はーい。こんにちわー。
元気堂です。
紅葉や銀杏の木が綺麗に色づく季節になりました。多くの方は、彩り豊かな木々に目を奪われるかと思います。そんな時に、ふと足下に注目すると、イノゴズチという薬草が生えているかもしれません。
イノゴズチ(ひかげのイノゴズチ)やひなたのイノゴズチは日本の至る所に分布しており、草むらを歩けば、衣服にくっついてくる植物の1つです。
そんなイノゴズチは、茎の節が大きく膨らみ、獅子に膝だったり、牛の膝を連想させます。それが、生薬として使われており、牛膝(ごしつ)という名称で呼ばれています。
このイノゴズチの根や全草には、イノコステロン・エクジステロンなどの昆虫変態ホルモンが含まれています。これにより、昆虫の幼虫が早く育つ事で、自分自身の葉を食される被害から身を守っています。なかなか面白い仕組みかと思います。
そんな植物であるイノゴズチの根が、秋冬の養生として使われています。
牛膝という生薬の効能・効果とは??
生薬としての牛膝には、肝腎を補い、関節の動きを良くして筋骨を強くし、血液の流れを良くすると言われます。肝腎は、老化やストレスでエネルギーが低下しやすい傾向があります。そのため、ここを補う事で、予後が変わっていきます。
主な効果というと、腰膝の疼痛の緩和・月経痛や腹痛の緩和・尿道炎、打撲、咽頭炎などの改善にも使われます。活血薬に分類されるので、血の巡りを良くする事で、炎症を流したり、うっ滞による痛みを改善してくる役割があります。
そのため、汎用性が高く、桃仁・紅花・当帰・延胡索などと使えば、折衝飲・血府逐瘀丸などの活血化瘀薬となります。月経痛・月経不順・打撲・腰膝の痛みなど血の巡りが悪い際に起こる症状に適応されます。
その他にも、防風・独活・蒼朮などと用いれば、下半身の痛みによく効きます。代表的な漢方薬にも、独活寄生湯・三痺湯・疎経活血湯などがあり、疼痛や痺れにオススメです。
その他にも、老化で浮腫が酷い時に使用される牛車腎気丸なども有名どころでしょう。
注意点は、活血薬に分類されるので、妊婦には禁忌となります。流産を引き起こす恐れがあるため。
結局、関節痛には、どれを使えばいいの??
まずは、疎経活血湯がファーストチョイスかと思います。次に独活寄生湯を試してみるのは良いかと思います。
■ 疎経活血湯
冷え・湿気・夜間に痛みが増悪する方には、この疎経活血湯を試す事をオススメします。血行をよくして、痛みや痺れを改善するため、お風呂で症状が緩和する方にも相性が良いとされます。
また、痛風のように腫れあがった症状にも、血行を促進することで早めの改善に持っていきます。
■ 独活寄生湯
身体が虚弱で、腰や手足の痛みが慢性的な場合には、こちらに切り替える良いでしょう。疎経活血湯との違いは、加齢により体力が落ちていたり、虚弱で疲れやすい方には、独活寄生湯の方が合うとされます。
気血の巡りを良くして、筋骨を強くすることで、頑固で取りにくい痛みや痺れも出ないような身体作りつまり体質改善をしてくれます。
また、ヨクイニン・地竜と合わせると骨の再生力を高めるとも言われます。
まとめ
秋の薬草である牛膝は、足腰や膝などの痛み・痺れには、とても役に立つ生薬です。そのため、寒さで筋肉が固くなり、血流が落ちやすい秋冬には、牛膝が入った漢方薬がオススメとなります。
軽症の方であれば、毎日お風呂でストレッチなどでも改善傾向になる方もいるので、身体を芯から温めていきましょう。注意点は、必ず身体を温めてからのストレッチです。
冷えたままでのストレッチは、怪我の原因となります。また、ヒートショックも危ないため、浴槽や脱衣所はなるべく温かくしてから入りましょう。
以上、参考になれば幸いです。