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元気堂です。
冬になると、血管が硬くなったり血圧が高くなる傾向になります。そんな時に起こりやすくなるのが、脳梗塞や脳卒中などの脳疾患です。
そんな時に、おすすめなのが活血化瘀薬です。
その中でも、補陽還五湯がおすすめです。脳疾患後の後遺症治療として使われる漢方薬として、知られています。
補陽還五湯とは、どんな漢方薬??
構成生薬:黄耆 当帰 芍薬 川芎 桃仁 紅花 地龍
中でも黄耆がたくさん入っており、補気作用が高められます。黄耆という生薬は、固摂作用・衛気作用に優れます。つまり、漏れ出ないようにしたり、維持する作用に優れ、病気が体内へ侵入するのを防ぎます。
例えば、脳出血を予防したり、脳浮腫にも使えます。血管から血液を漏れ出ないようにしたり、余計な水分が出ない事により出血や浮腫のリスクを下げます。
その他に、当帰・川芎などにより、補血作用を高める事で、血液や栄養を補充します。
また、血の巡りも良くする活血作用のある桃仁・紅花があるので、脳梗塞が起こりにくく、地龍により通絡作用が気血の巡りをサポートする構成となっています。
このような事から、補陽還五湯は脳卒中などの後遺症に用いられる処方です。
何で、補陽還五湯と生脈散がおすすめなのか?
脳卒中などを経験した方では、動脈硬化・心臓弁膜症のために不整脈・虚血性心疾患が合併しやすいと言われます。
その予防として、補陽還五湯がおすすめなのです。
生脈散もおすすめの理由には、五味子という生薬には、マグネシウムが含まれているからです。抗不整脈効果が出来ると言われています。
ちなみに、生脈散の生薬は、人参・麦門冬・五味子というシンプルな漢方薬です。人参・麦門冬は補気補陰作用を持ち、心臓疾患で使う炙甘草湯という漢方薬にも含まれ、不整脈には相性が良いかと思われます。
実際にあった症例の結果は、どうなのか? 医師による症例集とは?
補陽還五湯 合 生脈散 を4週に渡って投与し、それを検討した事例がありました。
その結果は、12例中10例で、心室頻拍・上室性の頻拍が消失し、期外収縮も80%異常の低下が認められたと言います。
残り2例においても、改善はなかったものの悪化もしないという結果のようです。
一部の患者さんで、休薬中断して経過をみると不整脈が現れ、また服用の開始で改善が見られたといいます。
まとめ
脳卒中などの後遺症で起こる不整脈に対して、漢方薬の有用性についてでした。年齢・症状により、個人差はあるかもしれませんが、試す価値がある症例かと思います。
予防としても、補陽還五湯と生脈散は、比較的問題なく服用できるかと思います。
特に、今現状で悩んでいる方は試してみると良いでしょう。
以上、参考になれば幸いです。