や心配事があるかと思いますが、その影響が互いに出ている結果となっています。
悪い意味でも、良い意味でも影響するのが夫婦のため、上手に乗り切る必要性がありますね。私自身も身にしみる思いです・・・。
東洋医学的に考えると、肝気鬱結が関係している。
■ 肝気鬱結
これは、肝の疏泄作用が失調した状態を言います。疏泄作用とは、全身の気血を巡らせ、精神状態を安定させます。また、肝とは常に伸び伸びした気持ちが良い状態を好みます。外部ストレス(人間関係・生活環境・仕事など)により、この伸び伸びした環境が壊れると、気血の巡りが悪くなり、感情が乱れます。
そのため、イライラ・怒りっぽくなる・憂鬱感・猜疑心・ため息が増えるなど精神症状が現れます。
特に女性の場合は、産後の瘀血といって、血の巡りも悪くなっているために、産後うつ症状を引きおこしやすくなります。
肝気鬱結の改善には、ストレスとなる原因を取り除く事です。しかし、これが中々に難しいでしょう。例えば、今の仕事が嫌だー―。よし、やめよう。このような行動は、家庭を持っていると、出来ないかと思います。
そのため、ストレスを溜め込まないようにする事が大切です。食事のように、食べたら排泄する。ストレスを受けたら、そのまま上手く除いていく必要があります。
皆さんも既にしている事が、旅行をしたり、趣味をもったり、飲みに行ったりなどでしょう。それでも、ストレスを除けない方が、塵に積もって、うつ病などの精神疾患を発病します。
ストレスに強くなる漢方薬3選!!
■ 芎帰調血飲第一加減
産後の聖薬と呼ばれる漢方薬で、産後の体力の低下・抑うつ感・イライラ・瘀血などを改善する働きがあります。産後で起こる疾患であれば、まずはこれを試すことが1番でしょう。
身体を滋養してくれる生薬に、瘀血といって血の巡りを改善する生薬やストレスを流す生薬が配合されているので、非常に汎用性の高い漢方薬でしょう。
■ 加味逍遥散
良く更年期のイライラに使われる漢方薬です。しかし、女性だけでなく男性にも効果があります。肝気鬱結が続いて熱症状であるイライラ・瞬間的な怒り・目が血走る・激しい頭痛・耳鳴りなども引き起こされた状態です。
芎帰調血飲第一加減よりも、精神状態が激しい場合には、こちらがオススメです。初めての育児で、イライラが治まらない場合にも良いでしょう。肝の栄養となる血を補う生薬に、ストレスを流す生薬や鎮静作用のある生薬が配合されています。
■ 補中益気湯
上記の二つとは、少し傾向が変わります。この漢方薬は、元気を補う漢方薬であり、疲労感・直ぐに息切れ・食欲低下・無気力感・やる気が起きないなど、とにかく元気が乏しい状態に使います。
元気がないので、ストレスを流す気力も出ない状態です。そのような時には、この補中益気湯の方が良いでしょう。
まとめ
産前から育児にかけて、急激な生活の変化により、誰しもが起こりえます。上手にガス抜きをして精神疾患にならないように、気をつけていきましょう。
それでも、どうしようもない場合には、漢方薬や鍼灸は一つの手段としてオススメとなります。色々な逃げ道があるので、手段として知ってもらえたら嬉しく思います。
以上、参考になれば幸いです。
参考文献:「JAMA Network Open」に6月24日発表