はーい。こんにちわー。
元気堂です。
今回は、難病のクローン病から、出産した方の一例をあげたいと思います。
クローン病って、そもそも何?初めて聞く人もいるでしょう。
「クローン病」は、原因がわからず西洋医学的には治らないといわれている難病のひとつです。特徴としては、口から肛門に至るまでの全消化管に炎症性疾患です。口内炎が消化管の至る所にあるイメージです。
【症例】 「クローン病」 31歳 女性
<主張>:下痢、食欲の低下、身体のだるさ。また妊娠をご希望とのお話。
<服用の流れ>
3月:病院で治療するもよくならず、漢方治療を希望され、当堂にご来店。まず、胃腸強化を考え、「啓脾湯(けいひとう)」と「六君子湯(りっくんしとう)」を処方。体質に脾胃の虚弱が見られたため。
4月:下痢が改善されるとともに、食欲が出てきた。
5月:食欲は引き続きあり、便通よく、身体の怠さも改善傾向。
9月:以後良好を保っている。その後、妊娠が判明。その後は、症状に合わせ漢方薬を微調整をしていく。
翌年の11月:元気な双子のお子様をご出産されました。
その後、「啓脾湯」を中心に「五苓散(ごれいさん)」を配合し服用を3ヶ月続け、休薬中。漢方薬での体質改善を終えたため。
今回は、サクッと症例を挙げました。これは、あくまで一例ですので、人によっては漢方薬も変えていくこととなると思います。ただ、その人にあった体質改善をする事で、難病を抑え未病の域に抑える事ができる事が分かりました。
今回、服用した啓脾湯って、どんな薬??
啓脾湯が合うのは、こんな方です。
・痩せて顔色が悪い。
・食欲がなく、下痢気味。
・虚弱体質で、お腹が冷えやすい。
【啓脾湯の概要】
人参・白朮・茯苓・蓮子・山薬・山査子・陳皮・沢瀉・生姜・大棗・炙甘草が入った漢方薬です。
中身をみても、どんな効果があるのか分からない!それも、そうだと思います。
簡単に言えば、胃腸の調子を高め、消化を良くし、水の代謝を促す生薬が詰まった薬です。
クローン病よりも、胃腸炎などの使うことが多いかなぁーと思います。
この事から分かるように、漢方薬は体質に合わすことで、胃腸に使う薬でもクローン病に効果があったのです。
クローン病と潰瘍性大腸炎の違い。
【潰瘍性大腸炎】
潰瘍性大腸炎は、大腸、特に直腸の粘膜が傷つき、びらん、潰瘍などの浅い欠損を生ずる炎症性の病気です。クローン病との違いは、大腸に症状が集中している事です。また、20代で発病する事が多いと言われています。
この病気の特徴は、必ず直腸がおかされること、腸上部へいくほど病変は軽くなること、病状が悪くなったり、よくなったりを繰り返すことです。
よくなっている期間を寛解期、悪くなっている時期を再発期と呼んでいます。
一回だけ発症して、再発しないこともあります。
■ 症状
発病時には、必ず粘血便があります。
粘血便は、便の周囲に血液が付着するものから、新鮮な血液を排泄するものまであります。
通常は、ケチャップ状で、1日に十数回にまでなります。
病気が広がると、発熱や、持続的な下血のために、貧血や低タンパク血症を生じ、全身の状態が悪化します。
腹痛を起こすことは少なく、あっても軽度です。
■ 治療
この病気の7割は再発と寛解をくりかえします。
ストレスをきっかけに再発することが多いので、心身の安静を心がけます。
女性では、妊娠をきっかけに悪化することが多い、妊娠は寛解期を選ぶとよい。
食事は、生野菜や生果実などの繊維の多いもの、乳製品、刺激物は控えめにする必要があります。
カゼも再発の引き金になることもあります。
[西洋医学]
根本治療はありません。
サラゾピリン、ステロイドが使用されます。
[漢方]
症状に応じた漢方薬を服用します。
急速な症状の寛解もよくみられます。
まとめ
東洋医学は、病気を見るというよりも、その人個人を診ます。
そのため、人によっては脾胃を補うよりも補血作用を優先したり選ぶ漢方薬も違うでしょう。
もし、啓脾湯でも駄目でもまだまだ選択肢があります。
基本的に補法という身体を滋養する漢方薬を選ぶ事が多いでしょう。
そのため、食事の延長戦で身体を癒やすイメージに近いかと思います。
ここが、病院の薬と大きく異なる部分かと思います。
これにより、併用が可能となったりメリットも沢山存在します。もし、悩みがある場合は選択肢の1つとして頭に入れておくといいかもしれません。
以上、参考になれば幸いです。