はーい。こんにちわー。
元気堂です。
皆さんは、下肢静脈瘤という言葉を知っているでしょうか??
名前の通り、足の静脈のうっ滞により、コブができる症状です。
この下肢静脈瘤は、何故起こるのでしょうか??
まず、動脈と静脈の違いについて話しましょう。
簡単なイメージで、動脈は心臓から出ていく血管で、静脈は心臓へ還る血管となります。動脈には、弁というフタは心臓から押し出すとき位にしかなく、血管内にはありません。
しかし、静脈には、静脈弁というフタが存在します。
これは、心臓へ血液を返すときに逆流を防ぐ役割があります。
特に、下肢は心臓から遠く、重力もかかるため再び心臓へと血液を返すためには、この弁が必要となります。
また、ふくらはぎの筋肉の運動・呼吸・動脈からの血液の押し上げが必要となります。
これらの原因でも影響がでてきますが、特に弁というフタが機能しないと心臓へ血液を返すのは難しいでしょう。
これらの原因により、静脈でコブという血液だまりが出来上がり、静脈瘤となります。
現代医学では、下肢静脈瘤をどうみるのか??
下肢静脈瘤は、職業が関与していると言われます。
では、どのような仕事に多いのでしょうか。
それは、立ち仕事!!
立ち仕事は、常に重力がかかるので起きやすいと言われます。
また、血の巡りが悪い方です。特に、出産経験がある方・妊婦さんは起きやすい傾向です。
他には、加齢により筋力低下・肥満により脂肪の圧迫などがあります。
やはり、静脈に病気があるために血流が一番の原因となります。
東洋医学では、下肢静脈瘤をどうみるのか??
東洋医学でも同じく血流の流れが原因であり、瘀血という病気が関与する事が多いでしょう。
東洋医学では、この瘀血という原因も、さらに細分化します。
■ 湿熱による瘀血
これは、肥満・過食・飲み過ぎ・辛いものの取り過ぎなど、湿熱という病が血の巡りを悪くしている事で起こります。
特徴は、下肢に熱感・腫脹・痛みなどを伴い、見た目も赤く腫れます。その他に、発熱・口苦・尿量が減り、濃い黄色・舌苔が黄色くねっとりなどの症状があります。
男性の下肢静脈瘤は、このような原因が多く感じます。
■ 寒湿による瘀血
女性に多い浮腫・冷えといった寒湿という病が、気血の流れを悪くしている事で起こります。
下肢の腫脹・重怠い・痛みなどを伴うが、真っ赤に腫れる事は無く、熱感が少ない。舌苔も黄色でなく白色になります。
■ 気血不足により瘀血
虚弱体質・慢性病で、元気や栄養が乏しくなっている場合です。これは、血液を押し出す力も低下し、元々の血液も少なくなって起こります。
ホースの中の水が少ない時に、チョロチョロとしか水が出ないようなイメージです。これでは、心臓まで返す事が出来なくなります。
特徴は、倦怠感・やる気がでない・顔色に覇気がない・色艶が悪い・口唇や舌が淡い・舌苔もうすいなどがあります。この症状は、高齢者・虚弱体質の方が多く感じます。
下肢静脈瘤でも、原因・状態が違うのが分かるでしょうか??そのため、治療へのアプローチも変わっていきます。
東洋医学で考える下肢静脈瘤の治療法とは??
■ 湿熱による瘀血
治療目的は、清熱利湿・活血通絡となります。つまり、熱・水分を取り除き、血液の流れを良くしようという事となります。
そのため、温めるような治療は避けるべきでしょう。
漢方薬である一貫堂医学の龍胆瀉肝湯(温清飲+龍胆瀉肝湯)に桂枝茯苓丸や疎経活血湯を合わして服用する事がおすすめです。
龍胆瀉肝湯+桂枝茯苓丸または、龍胆瀉肝湯+疎経活血湯でも十分かもしれません。炎症や疼痛が激しい場合は、清熱作用がある温清飲や黄連解毒湯などを加減するのがいいでしょう。
■ 寒湿による瘀血
治療目的は、散寒利湿・理気通絡となります。寒さ・冷えを除き、余分な水を追い出し、気の巡りも良くする事が大切です。
そのため、お風呂や下肢を温める事が大切となります。以下のパネルヒーターは、私も仕事場で使っています。底冷え対策としても、おすすめです。
漢方薬としては、温経湯または当帰芍薬散に、四逆散などの理気薬が良いでしょう。
下肢の冷えや血の巡りを良くする漢方薬に、ストレスを流すような漢方薬の組み合わせとなります。特に、温経湯か当帰芍薬散が重要かなと個人的には思います。
■ 気血不足により瘀血
気血を補う事が大切です。そのため、バランスの取れた食事と適度な運動が大切となります。
おすすめの漢方薬は、補中益気湯・十全大補湯・補陽還五湯などになります。
どれも補充して元気にしてくれますが、意外とおすすめが補陽還五湯です。補陽還五湯は、脳梗塞などの漢方薬と言われますが、血液循環と補気作用に優れた漢方薬です。下肢の神経痛や血巡りでも良く使用します。
まとめ
下肢静脈瘤といっても、東洋医学で見れば治療方法が様々存在しています。
根本的な原因は、血液の流れが関与しています。
自分自身の下肢静脈瘤は、どのタイプか知ることで改善しやすくなるかと思います。
特に、女性の場合は当帰芍薬散が基本となる事が多いので、浮腫・冷え症なども伴っていれば試してみると良いでしょう。
以上、参考になれば幸いです。