はーい。こんにちわー。
元気堂です。
日々の生活では、気がつかない内にも様々なストレスが身体に影響をもたらしているでしょう。生活環境・気圧・寒暖差・対人関係など多岐にわたります。
身体が元気な時は、些細なストレスにも対応できますが、コップと一緒で許容量を超えることでメンタル系の疾患になるでしょう。
症状においても軽度~重度ですが、不安や抑うつ感などで悩んでいる方は多いかと思います。そんな中で、ちょっとした行動で、症状が緩和する可能性があると示されました。
それは・・・
思いやり!!
抑うつ・不安を抱えている方は、自分自身が辛いかもしれませんが、他人を思いやる行為で自分自身の症状が軽減する事が出来るかもしれません。
他人を思いやる事で、何故このような研究結果が得られたのでしょうか??
この研究は、米South Texas Veterans Health Care SystemのDavid Cregg氏と米オハイオ州立大学心理学部教授のJennifer Cheavens氏により実施されました。
ちょっとした思いやりが起こす効果とは??
今回の研究結果では、一般的な治療で使われる2種類の手法よりも、この思いやりという行為の方が優位な効果が得られたのです。
友人へ励ましの言葉を送ったり、迷っている人に声をかけたりなど、ちょっとした思いやりをした相手だけでなく自分自身のウェルビーイングを向上する事が分かったのです。
ウェルビーイング・・・!? あまり馴染みがなく、初めて聞いた方もいるかと思います。
Well-being(ウェルビーイング)と英語では書かれ、心・身体・社会的な健康を意味する言葉です。つまり、満足した生活を送っている状態・生活に充実感を感じている状態・幸福感などを表しています。
近い言葉では、Happiness(ハピネス)がありますが、違いは瞬間的な幸せではなく、持続的・継続的な幸せを意味するのがウェルビーイングとなります。
ちょっと、意外な事ですね。些細な思いやりでも、その瞬間に幸せを感じるよりも持続的な幸せをもたらすというのです。しかも、自分自身だけでなく相手にも影響するのは、良い事ですね。
日本でも昔から1日1善という言葉があり、1日に1つの善行をして、それを積み重ねるようにしなさいという意味ですね。昔と違い、人付き合いが希薄になり、助け合いが少なくなっているのも、抑うつ・不安などの原因かもしれません。
どのような研究をしたのか??
軽度の抑うつ・不安などのストレス症状を少なくとも1つでも確認された方を対象を以下のグループにランダムに振り分けた研究となります。研究による介入は5週間実施され、介入終了時・終了から5週間後の追跡調査の評価が行われました。
① 週に2日、他人を思いやる行為を1日に3回行うグループ
・ 他人を思いやる行為とは、自分の持っている能力・時間・資金・資料など目的達成に必要な要素を使って、他人の利益・幸福感のために何らかの行動を起こすことを指します。
② 週に2日、社会活動を計画して行うグループ
・ 社会活動とは、娯楽のための活動を他人と一緒に計画して行うこと。
③ 認知的再評価を行うグループ
・ 認知的再評価は、自分のネガティブな思考パターンに気付いて別の考え方をすることを目標に、自分の考えを週に2日以上記録。
結果は、どうなったのか??
①と③を比べると、終了時・追跡調査時ともに①のグループは、抑うつ・不安症状が大幅に軽減し、人生の満足度がアップしていたのです。
①と②を比べると、上記と同じく時点では、社会的つながりを測る検査では両方とも良い結果となりました。
②と③を比べると、やはり②のグループは、抑うつ・不安の症状が良くなり、人生の満足度・社会的つながりも改善が見られました。
最後に、①のグループは、自己没入の程度を測る尺度に変化が認められたようです。
メンタル症状を抱えている方は、苦しさから頭がいっぱいになり、自分に対して没入状態になっています。その際に、他人つまり外へ意識を持っていくことが良い結果になったのではないかと考えられています。
まとめ
今回は、海外の研究についてでした。
自分が大変なときにこそ、周りを見ることも必要そうですね。まだ、病気でないうちから、思いやりを持って行動することこそ、自分を癒やす一番の近道かもしれません。
ウェルビーイングのように、満足いく1日を過ごせるようになりましょう。そして・・・
不安・抑うつ症状がある時こそ、思いやりを取り入れよう!!
以上、参考になれば幸いです。
参考文献:「The Journal of Positive Psychology」に12月12日掲載