はーい。こんにちわー。
元気堂です。
愛犬を可愛がる時に、ペロペロと舌で舐められる事があるかと思います。
基本的には、愛情表現の一つであると認識している方も多くいます。しかし、この舐める行動には、多くの情報が隠されているのです。今回は、舐める行動について知っていきましょう。
舐める行動の意味を大きく5つに分類しよう。
■ 甘える。(愛情表現)
これは、想像もしやすいでしょう。家族・信頼できる人に出会った時に、ペロペロと興奮気味に舐めます。説明をしなくても、喜びを表現している事がわかりますね。
■ 情報収集。
犬は、多くの事を嗅覚で情報を得ていますが、舐めるという行動でも情報を得ようとする事があります。
■ 慈悲 または 回避行動。
嫌な事があり、怒りがあるときにも、それを癒やすように寄ってきてくれる事があります。その際には、尻尾も萎えていますが、まるで労るようにしてくれますね。
また、苦手なことに対して避けるためにも舐める行動を取ります。愛情表現とは違い、明らかにテンションも違うのが特徴となります。
■ 葛藤。
どうしたいいのか分からないときなどにも舐める行動を示すことがあります。自分自身を舐めたり、相手を舐めることもあります。自分の鼻・身体をペロペロ舐めることがあります。
■ 病気。
強いストレス・不安だったり、病気・環境の変化などにより、同じ行動を繰り返し続けてしまう障害です。舐め続けることで、その部分に皮膚炎・脱毛を生じさせます。
病気による舐めたり、噛んだりしている場合は注意が必要。
過度に噛んでたり舐めている場合には、大きく2つに原因が分かれます。
それは、病気により生じているのか・精神的なストレスによるかです。前者であれば、湿疹やアトピー性皮膚炎などで痒み・違和感により、その患部をいじってしまうために舐めます。
後者は、飼い主と離れることで、強い不安・ストレスが強い環境・コミュニケーションの過不足などのストレスにより引き起こされます。後者であれば、生活習慣など上手く改善する必要ですが、前者の病気であれば治療が必要でしょう。
犬が前足を舐める原因の一つとして、急性湿性皮膚炎という疾患があります。肢先や指間にみられる皮膚炎で、皮膚炎という疾患でも多く見られます。あくまで、急性のため一時的に強い痒み・赤く湿っぽい炎症が生じます。
その他にも、ストレスが強く前足を舐めることで、皮膚炎にもなります。これを、肢端舐性(したんしせい)皮膚炎といい、心因性の常同行動が原因です。常同行動とは、前脚を執拗に舐める・自分の尾を追いかけまわす・同じルートを徘徊するなどの繰り返しの行動であり、強いストレスを感じている犬にみられます。
東洋医学では、補血・清熱解毒が基本。
まずは、皮膚の回復を促し、血肉となる補血が必要となります。また、すでに痒み・炎症が強い際には、炎症を鎮めて解毒を促す清熱解毒を加えます。
漢方薬では、温清飲が基本処方であり、その派生した処方もオススメです。例えば、荊芥連翹湯・清肝散・消風散などがあります。個人的には、消風散や荊芥連翹湯などを使う事が多い気がします。
また、肢端舐性皮膚炎であれば、気の巡りを改善するといいでしょう。その場合には、加味逍遥散・抑肝散だったり、四逆散なども使われます。
東洋医学では、同病異治という言葉があり、同じような皮膚炎でも人・動物の個々の違いで治療が異なります。そのため、その子の状態に合わせる必要性があります。基本的には、治療の方向性が同じでも、使う漢方薬が異なることも多いでしょう。
性格の違い・年齢でも変わっていくのが東洋医学の特徴でもあります。こうなると、始めにくい・・・・。そのような場合は、まずは温清飲が基本で試しやすいでしょう。
まとめ
舐めるという一つの行動にも、様々な意味があります。病気やストレスにより生じるので、早めに気が付いてあげると予後が良いでしょう。
まずは、早期発見・早期治療が一番です。
ステロイド・免疫抑制剤などを使っていて、症状が繰り返している場合には、補血作用が上手く働いていないかもしれません。特に、高齢になると薬で抑えるだけでは完治しにくいので、補法という身体を補って治していくことが大切でしょう。
以上、参考になれば幸いです。