はーい。こんにちわー。
元気堂です。
倦怠感などの身体の怠さは、もしかしたらホルモンバランスの乱れかもしれません。
その中でも、甲状腺が関与している可能性があります。
甲状腺は、男性でいう喉仏(のどぼとけ)の下にある13〜18gほどの小さく平たい臓器です。
甲状腺は、ヨウ素(ヨード)を主な原料として甲状腺ホルモンを作ります。
この甲状腺ホルモンは、新陳代謝を促して身体に活力を与える働きがあります。そのため、このホルモンに過不足により身体は様々な影響が出てきます。
甲状腺の病気は、この甲状腺ホルモンが機能の亢進・低下に分けられます。
また、それを引き起こす原因も、腫瘍・急性炎症など原因も様々・・・。
基本的に、甲状腺の働きが活発になって甲状腺ホルモンが過剰に作られている場合を甲状腺機能亢進症(こうしんしょう)と呼び、反対に機能が低下した場合を甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)と呼ばれます。
■ 甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症には、バセドウ病と呼ばれる甲状腺を過度に刺激するTSH受容体抗体が原因により、甲状腺ホルモンが過剰な状態になる疾患となります。
簡単言えば、甲状腺ホルモンを出すためのスイッチが制御できずに、次から次と連打されているイメージです。
甲状腺ホルモンが過剰となると、身体が常に運動しているような状態による状態となり、動悸・息切れ・手の震え・多汗・疲れやすい・体重減少・微熱・イライラ・下痢・月経不順などを生じます。
また、バセドウ病の有名な症状として、眼が突出している状態を起こします。
実は、この状態になるのは一部であり、全員が飛び出すわけではありません。
眼の突出の原因は、上瞼が引っ張られるため目が大きくなったように見えたり、眼球の周りの筋肉が腫れ、脂肪組織の量が増えたりすることで眼球が前に押し出されたりといった事が原因となります。
基本的は、内服薬を服用し経過観察を経て、血液中のTSH受容体抗体が低下する事を待ちます。
■ 慢性甲状腺炎(橋本病)
甲状腺に慢性の炎症が起きている病気です。
女性の10〜20人に1人くらいが発症するとも言われます。
この慢性甲状腺炎には、 甲状腺ホルモンが正常・ 甲状腺ホルモンが不足・甲状腺ホルモンが一時的に変動の3つの状態があります。
そのため、症状が無自覚・甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症の状態になったり、甲状腺の中に蓄えられている甲状腺ホルモンが漏れ出て、2〜3カ月にわたり甲状腺ホルモンが過剰状態やその後、備蓄が無くなるので甲状腺機能低下症の症状ももたらします。
甲状腺ホルモンが不足していると、新陳代謝が落ちるので、体力や気力の低下・冷え・浮腫・体重増加・声のかすれ・毛髪が薄くなる・便秘・月経異常などの症状が現れます。
■ 甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが不足した状態である事を触れました。
橋本病以外にも、先天性の原因・甲状腺の手術などの後天性の原因が含まれます。
東洋医学では、甲状腺機能亢進症には瀉法・甲状腺機能低下症には補法!!
基本的は、甲状腺亢進症は病院で処方される内服薬で、経過処置が多いでしょう。
どちらも大変な疾患でしょうが、甲状腺機能低下症の方が身体の機能が落ちるため、治療は重要です。
甲状腺ホルモンは、新陳代謝をあげ身体を活性化させるホルモンつまり、東洋医学でいう気に近い考えとなります。
です。
東洋医学も気が低下した気虚になると、それにより身体を維持・調節する機能が落ちるために様々な影響が生じます。
その中の1つには、甲状腺機能低下症と同じような症状も現れます。
例えば、疲労感・身体の重だるさ・筋力の低下・気力の低下・眠気・無汗・冷え性・脈拍数の減少・浮腫・体重の増加・皮膚の乾燥・しわがれ声・記憶力の低下・脱毛・便秘などですね。
気が不足しても似た症状が出ますし、気は気化作用により血・津液・腎精などの生成にも関与します。
そのため、間接的にも血虚の症状であり顔色の青白さ・皮膚の乾燥・爪や髪の荒れ・動悸や息切れ・不眠・めまい・生理不順などの原因にも・・・。
東洋医学のアプローチとしては!?
甲状腺機能低下症は、気虚との深い関係!!
そのため、気を補う漢方薬の使い方が重要でしょう。
人参・黄耆・白朮、甘草などの補気薬に分類される生薬が使われている補中益気湯・四君子湯・黄耆建中湯などを試してみると良いでしょう。
先天性の場合には、腎精不足が原因のため、補気薬だけでなく腎精を補う補腎薬である六味地黄丸・八味地黄丸なども考慮に入れましょう。
また、慢性化・女性の場合は、気だけでなく血も不足します。
この場合は、気血を補うような八珍湯・十全大補湯などが良いでしょう。
その他にも、一人一人の症状に合わせて加減すると効果も出てくるかと思います。
例えば、精神的なストレスが加われば、それを改善するような理気薬(柴胡・枳実・厚朴・香附子など)・冷えが顕著に出れば身体を温めるような桂皮・乾姜・附子・麻黄・葛根なども使われます。
最初にも触れましたが、基本の治療は補気!!
そのため、代表的な漢方薬として、補中益気湯などがオススメです。
補中益気湯は、基本的な補気薬だけでなく柴胡・陳皮なども含まれ、理気作用があります。また、生姜も含まれるので冷え症にも良いでしょう。
これを基本薬として、腎精不足なら補腎薬(六味地黄丸・八味地黄丸など)を追加したり、冷えが強ければ葛根湯・当帰加四逆呉茱萸生姜湯など・婦人系疾患があれば補血・活血化瘀薬(四物湯・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸・温経湯など)で加減すると良いでしょう。
まとめ
日頃の倦怠感が、ただの疲れじゃなくホルモン分泌が原因かもしれません。
そんな時には、身体を滋養して気を補充する生活が大切となります。
また、近くの病院へ相談する事でも、気持ちが楽になり改善するかもしれません。
現代では、慢性疲労は意外と身近な疾患です。
ただの疲れを思わず、早めに対策をすることで病気への対策となります。
身体に元気がなければ、自分自身の身体も上手く運行できない上に、ウイルス・細菌などが侵入しやすくもなります。
倦怠感は、1番最初の症状なので、見逃さずに対処していきましょう。
以上、参考になれば幸いです。